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2011年版 第44話
2011年版アニメ第44話「ゲキセン×ノ×フクセン」を解説。ウボォーギン対陰獣、毒と蛭、シズクの処置、クラピカによる拘束を整理する。
第44話「ゲキセン×ノ×フクセン」は2012年8月19日に放送され、原作No.75終盤からNo.77前半を映像化する。十老頭が差し向けた陰獣はウボォーギンを包囲し、複数の能力を連携させて幻影旅団の怪力を封じようとする。
戦いはウボォーギンの圧勝に見えて、毒と蛭によって行動不能へ追い込まれる。その直後、緋の眼となったクラピカが鎖で彼を奪い、直接対決へ進むための捕縛を成功させる。

ウボォーギンと陰獣が激突する第44話 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

地中からウボォーギンを引き込む蚯蚓 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

噛みつきで神経毒を注入する病犬 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

硬い体毛でウボォーギンの拳を拘束する山嵐 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

傷口から体内へ入れられたマダライトヒル 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 2011年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第44話 |
| 副題 | ゲキセン×ノ×フクセン |
| 放送日 | 2012年8月19日 |
| 原作対応 | No.75終盤〜No.77前半 |
陰獣四人の連携
病犬、蚯蚓、蛭、山嵐は、それぞれ異なる身体と念の使い方でウボォーギンへ襲いかかる。一人ずつ力比べをするのではなく、地中、噛みつき、寄生、体毛を組み合わせて動きを止める。
幻影旅団のほかの団員は近くでカードをしながら、ウボォーギンへ戦いを任せる。無関心ではなく、仲間の強さと一対多数の状況を見積もった余裕である。
陰獣側も世界有数の武闘派として十老頭に選ばれている。結果だけから弱者と見ると、ウボォーギンの異常な耐久力と破壊力を測り損なう。
蚯蚓を沈めた超破壊拳
地中を自在に進む蚯蚓は、足元から拳を当て、ウボォーギンを土へ引きずり込もうとする。地面を足場にする相手から、怪力を出しにくい位置を奪う狙いである。
ウボォーギンは右拳へ念を集中し、「超破壊拳」を地面へ叩き込む。爆発的な衝撃で巨大な穴を作り、地下の蚯蚓へ致命傷を与える。
技の本人目標は小型ミサイル級だが、この時点でも周囲の地形を一撃で変える。防御を捨てて腕へ集めた念を、相手のいる地面ごと破壊する使い方である。
山嵐の体毛と拳の衝突
山嵐は体毛を自在に硬くし、針のような防壁を作る。ウボォーギンが殴ると毛が手へ突き刺さり、力任せの接触攻撃を逆に傷へ変える。
柔らかさと硬さを切り替える体毛は、相手の拳を受け止めながら絡め取る。ウボォーギンは腕を抜けず、ほかの陰獣が能力を重ねる時間を与える。
単独で倒す火力より、最も危険な拳を固定することが山嵐の役割である。連携戦では、拘束の数秒が毒や寄生を通す決定的な隙になる。
病犬の毒が止めた巨体
病犬は鋭い歯でウボォーギンの肉を噛みちぎり、同時に毒を注入する。選んだ毒は致死性ではなく、身体の自由を奪う神経毒である。
ウボォーギンは強化した肉体で銃弾すら耐えるが、皮膚を破った歯から入る薬物までは筋力だけで無効化できない。しだいに身体が動かなくなる。
病犬が即死毒を使っていれば勝敗が変わった可能性はあるが、作中で選ばれた目的は捕獲である。結果から逆算して、当初から殺すだけの作戦だったとはできない。
蛭が埋め込んだ寄生生物
蛭はウボォーギンの傷口へマダライトヒルを埋め込み、体内で繁殖させようとする。解毒だけでは解決せず、生きた寄生生物を除く必要がある攻撃である。
蛭は得意げに発症の過程を説明するが、動けないはずのウボォーギンは頭部へ噛みつき、上半分を食いちぎる。拘束された状態でも口と顎を武器に変える。
寄生を受けた事実は残るため、敵を倒しても危険は終わらない。陰獣の連携は、死後にも効果が続く種類の損傷を旅団へ与える。
骨片と咆哮による反撃
ウボォーギンは蛭の頭蓋骨片を口から高速で吐き、病犬の頭部を貫く。腕と脚を封じられても、周囲の物を弾丸へ変える。
続いて大声を上げ、その衝撃で密着していた山嵐を気絶させる。念能力の固有技ではなく、肺活量と声量まで常識を外れた身体能力として描かれる。
四人を倒しても毒は残り、ウボォーギンは立てない。戦闘の勝利と、直後に自由に行動できる状態は別だと示される。
デメちゃんが吸えたもの
ウボォーギンはシズクへ解毒を頼み、具現化した掃除機「デメちゃん」が体内の毒を吸い出す。シズクが生物と認識する物は吸えないという条件がある。
毒は無生物として除去できるが、マダライトヒルは生きているため吸えない。万能な治療ではなく、対象の分類によって結果が分かれる。
