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2011年版 第120話

2011年版アニメ第120話「ニセモノ×ト×ホンモノ」を解説。プフの分身、モラウの煙人形、ユピーを欺く偽ナックル、コムギ治療をめぐる対立を整理する。

No.417まで対応更新 2026.08.13

2011年版アニメ第120話「ニセモノ×ト×ホンモノ」は2014年3月12日に放送され、原作No.281末尾とNo.283後半からNo.286前半を基にする。宮殿各所で分身、煙人形、変装が本物の位置を隠す。

モラウはプフの繭を監視し続けたが、中身はすでに小さく分裂していた。直後には偽ナックルを大量に作ってユピーを誘い、本物と偽物を見抜く側が連続して入れ替わる。

基本情報

2011年版 第120話の基本情報
媒体2011年版TVアニメ
話数第120話
副題ニセモノ×ト×ホンモノ
放送日2014年3月12日
原作対応No.281末尾・No.283後半〜No.286前半

空だった繭

モラウは煙の牢の中で、プフが作った繭を十五分ほど見張り続ける。相手が変身や大技を準備していると考え、先に触れれば未知の仕掛けへ入る危険を避けた。

しかし繭は本体を守る殻ではなかった。プフは「蝿の王」で身体を極小の分身へ分け、煙の隙間を抜けて外へ出ていたため、モラウが対峙していたのは時間を奪う偽装だった。

プフは慎重さを高く見積もり、モラウならさらに長く待つと予測した。実際には攻撃が始まったため読みは完全ではないが、脱出へ必要な時間は既に得ている。

モラウの判断が愚かだったのではない。鱗粉の催眠と未知の能力を警戒する根拠があり、その合理的な慎重さをプフが利用した。正しい警戒も、相手が見せたい対象へ固定されれば罠になる。

八十九体の煙人形

繭を攻撃すると、無数の小さなプフがモラウの周囲を飛ぶ。モラウは紫煙機兵隊を八十九体まで出し、分身を追わせる。数へ数をぶつけて本体の接近を防ぐ構えである。

プフの小さな分身は壊されても再集合し、同じ姿へ戻る。煙人形が一体を倒したように見えても戦力が減らず、消耗戦ではモラウの残存オーラだけが削られる。

分身の群れへ注意を向けた隙に、プフの本体に近い個体が背後へ回り、巨大な煙管を奪う。モラウは煙を操作できても、新しい煙を大量に生む媒体を失う。

煙管を取られた時点で既存の人形が即座に消えるわけではない。しかし補充と再構成ができなくなり、残った煙をどこへ使うかが限られる。道具一つの喪失が長期戦の選択肢を狭める。

ユピーへ向けた残存戦力

煙管を失ったモラウの前へユピーが現れ、超能力者なのかと尋ねる。説明へ時間を使う状況ではなく、モラウは残存する煙人形をユピーへ向ける。

そこへナックルが戻り、シュートをどこへ運んだか問い詰める。シュートが消えたため、敵が捕らえたと考えたが、実際にはノヴが四次元マンションへ回収していた。

モラウは煙人形の姿をナックルへ変える。五十体以上の同じ標的が走り、ユピーは本物を見つけて一撃で倒そうと身体から追加の腕を出す。

新しい煙を作れない状況でも、既にある煙の形と配置は変えられる。モラウは失った能力を嘆く時間を使わず、敵が探している人物を大量に作り、注意を一方向へ集める。

ハギャの財宝で救われるビゼフ

宮殿内ではヒナシドレが脱出しようとし、瓦礫の下に挟まれたビゼフを見つける。彼は救助を求めるが、二人に助ける義務はなく、ヒナは一度拒む。

ビゼフは地下に保管する財宝を渡すと約束し、ようやく救助される。東ゴルトーの権力者だった身分では命令できず、今後の利益を提示して同行者を作る。

三人が地下入口へ向かう姿をウェルフィンが追う。ヒナの除念とシドレの詳細を知らない彼は、未知の能力を警戒し、即座に攻撃できない。

ビゼフは瓦礫から出ても安全にならない。宮殿外は討伐隊と蟻が争い、地下にはパームを改造した繭がある。財宝の約束は救出までを買えても、その先の脱出を保証しない。

プフの分身が集める全景

プフは分身体を宮殿各所へ送り、ピトーとコムギ、地下へ向かう三人、兵士の休憩室、ユピーの戦闘を同時に確認する。分裂は逃走だけでなく偵察網として働く。

ピトーがゴンを攻撃せず治療を続けている姿から、プフは王の命令と人質関係を推測する。事情を直接聞かなくても、手を止められないピトーと監視するゴンの配置が制約を示す。

