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1999年版 第62話
1999年版アニメ第62話「クラピカ×仲間×クモの最期」を解説。クロロ対ゼノ・シルバ、十老頭暗殺、偽の死体、緋の眼落札を整理する。
1999年版アニメ第62話「クラピカ×仲間×クモの最期」は、2001年3月31日に放送された旧TVシリーズ最終話である。原作No.98後半からNo.102後半を映像化し、旅団壊滅の報告と四人の再会を描く。
題名に反して蜘蛛は終わっていない。ゼノとシルバは依頼消滅によってクロロを殺さず、旅団は複製した死体でマフィアを欺く。クラピカが復讐の区切りを受け入れかけた時、ヒソカの短い連絡が真相を反転させる。

第62話で対峙するシルバ、ゼノ、クロロ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

旅団が複製品を出品する地下競売 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

クラピカが競売で取り戻そうとする緋の眼 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

暗殺依頼が消滅して生き残るクロロ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

旅団の偽装を追うクラピカ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 1999年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第62話 |
| 副題 | クラピカ×仲間×クモの最期 |
| 放送日 | 2001年3月31日 |
| 原作対応 | No.98後半〜No.102後半 |
クロロ対ゼノ・シルバ
戦闘前、シルバはクロロが他人の念能力を盗むとゼノへ伝える。二人は能力を見せ過ぎず、盗用条件を満たさせない距離と手数を選ぶ。
クロロはベンズナイフでシルバの腕を切る。象でも動けなくなる毒が塗られているが、シルバは筋肉で進行を抑え、髪を使って毒を抜く。
ゼノはクロロが即座に能力を盗めないことから、複数の条件を必要とすると推測する。条件を探らせないため、近接戦と放出攻撃を連続させる。
クロロは不思議で便利な大風呂敷を出して二人を包もうとする。ゼノは布へ触れない距離を保ちながら、クロロの意識を自分へ固定する。
シルバが大きなオーラ球を作ると、ゼノはクロロを拘束し、自分ごと撃てと命じる。暗殺者親子は標的を逃さないため、ゼノの生命も代価に含める。
十老頭暗殺による依頼消滅
シルバの攻撃が建物を揺らした直後、戦闘は決着前に止まる。イルミから十老頭を全員殺したという連絡が入ったためである。
ゼノとシルバを雇った依頼主は十老頭だった。依頼主が死亡すれば報酬契約は失効し、クロロを殺し続ける理由がなくなる。
十老頭を殺したイルミの依頼主はクロロである。自分を狙う暗殺者へ直接勝つのでなく、雇用関係の根元を消して攻撃を止めた。
操作された十老頭の遺体は映像へ登場し、旅団の団長が暗殺者に倒されたと発表する。マフィア側は自分たちの支配者がすでに死んだことを知らない。
クロロはゼノへ一対一ならどちらが勝つかを尋ねる。ゼノは通常なら自分、クロロが本気で盗もうとするなら話は別と答え、決着しなかった戦いの余地を残す。
競売を再開させる偽装
十老頭の映像はクロロ死亡と競売再開を告げる。襲撃者の頭を失ったと信じたマフィアは混乱を収め、予定していた出品を続ける。
実際の競売会場は旅団が掌握している。コルトピが神の左手悪魔の右手で品物を複製し、マフィアへ偽物を競り落とさせる。
複製品は一定時間後に消えるが、競売中は本物と同じ外見を保つ。旅団は本物を手元へ残し、売上金まで得る二重の利益を狙う。
旅団員の死体もコルトピが複製する。クロロを含む複数の遺体が発見され、追跡側は蜘蛛が壊滅したと判断する。
偽装の目的は逃亡だけではない。マフィアへ勝ったという満足を与えて警戒を下げ、競売という資金と品物の流れを自分たちのため再開させる。
クラピカが得た緋の眼
クラピカは発見されたクロロの死体を確認し、団長が殺されたと受け取る。自分の手で復讐を果たせなかった一方、追う標的を失ったように感じる。
ライトから競売再開を知らされると、ノストラード組の代理として緋の眼へ入札する。ネオンが欲しがる品であると同時に、同胞の遺体から奪われた眼でもある。
競り合いの末、クラピカは緋の眼を落札する。旅団が用意した偽物とは知らず、自分の仕事で同胞の一部を取り戻したと考える。
落札額は雇い主の資金であり、クラピカ個人の所有にはならない。それでもネオンの収集品となる眼の近くへ入り、将来回収するための位置を把握できる。
死体確認と落札はどちらもコルトピの複製へ依存している。クラピカが得た安堵と成果は、旅団が作った偽の現実の上に成立する。
四人の再会
