ダミープラグは、パイロットなしでエヴァを稼働させるため、エヴァに『人格の存在』を誤認させる無人運用システムである。表向きには TV版第拾八話「命の選択を」でリツコが『パイロットの思考の真似をする、ただの機械』と説明するが、第弐拾弐話「せめて、人間らしく」で実際には 綾波レイのクローン体をコアに用いた人格移植システム であることが明かされる。シリーズ最大の倫理的問題の一つを内包する装置で、赤木ナオコ博士・赤木リツコ博士の母娘が代々開発・運用に関わった経緯と、母ナオコが初代レイを絞殺した過去が背景に絡む。劇中で最初に運用されたのが TV版 第拾八話の三号機戦(レイ・パターン使用)で、シンジが意思に反して三号機(搭乗者: 鈴原トウジ)を撃破させられる名場面の中心装置となる。旧劇場版『THE END OF EVANGELION』では、量産機エヴァシリーズ9機に カヲル・パターン のダミープラグが搭載される。
TV第拾八話 三号機事件 — ダミープラグ初運用
TV版 第拾八話「命の選択を」 は、ダミープラグが劇中で初めて実戦投入されるエピソードである。第13使徒バルディエルに寄生されたエヴァ三号機(搭乗者: 鈴原トウジ)を初号機が撃破することになるが、シンジが『中にトウジがいる』として戦闘を拒否したため、ゲンドウは初号機の制御を レイ・パターンのダミープラグ に切り替えて強制的に三号機を撃破する。シンジの意思とは無関係にダミープラグが初号機を動かして三号機を素手で破壊する一連のシーンは、シリーズ屈指のトラウマ場面として知られる。新劇場版『破』では、この事件で搭乗していたのがトウジから式波アスカに変更されており、ダミープラグの運用はないが第3号機事件の構造は継承されている。
第弐拾弐話 — レイの複製体コアの真相
TV版 第弐拾弐話「せめて、人間らしく」 で、ダミープラグの中身がリツコによって明かされる。第拾八話時点では『パイロット思考の模倣ソフトウェア』と説明されていたものが、実際には 綾波レイのクローン体をコアに用いた人格移植システム であることが開示される。これによりレイ自身が『私は何人いるの?』『私は私だけ?』という存在論的危機に直面し、シンジに『綾波レイ量産クローン槽』を見せられたリツコが激情のままレイ・クローン全破壊に走る、シリーズ屈指の倫理的衝撃シーンへと至る。
旧劇場版 EoE — 量産機エヴァ・シリーズのカヲルタイプ
旧劇場版『THE END OF EVANGELION』では、ゼーレが用意した 量産機エヴァ・シリーズ9体(EVA-05〜13) すべてに、第17使徒タブリス=渚カヲルのパターンを用いた カヲルタイプ・ダミープラグ が搭載されている。全機 S2機関を搭載し人間のパイロットを必要としない仕様で、不気味な笑顔のままアスカ弐号機を捕食し、量産機の槍で初号機を磔にする補完計画儀式の道具となる。レイタイプとカヲルタイプという2系統のダミープラグの存在は、人類補完計画における『リリス系統(レイ)』『アダム系統(カヲル)』の二大柱を象徴している。
新劇場版での扱い — 改2号機/Mark.07 ほか
新劇場版でもダミープラグの基本機構は維持されている。『Q』以降、改2号機や Mark.07 のメンテナンス時、また NERV 側の自律稼働エヴァで運用される描写がある。特にシン・エヴァに登場する量産型ヱヴァ群(『無頭使徒』として登場する大量のエヴァ・シリーズ)はダミー機構で運用され、敵味方区別なく襲来する終盤の戦闘シーンの不気味さを支える設計になっている。
関連ページ
エントリープラグ はパイロットありの通常運用、ダミープラグはその代替。エヴァンゲリオン本体 の暴走・覚醒とは別系統の無人稼働装置。MAGI システム と同じく赤木ナオコ博士が開発した人格移植技術の系譜にある。綾波レイ と 渚カヲル がそれぞれパターンの基となる人物。
ダミープラグ のよくある質問
本ページに頻出する質問とその回答を Q&A 形式でまとめる。各回答は本文の該当セクションをコンパクトに再述したもの。
ダミープラグとは?
パイロットなしでエヴァを稼働させるため、エヴァに『人格の存在』を誤認させる無人運用システム。表向きは『パイロット思考の模倣ソフトウェア』とされるが、実際には綾波レイ等のクローン体をコアに用いた人格移植システム。
初運用はいつ?
TV版第拾八話「命の選択を」。バルディエルに寄生された三号機(搭乗者: 鈴原トウジ)を撃破する際、シンジの操縦拒否を受けてゲンドウが初号機をレイ・パターンのダミープラグに切り替えて強制的に運用した。
どんなパターンがある?
TV版・旧劇では『レイタイプ』(綾波レイの複製体) と『カヲルタイプ』(渚カヲル=第17使徒タブリスのパターン)の2系統。旧劇場版 EoE の量産機エヴァシリーズ9機にはカヲルタイプが搭載されている。
新劇場版での扱いは?
Q 以降、改2号機・Mark.07・シン・エヴァの量産型ヱヴァ群(『無頭使徒』)で運用される。シン・エヴァ終盤の量産型ヱヴァ群の不気味な無人稼働シーンはダミープラグ機構が前提となっている。
本ページの主な参考資料
本ページに記載した事実は、以下の一次情報および ja.wikipedia 各エントリを WebSearch / WebFetch で参照して記述している。記述の現状は2026年5月時点。