地下ではヒナたちを監視し、休憩室では人間を素材にした新しい存在が生まれようとしていると知る。王の不在中にも宮殿内の出来事は止まらず、護衛軍が守る対象が増える。

本体はユピーの前へ戻り、五十人を超える敵に囲まれた光景へ驚く。数の正体が煙だとはすぐ見抜けず、広域偵察ができるプフも、到着した一場面の偽装には判断を遅らせる。

本物を誘う偽ナックル

ユピーは煙のナックルを一体ずつ倒しながら、本物なら攻撃の隙を狙うと考える。自分からわざと守りを薄くし、相手へ絶好の接近機会を見せる。

一体のナックルが飛び込むと、ユピーは身体から棘を伸ばして貫く。ところが人影は煙へ戻り、本物は最初からそこにいなかった。

モラウは敵が本物を探す心理を利用し、特別に動く偽物を一体混ぜた。全員を同じ動きへ揃えるより、意図的な差を作る方がユピーの確信を強める。

ユピーは見破ったつもりで反撃し、その成功感ごと裏切られる。怒りが高まり爆発の準備へ入るため、偽物一体が防御姿勢と感情の両方を操作した。

爆発直前に現れる本物

ユピーが怒りを膨らませると、今度は本物のナックルが飛び込み、爆発前に拳を当てる。偽物へ反応した直後だからこそ、同じ姿の接近をもう一度疑う時間が生じる。

打撃の後、ナックルはシュートを運んだのがユピーではないと悟る。戦いながら移動させる時間がなかったと、相手の行動履歴から誤解を修正する。

別の場所ではシュートが治療を受け、ノヴが四次元マンションから立ち去る姿を確認する。ナックルの問いは既に解決していたが、本人へ情報が届いていないため戦場で敵を疑い続けた。

ユピーの爆発は中央塔をさらに破壊し、地下へ急ぐヒナたちを追い立てる。一つの戦場の攻撃が別区画の移動へ影響し、分断された人物の選択を同時に狭める。

治療へ近づくプフ

プフの分身はピトーのもとへ近づき、コムギの治療を確認する。ピトーは手術を止められず、王の命令を守るため、同じ護衛軍へ近づかないよう懇願する。

プフにとってコムギは王を人間へ近づける危険な存在である。治療を妨げれば王命へ背くが、完治させれば王と再会し、理想とする絶対的な王の姿からさらに遠ざかる。

ピトーはゴンとの約束も背負っている。プフが敵意を見せれば、ゴンは治療を妨害されたと判断し、カイトを治す次の約束まで破綻する可能性がある。

第120話の終わりでは、プフが従うか確定しない。本物の忠誠を王の命令への服従と考えるピトーと、王の理想像を守ることだと考えるプフの差が、コムギの身体を挟んで表面化する。

三つの偽装が作る構造

この回で並行する偽装は、プフの空の繭、イカルゴが使うフラッタの身体、モラウが作るナックルの煙人形である。外見だけを見れば本物がそこにいるように思えるが、いずれも中身、意思、位置が別にある。誰が何を見誤ったかを追うと、散開した宮殿戦の因果がつながる。

プフは本体を隠すために殻を置き、イカルゴは潜入するために敵の身体を借り、モラウは本物のナックルを隠すために多数の偽物を動かす。同じ「偽者」でも目的は逃走、潜入、陽動に分かれ、能力の見た目だけでは戦術上の役割を説明できない。

偽装を破る鍵も異なる。モラウは繭を攻撃して不在を知り、ブロヴーダは呼び名の癖からフラッタを疑い、ユピーはナックルらしい動きをする一体へ狙いを定める。観察が鋭くても、相手がその観察自体を予測すれば、見破ったという確信が次の罠になる。

副題の「ニセモノ」と「ホンモノ」は人物の善悪を分ける言葉ではない。戦場で認識できる像と、実際に行動している主体のずれを示す。最後にピトーとプフの忠誠が衝突すると、姿ではなく王へ何を守るかという内面の違いまで同じ対立へ含まれる。

第120話を理解する要点

モラウが煙管を失う場面は、その後の戦力低下を理解するうえで重要である。既存の煙をすぐ失ったのではなく、新しい煙を大量に供給できなくなった。したがって偽ナックルは最後に近い資源を、ユピーの判断へ最も強く作用する形へ変えた策と読める。

プフの分裂は、小型化した一体だけが本体という単純な能力ではない。細分化した身体を偵察、移動、再集合へ振り分けられる一方、核となる部分を完全には消せない制約もある。モラウの拘束を抜けても、全身を一度に自由へしたわけではない。

ナックルがシュートの行方をユピーへ問う場面には、分断戦の情報不足が表れる。視聴者はノヴの救出を知っているが、ナックルは知らない。その差が怒りと接近を生み、敵が直接行っていない行為まで戦闘理由へ加わる。

宮殿戦は開始から数分しか進んでいない。人物ごとの場面が長く描かれても、同時刻に偽装、治療、救出、脱出が重なる。第120話は各戦線を交互に見ることで、情報が豊富な視聴者と、断片しか持たない当事者の判断差を意図的に広げている。

2011年版 第120話が残したもの

第120話は、プフの分身とモラウの煙人形を重ね、本物の位置を隠す力が戦況と感情を動かす一話である。

モラウは煙管を失っても偽ナックルでユピーを欺き、プフは身体を分けて宮殿全体の情報を集める。

最後に残る本物の対立は、王命を守るピトーと、王の理想像を守ろうとするプフの忠誠の違いである。

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