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2011年版 第45話
2011年版アニメ第45話「コウソク×ト×ヤクソク」を解説。ウボォーギンの拘束、陰獣の敗北、ヒソカとクラピカの取引、旅団による救出を整理する。
第45話「コウソク×ト×ヤクソク」は2012年9月2日に放送され、原作No.76後半からNo.79冒頭を映像化する。捕らえたウボォーギンを巡り、ノストラード組、陰獣、幻影旅団が別々の目的で動く。
クラピカは仲間の死を聞いて怒りを深める一方、ヒソカから旅団員七人の能力情報を得る取引へ進む。しかし拘束場所は旅団に突き止められ、救出されたウボォーギンは鎖使いを追い始める。

第45話で拘束されたウボォーギンとクラピカ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

鎖使いを追うウボォーギンと旅団の動き 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

梟が不思議で便利な大風呂敷を使う場面 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ウボォーギンへ剣を向けるダルツォルネ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

旅団の奪還で倒されたダルツォルネ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 2011年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第45話 |
| 副題 | コウソク×ト×ヤクソク |
| 放送日 | 2012年9月2日 |
| 原作対応 | No.76後半〜No.79冒頭 |
マチの糸が残した追跡路
クラピカたちがウボォーギンを車で運び出した後も、旅団は行先を失っていない。マチが捕虜へ付けた針と念糸をたどり、車列の後方から追跡する。
拘束に成功した側は、現場から離れれば安全になると考えやすい。しかし相手の身体に追跡手段が残っていれば、移送そのものが本拠地までの案内になる。
旅団はすぐ奪還へ飛び込まず、捕虜と追跡車の位置関係を保つ。腕力に頼るウボォーギンを救う場面でも、マチの精密な能力が前提を作る。
梟の不思議で便利な大風呂敷
車へ追いついた旅団員の前へ陰獣の梟が現れ、不思議で便利な大風呂敷で車体ごと包もうとする。対象を布へ収め、小さくして運べる能力である。
旅団員の多くは包囲から逃れるが、座席位置の悪かったノブナガだけが布へ捕らえられる。能力の脅威は攻撃力より、相手を生きたまま隔離できる点にある。
梟は前回の戦闘で旅団の強さを見ているため、他の陰獣へ慎重な対応を求める。忠告は敗北への恐怖ではなく、既に得た情報へ基づく判断である。
残る陰獣の過信
後から集まった陰獣は人数と実績を頼りに旅団へ攻撃する。ウボォーギンを一度動けなくした事実から、他の団員も同じ水準だと見積もる。
しかし旅団は全員が同じ能力を持つ集団ではない。フェイタンの速度とシズクのデメちゃんは、病犬たちが用いた毒や体内攻撃とは異なる条件で陰獣を崩す。
梟の警告を退けた結果、陰獣はほぼ全滅する。所属組織の看板と前戦の一時的な成果が、個々の相性を測る作業の代わりにはならない。
捕虜へ通らないダルツォルネの剣
ノストラード組の拠点では、麻痺毒の残るウボォーギンをダルツォルネが尋問する。自由に動けなくても、本人は拘束者へ怯える態度を見せない。
ダルツォルネは剣で身体を刺そうとするが、オーラで守られた皮膚を破れず刃が折れる。毒で筋肉を止めても、防御に使う念まで完全には失わせていない。
この結果は、捕虜が安全な状態になったことを否定する。尋問側は情報を持つ一方、拘束が解ければ同じ部屋で反撃を受ける距離にいる。
競売品と参加者を分けた回答
競売品の所在を問われたウボォーギンは、陰獣が先に移動させたと答える。旅団が会場を襲った時点で、求めた品は金庫に残っていなかった。
その説明だけなら、旅団は盗品を得ていないという弁明になる。しかしクラピカが参加者の行方を問うと、計画のため全員を殺したと平然と認める。
品を盗めなかったことと、会場を襲って人を殺した責任は別である。ウボォーギンが提示する解放取引は、死者を巡る敵意を取り除かない。
怒りを抑えられなかった一撃
クラピカは同僚を含む競売参加者の死を聞き、拘束中のウボォーギンを殴る。情報を引き出す役割より、旅団への私情が一瞬前へ出る。
捕虜は鎖使いの正体をまだ完全に知らないが、この反応から仲間を殺された人物だと推測できる。感情の露出は敵へ追跡理由と人物像を与える。
一方、クラピカにとって旅団はクルタ族の仇でもある。今回の犠牲者だけへの怒りではなく、長く抑えてきた復讐心が同じ対象へ重なる。
梟から競売品を回収する旅団
陰獣との戦闘後、フェイタンは梟を殺さず尋問へ回す。競売品の移送先を知る人物として、戦闘相手とは別の価値が残るからである。
梟は拷問に耐え切れず、隠した品の場所を明かす。旅団は会場襲撃で得られなかった目的物を、陰獣の能力者から情報ごと奪い返す。
ノブナガを包んだ能力も旅団側へ渡る余地が生まれる。捕虜交換ではなく、情報と能力を一方向に利用するのが旅団の尋問である。
廃遊園地での共闘提案
ヒソカはクロロへ外出の許可を取り、廃遊園地でクラピカと会う。旅団員として動きながら、団長と戦うため内部を崩す相手を探している。