ゴン、キルア、レオリオは連絡の取れないクラピカを捜す。仕事と復讐へ没頭する友人を一人にしないため、ヨークシンの街を回る。
任務を終えたクラピカは、以前ゴンから一緒に旅団を追うと提案された会話を思い返す。標的が死んだと信じた今、仲間を危険へ巻き込まずに済む。
公園でゴン、キルア、クラピカが再会し、遅れてレオリオも合流する。四人がハンター試験以来、それぞれの目的を持ったまま同じ場所へ戻る。
再会は復讐の傷を消さない。クラピカは緋の眼を取り戻す仕事を続け、ゴンたちはグリードアイランドを探す。仲間であることと、同じ任務へ就くことは別である。
旧TVシリーズは四人の合流を一区切りとして終える。ヨークシンの事件を通じて、互いの目的へどこまで踏み込むかを選び直した状態である。
ヒソカから届く真相
再会直後、クラピカの携帯電話へヒソカから短い連絡が入る。内容は、発見された旅団員の死体が偽物だというものだった。
ヒソカはクロロと戦うため旅団へ入り、団長の生存を知っている。クラピカを助ける善意ではなく、自分の目的へ必要な情報操作の一環として知らせる。
メッセージによって、クラピカが確認した死体、マフィアの勝利宣言、競売再開の前提がすべて崩れる。蜘蛛は頭も手足も失っていない。
クラピカが落札した緋の眼も複製品である可能性が生じる。復讐相手の生死だけでなく、同胞を取り戻したという成果まで再検討が必要になる。
題名の「クモの最期」はマフィアとクラピカが信じた結論であり、視聴者へ保証された事実ではない。最終話の最後で誤りを示し、OVAへ続く未決の対立を残す。
補足と位置づけ
クロロはゼノとシルバの能力を盗もうとして時間を稼ぐが、二人は依頼遂行を優先し長い観察を許さない。ゼノは布の能力へ不用意に触れず、クロロが条件を満たす質問や説明へ誘導する余裕を消す。
シルバがゼノごと攻撃する判断は、家族間の冷酷さだけではない。ゼノ自身が標的を確実に拘束できる瞬間を作り、依頼成功を自分の生存より上へ置く。暗殺業を契約として遂行するゾルディック家の規律が表れる。
イルミの十老頭暗殺は、同じ家族が敵対する依頼を同時に受けていたことを意味する。ゼノとシルバは依頼主が生きている間はクロロを狙い、死んだ瞬間に止める。家族の都合で契約内容を曲げない。
コルトピの複製は外見と手触りを再現するため、死体確認の短時間では偽物と見抜きにくい。クラピカは対象の顔と傷を確認しても、能力で作られた存在かを疑う情報を持っていなかった。念を知ることと未知の能力を看破することは別である。
競売品の複製は買い手へ損失を与えるだけでなく、流通の記録を偽る。本物は旅団が保持したまま、マフィアの帳簿上では落札者へ渡ったことになる。後から品が消えても、会場支配の証拠と責任の所在が混乱する。
クラピカが緋の眼を落札する時、雇い主ライトの目的と本人の目的は表面上一致する。ライトはネオンの収集品を求め、クラピカは同胞を取り戻したい。しかし所有権はノストラード側に残り、協力関係は一時的である。
ヒソカが偽物だと知らせるのは、クラピカを再び旅団へ向かわせればクロロ周辺の状況が動くからである。自分で団長へ挑むため、他者の復讐心と情報を利用する。最後の連絡もヨークシンにおける三者関係の一部となる。
記事の読みどころ
クロロがゼノへ勝敗を尋ねる態度から、暗殺者との戦いを能力収集の機会としても見ていたことが分かる。生死を懸けた直後でも相手の評価と条件へ関心を向け、敗北を避けた安堵より次の可能性を測る。
マフィアは旅団の死体を得たと信じて警戒を解くが、本当に確認したのは外見だけである。十老頭からの映像という権威、複数の遺体という物証、競売再開という望ましい結論がそろい、疑う動機を失わせる。
ゴンたちとの再会はクラピカへ復讐以外の時間を戻す。旅団が死んだと思う間だけでも、仲間と同じ場所へ立ち、自分の目的を説明できる。ヒソカの連絡はその短い安堵を壊すが、以前と違い一人で追う必要はない。
旧TV版の終幕で真相を一文だけ示す構成は、偽装の全手順を説明し切らない。視聴者はクラピカと同時に前提の誤りを知り、どの死体と競売品が複製だったかを遡って考える。
位置づけ
クロロの生存と偽装を知ったクラピカには、復讐を再開するか、緋の眼回収と仲間を優先するかという選択が戻る。標的の死で強制的に終わるはずだった目的が、自分の意思で続けるかを決める課題へ変わるところで旧TV版は幕を閉じる。ヒソカの一報は事実を教えるだけで、どの道を選ぶべきかまでは示さない。
1999年版 第62話が残したもの
第62話は、暗殺、競売、復讐の三つを「依頼主と情報を誰が支配するか」という一点で結ぶ。クロロは十老頭を消し、旅団は偽の死体を置き、相手の判断材料を作り替える。
クラピカは緋の眼と仲間を得るが、旅団壊滅という安堵は偽物だった。成果と誤認を同時に置くことで、復讐が終わったように見える瞬間を次の追跡へ反転させる。
旧TVシリーズは四人の再会で感情的な区切りを付けつつ、ヒソカの連絡で物語上の決着を拒む。仲間の支えは残るが、蜘蛛との対立は終わらない。