旅団は蛭の性質から治療法を割り出し、ビールを大量に飲んで排出する方法へつなげる。能力の制約を知る仲間同士だからこそ、次の処置を早く選べる。
緋の眼で踏み出したクラピカ
戦いを見ていたクラピカは緋の眼となり、ウボォーギンを目の前にして前へ出ようとする。虐殺した旅団の一員を捕らえる機会が、護衛任務より復讐心を強く刺激する。
ダルツォルネは勝手な接近を止め、護衛団全体の安全を優先する。センリツは笛の音でクラピカの高ぶりを静め、衝動を作戦へ戻す。
仲間に制止されても、クラピカは捕縛の意思を捨てない。感情を消すのでなく、鎖を届かせる時機まで抑えることが必要になる。
鎖で奪ったウボォーギン
ノストラード組が車で離れる時、クラピカは「束縛する中指の鎖」を伸ばし、毒で動けないウボォーギンを地面の穴から引き上げる。陰獣が作った好機を逃さない。
捕縛後は車内で声を封じ、旅団へ位置を知らせる反撃を防ぐ。クラピカは怒りに任せてその場で殺さず、情報と能力の検証に使える生け捕りを選ぶ。
自分へ課した制約と鎖の効果を頭の中で確かめながら、旅団員だけを拘束する決戦へ移る。第44話は陰獣戦の終幕であると同時に、クラピカの復讐戦の入口である。
旅団が手を出さなかった理由
フィンクスたちはウボォーギンが戦う間、すぐ援護へ入らない。仲間を見捨てたのではなく、本人が一対多数の戦闘を望み、陰獣を倒せると共有しているためである。
ただし毒で動けなくなった後は、シズクの能力で処置する。個人の戦闘へ介入しないことと、戦闘後の危険を放置することは分けられている。
旅団の連帯は命令系統だけでなく、互いの能力と好みを知る関係に支えられる。援護の遅さを、仲間への無関心だけで説明できない。
陰獣が狙った生け捕り
病犬が神経毒を選び、蛭が時間をかけて苦しめる能力を使ったことから、陰獣は情報を得られる状態で捕らえる意図を持っていたと読める。
マフィア共同体にとって、競売品を奪った犯人の所属や品物の行方は重要である。即死させるより、行動不能にして尋問する価値がある。
その選択はウボォーギンへ反撃の余地を残した。目的に合わせた毒が、戦闘だけを見れば致命的な甘さになる。
強化系の身体と対処の境界
ウボォーギンは念で肉体を強化し、拳、歯、声まで武器にする。銃弾や通常の打撃へ強くても、傷口から入る毒や生体寄生を同じ方法では防げない。
能力には得意な防御範囲があり、硬さがすべての危険を無効にするわけではない。陰獣は正面の皮膚を破る病犬の歯を起点に、内側へ攻撃を通した。
それでもウボォーギンは拘束状態から四人を倒す。弱点があることと、弱いことは別であり、陰獣側にも最後まで安全な位置はなかった。
センリツが止めた復讐の暴走
センリツはクラピカの心音から、普段と異なる激しい感情を察知する。緋の眼を直接見なくても、復讐対象との遭遇が判断を乱していると分かる。
笛の旋律は気持ちを落ち着かせ、ダルツォルネの制止を聞ける状態へ戻す。クラピカの能力を奪うのでなく、使う時機を選べる余白を作る。
護衛任務中に個人の復讐へ走れば、ネオンや仲間を危険へ巻き込む。センリツの介入が、捕縛を衝動的な突撃から実行可能な作戦へ変える。
捕縛後に始まる能力の検証
クラピカが旅団専用に作った鎖は、強制的な絶へ追い込むことでウボォーギンの怪力を封じる。通常の縄や手錠では成立しない拘束である。
ただし第44話の時点で、ウボォーギンは鎖の全条件を知らない。クラピカも実戦で旅団員へ通じるかを初めて確かめる段階にある。
生け捕りに成功したことで、旅団の情報と鎖の効果を次の場面で検証できる。陰獣戦の副産物が、クラピカの制約を試す最初の実戦へつながる。
2011年版 第44話が残したもの
第44話の要点は、陰獣が連携でウボォーギンを行動不能へ追い込み、その機会をクラピカが鎖による捕縛へつなげたことである。
ウボォーギンは四人を倒しても毒と蛭を受け、旅団の仲間はデメちゃんの条件に合わせて処置を分けた。
正面の怪力だけでなく、毒、寄生、拘束、感情の制御が重なることで、幻影旅団の戦闘員を生け捕りにする状況が成立した。
陰獣の能力は単独なら突破されても、山嵐の拘束、病犬の毒、蛭の寄生を重ねることでウボォーギンの身体へ届いた。連携の順序自体が攻撃力になる。
ウボォーギンも腕を封じられた後、歯、骨片、咆哮へ武器を切り替える。強化系の戦いは拳一つではなく、身体全体を状況に合わせて使う。
シズクの処置では、生物を吸えないデメちゃんの制約が治療結果を分けた。能力の強さを語る時は、できたことだけでなく吸えなかった対象も重要である。
クラピカの捕縛は陰獣の勝利を横取りしただけではない。センリツの制止、車の移動、鎖の射程を重ね、復讐心を実行可能な手順へ変えた。
第44話の終盤で主導権はマフィアからノストラード組へ移るが、旅団の仲間も近くにいる。ウボォーギンを捕らえたことが、次の追跡と報復を呼び込む。
病犬の毒とマダライトヒルは戦闘終了後も残る効果であり、敵を倒せば解除される念の条件とは異なる。旅団は症状ごとに別の処置を必要とした。
ウボォーギンを車へ引き込んだ後、クラピカは大声や自傷による脱出も警戒する。捕縛成功後の管理まで含めて、初めて生け捕りが成立する。