クラピカへ提示する対価は、ヒソカが把握する七人分の念能力情報である。復讐対象の条件を知らないクラピカにとって、戦闘前の危険を減らせる。
ただし共闘は目的の一致を意味しない。クラピカは旅団を捕らえたいが、ヒソカはクロロとの決闘機会を得たいだけである。
マフィアを装った奪還
ダルツォルネはウボォーギンをマフィアへ引き渡そうとし、拘束場所を知らせる。その連絡を利用し、旅団員は引取人を装って建物へ入る。
正規の援軍だと思えば、護衛側は入口で全員を敵として扱いにくい。旅団は変装と時機を使い、外壁を破る前に警戒線の内側へ入る。
救出時にダルツォルネは殺される。捕虜の受渡し手順が確認不足のまま進んだため、組織の連絡網そのものを侵入経路に変えられる。
毒を吸い出したデメちゃん
シズクはデメちゃんでウボォーギンの体内に残る毒を吸い出す。生命体そのものは吸えない制約があっても、体内へ入った異物を対象にできる。
麻痺が解けると、拘束設備と建物はウボォーギンの力を止められない。動けない時間を前提にした監視は、解毒役の到着で一気に崩れる。
ウボォーギンは仲間と戻らず、鎖使いを探すためその場へ残る。救出の成功が旅団の撤退ではなく、クラピカとの一対一を近づける。
同じ拘束を巡る三つの目的
クラピカは捕虜から旅団の情報を得たい。ダルツォルネはマフィアへの引渡しを進めたい。旅団は仲間と競売品を取り戻したい。
三者の目的は、ウボォーギンを確保する一点では重なって見える。しかし生かす期間、移送先、必要な情報が異なり、同じ手順で満たせない。
ヒソカはその衝突の外からクラピカへ近づく。捕虜の位置より、復讐者と団長を将来接触させる関係を作ることへ関心がある。
マチの追跡糸、梟の布、クラピカの鎖は、いずれも相手の自由を奪う。ただし追跡、収納、強制絶という機能は異なり、一括して同じ拘束能力とは扱えない。
陰獣が人数をそろえても敗れた一方、梟の単独能力はノブナガを捕らえた。組織全体の強さより、発動時機と相手が能力を知っているかが結果を左右する。
ウボォーギンは競売品を盗んでいない事実を解放の根拠にするが、襲撃と殺人は自認している。問いの範囲を品へ狭めることで、自分に都合のよい取引へ変える。
クラピカの一撃は感情的でも、彼が仲間の死を確認する質問をした結果である。怒りの発端を単なる短気へ縮めず、何を聞いた直後かを残す必要がある。
ヒソカが教える七人の情報は、旅団全員の能力一覧ではない。本人が把握した範囲に限られ、条件や隠し技まで完全に保証するものでもない。
クラピカが提案を受ける場合、情報の正しさだけでなく提供者の意図を抱え込む。ヒソカは味方ではなく、嘘と真実を自分の決闘へ配分する人物である。
ダルツォルネの剣が折れた時点で、通常の武器による処刑や脅迫が効きにくいと分かる。それでも引渡しを急ぎ、念能力者の奪還を想定した守りへ切り替えられない。
旅団の変装は外見だけでなく、マフィアが来るという予定情報を使う。正しい予定があるからこそ、到着者の身元確認を省いた時に偽物が通る。
シズクの解毒は医療行為と同じ目的を持っても、毒だけを吸い出す念能力である。傷の治療や失血まで同時に解決したとは示されない。
ウボォーギンが鉄枠を頭で壊す場面は、拘束後も身体強化が衰えていないことを示す。次に対面するクラピカは、素手の防御を突破する条件を用意しなければならない。
第45話の終わりで、捕らえた側と救出した側の立場が反転する。クラピカは敵の所在を知った代わりに、自分もウボォーギンから追われる対象になる。
副題の約束はヒソカとの共闘提案だけを指さない。情報を渡す条件、捕虜を引き渡す予定、鎖使いを倒すという宣言が重なり、誰の約束が守られるかはまだ定まらない。
次話の決闘は偶然の遭遇ではない。マチの追跡、クラピカの反応、旅団の救出、ウボォーギンの選択が順に相手を一人へ絞っている。
奪還成功が決闘へ変わるまで
旅団はウボォーギンの居場所を、正面からマフィアへ問い合わせて得たわけではない。マチの念糸で移送先を追い、さらに正規の引取人が来る予定を利用して護衛の内側へ入る。追跡と偽装が連続したため、ノストラード組はどの段階で所在が漏れたかを見抜けない。
陰獣はウボォーギンを毒で止めた実績を持つが、その成功は病犬らの能力と接近の組合せによる。別の団員へ同じ戦法がそのまま通じる保証はなく、梟が慎重論を述べたのは、旅団全体の能力をまだ測れていないからである。
クラピカとヒソカの取引は、敵の敵を味方とみなす同盟ではない。七人分の能力情報は有用でも、ヒソカが知らない条件や意図的に伏せる内容が残り得る。クラピカは情報を得る代わりに、団長との戦いを望む人物の計画へ接続される。
シズクが毒を吸い出した直後、ウボォーギンは旅団と共に帰らず鎖使いを探す。救出された仲間を安全圏へ戻すより、自分を捕らえた相手との決着を選んだ。この判断が、集団同士の争いをクラピカとの一対一へ絞る。
第45話では、捕獲に成功したという結果が安全を意味しない。念能力者を運ぶ経路、監視役の戦力、外部との連絡、解毒手段まで含めて拘束は成立する。どれか一つが崩れると、捕虜は情報源から追跡者へ立場を変える。
2011年版 第45話が残したもの
第45話は、拘束したウボォーギンを巡る情報差と奪還を描き、クラピカと旅団の一対一へ道を作る回である。
ヒソカの協力はクラピカへ能力情報を与えるが、目的を共有する友情ではない。団長と戦いたい欲望が取引の条件になる。
旅団は追跡糸、変装、解毒を連携させて捕虜を救い、ウボォーギンは鎖使いを追う。拘束の成功は安全の確保まで保証しなかった。