MAGIシステムは、NERV 本部司令室の中核を担う第7世代有機スーパーコンピュータシステムである。MELCHIOR-1(メルキオール)・BALTHASAR-1(バルタザール)・CASPER-1(カスパー) という3基の独立したスーパーコンピュータによる合議制が構築されており、通常のコンピュータには出来ない『人間が有するジレンマ』(賛成・反対・保留の合議) を再現する。NERV本部施設の運用・エヴァシリーズの戦闘支援・第3新東京市の市政まで担う。開発者は 赤木リツコ の母・赤木ナオコ博士 で、人格移植OSの第1号でもある。3基それぞれに、ナオコ自身の『科学者としての自分(MELCHIOR)』『母としての自分(BALTHASAR)』『女としての自分(CASPER)』の思考パターンが移植されており、それぞれプログラムも異なる。名称はイエス・キリスト誕生時に現れた『東方の三賢人(マタイ伝のメルキオール/バルタザール/カスパー)』に由来する。

MELCHIOR / BALTHASAR / CASPER — 3つの人格と合議

MELCHIOR-1(メルキオール) は赤木ナオコの『科学者としての自我』が移植されたシステムで、論理・データ重視の判断を行う。BALTHASAR-1(バルタザール) は『母としての自我』が移植され、保護・倫理重視の判断を行う。CASPER-1(カスパー) は『女としての自我』が移植され、感情・利己的選択も含む判断を行う。3基がそれぞれ独立して判断を下し、最終決定は『賛成2 vs 反対1』『全員賛成』など多数決ないし合議で決まる。劇中では NERV 司令室の正面ディスプレイに『MELCHIOR-1 賛成 / BALTHASAR-1 反対 / CASPER-1 保留』のような表示が頻繁に映し出され、緊張感を演出する装置として機能する。

開発者 赤木ナオコ博士と人格移植OS

MAGI の開発者 赤木ナオコ 博士は、シリーズ前史で GEHIRN の技術部主任を務めた科学者で、リツコの母。MAGI を『人格移植OS の第1号』として完成させた後、自身の3つの自我(科学者/母/女)をそれぞれ独立したシステムに移植した。劇中ではすでに故人だが、初代綾波レイに『ババァ』と呼ばれた屈辱と、碇ゲンドウへの嫉妬から初代レイを絞殺、その後セントラルドグマで自殺したという過去が第拾参話「使徒、侵入」前後で明かされる。MAGI に自身の人格を分割移植したという設定は、後のシリーズの『母の不在』『母性の継承』のテーマを技術面で支える重要設定となっている。

第拾参話『使徒、侵入』 — イロウルのMAGIハッキング

TV版 第拾参話「使徒、侵入」 では、第11使徒 イロウル(微生物・ナノマシン状の使徒) が MAGI システム内部に侵入し、ハードウェアレベルでハッキングを試みる稀有なエピソードが描かれる。MAGI 3基のうち、MELCHIOR と BALTHASAR が次々と侵食されていく中、最後の CASPER だけが『女としての自我』の発する『生存本能』の論理で抵抗し、リツコが自爆プログラムを書き換えて『進化する圧力』を逆流させて使徒を撃退する。物理戦闘ではなく情報戦・プログラミング戦という、シリーズ屈指の異色エピソードとして語り継がれる。

旧劇場版 EoE — CASPER のゲンドウ攻撃阻否

旧劇場版『THE END OF EVANGELION』第25話 Air では、ゼーレの戦略自衛隊が NERV 本部を強襲する中、リツコがゲンドウの裏切りに気づき、MAGI に 『NERV 本部自爆コマンド』 を入力する。ところが MAGI 3基のうち CASPER-1(『女としての自我』) がコマンド実行を拒否する。理由は『赤木ナオコの女としての自我は、結局のところ碇ゲンドウを愛しているから、ゲンドウを傷つけることはできない』というもの。リツコは自身の母の業を背負ったまま、ゲンドウに『嘘つき…』と呟きながら銃殺される。シリーズ屈指の鳥肌シーンの一つ。

新劇場版での扱い — 段階的に役割縮小

新劇場版でも基本設計は維持されているが、Q 以降は NERV 本部自体が機能不全に陥り、MAGI システムの劇的な活躍はほぼ描かれない。一方で WILLE の戦艦 AAA ヴンダーは MAGI の代替として独自のメインコンピュータシステムを搭載しており、副長の赤木リツコがそれを運用する形になる。新劇シン・エヴァでも MAGI が物語の中心に立つ場面はなく、設定継承のみに留まる。

関連ページ

NERV(ネルフ) 司令室の中核設備。ダミープラグ はナオコが開発した別の人格移植系装置。赤木リツコ は MAGI の現運用責任者で、母ナオコの人格分身そのものとも対峙し続ける。

MAGIシステム のよくある質問

本ページに頻出する質問とその回答を Q&A 形式でまとめる。各回答は本文の該当セクションをコンパクトに再述したもの。

MAGI システムは何のため?

NERV 本部司令室の中核を担う第7世代有機スーパーコンピュータで、エヴァシリーズの戦闘支援・本部施設運用・第3新東京市の市政までを担う。3基合議制で『人間のジレンマ』を再現できる点が特徴。

MELCHIOR/BALTHASAR/CASPER の違いは?

3基それぞれに開発者・赤木ナオコ博士の『科学者としての自分(MELCHIOR)』『母としての自分(BALTHASAR)』『女としての自分(CASPER)』の思考パターンが移植されている。プログラムもそれぞれ異なる。

名前の由来は?

新約聖書マタイ伝で、イエス・キリスト誕生時に黄金・乳香・没薬を捧げたとされる『東方の三賢人(メルキオール/バルタザール/カスパー)』に由来する。

旧劇場版 EoE の CASPER のシーンとは?

リツコが NERV 本部自爆コマンドを MAGI に入力するが、CASPER(ナオコの『女としての自我』)が『ゲンドウを愛しているから傷つけられない』として実行を拒否し、リツコがゲンドウに撃たれて死亡するシーン。シリーズ屈指の名場面。

本ページの主な参考資料

本ページに記載した事実は、以下の一次情報および ja.wikipedia 各エントリを WebSearch / WebFetch で参照して記述している。記述の現状は2026年5月時点。