本文へ移動
ANNA MOVIESHUNTER×HUNTER

物語 / 単行本

単行本第8巻

『HUNTER×HUNTER』単行本第8巻「オークション開催!!」を解説。くじら島への帰郷、ジンの箱、クラピカの就職、ヨークシン地下競売襲撃を整理する。

No.417まで対応更新 2026.08.13

単行本第8巻「オークション開催!!」は2000年4月4日に発売され、No.64からNo.73までを収録する。ゴンキルアくじら島滞在から、ヨークシンで地下競売が襲撃される夜までを描く。

ジンが残した箱はグリードアイランドへ手掛かりをつなぎ、クラピカネオンの護衛として競売へ近づく。別々の目的で集まる人物より先に、幻影旅団が会場を襲う。

基本情報

単行本第8巻の基本情報
媒体漫画単行本
巻数第8巻
巻題オークション開催!!
発売日2000年4月4日
収録話No.64〜No.73

六か月ぶりのくじら島

天空闘技場での修行を終えたゴンは、キルアを連れてくじら島へ戻る。ミトはゴンの帰宅を喜び、初めて訪れたキルアも同じ食卓へ迎える。

試験合格後の帰郷は旅の終点ではない。ゴンは一か月ほど休んだ後、父ジンを探すためヨークシンへ向かう考えをミトへ伝える。

キルアは自分に明確な目的がないと話し、ゴンは一緒に世界を回りながら探せばよいと誘う。父探しが二人の共同の旅へ広がる。

ハンターになった時に渡す箱

ミトはジンが残した小箱を取り出し、ゴンがハンターになった時に渡すよう言われていたと説明する。受渡しの条件は年齢ではなく資格取得である。

箱の外装は念を込めると外れ、内側はハンターライセンスを差して開く。ジンはゴンが試験に合格し、念を学ぶ段階まで進むことを想定している。

中には指輪、カセットテープ、ジョイステーション用メモリーカードが入る。声、装着品、ゲームデータという異なる手掛かりが同時に残される。

会いたくない父からの挑戦

テープのジンは、自分はゴンに会いたくないと話し、会いたければ捕まえてみろと挑む。不在への説明を、ハンター同士の追跡課題へ変える。

母親について語ろうとする部分を、ゴンは自分で止める。血縁上の母を知ることより、育てたミトを母として選ぶ現在の関係を優先する。

録音を聞いてもジンの居場所は直接分からない。父の声は答えではなく、残る二つの品を調べる動機として働く。

クラピカが受けた雇用試験

クラピカはイズナビから念を学び、緋の眼が出品される競売へ近づける雇い主を探す。斡旋所から、人体収集家の護衛採用へ向かう。

バショウヴェーゼセンリツと共に屋敷へ入り、閉じ込められた状態から能力を示す。雇用側は履歴だけでなく、罠へ対処する実演を求める。

四人は合格し、ライト=ノストラードの娘ネオンを守る仕事に就く。クラピカは旅団への復讐と緋の眼回収を、マフィア系組織の職務へ接続する。

メモリーカードのグリードアイランド

ゴンとキルアはメモリーカードを解析し、グリードアイランドというハンター専用ゲームのセーブデータを見つける。プレイには念が必要とされる。

生産数は百本で、過去の販売価格も極めて高い。ヨークシンのサザンピース競売に複数本が出ると知り、現物入手を次の目標にする。

ジンの名がゲーム名やデータへ関係する可能性は手掛かりになるが、箱を開けた段階で制作経緯の全ては分からない。まず市場に出る一本へ近づく必要がある。

資金を増やそうとして減らす二人

天空闘技場の賞金だけでは予想落札額へ届かず、二人は資金を増やそうとする。知識のない取引へ手を出し、逆に所持金を約一千百万円まで減らす。

念の戦闘力があっても、市場の価格、真贋、交渉を知らなければ稼げない。ヨークシン編では、物の価値を読む技能が新しい課題になる。

レオリオと再会すると、都市での交渉や値切りに慣れた彼が協力する。別行動で学んだ生活技能が、ゴンとキルアの不足を補う。

同じ都市へ入る幻影旅団

幻影旅団は団長クロロの招集でヨークシンへ集まり、地下競売の品を全て盗む方針を確認する。ゴンたちと目的も情報源も異なるまま同じ都市へ入る。

クラピカは旅団の出現を待ち、ゴンたちはゲームを求め、旅団は競売品全体を狙う。読者は三つの経路が競売開催日へ近づくことを知る。

再会の約束だけなら仲間四人の合流が期待されるが、クラピカは護衛任務中で自由に動けない。都市へ着いたことと情報を共有できることは別である。

ネオン護衛の配置

ノストラード組は競売当日、護衛を会場参加、裏口、正面などへ分ける。クラピカとセンリツは入口を守り、ダルツォルネが全体を指揮する。

ネオン本人が希少な人体収集品を望むため、護衛は単に襲撃から守るだけでなく、雇い主の娘を競売の規則内で行動させる必要がある。

分散配置は複数の入口を守れる一方、会場内で突然攻撃が起きた時に戦力を集めにくい。旅団は正規客を装い、内側から状況を崩す。

空だった金庫と殺された参加者

旅団員は地下競売会場へ入り、参加者と運営側を銃撃する。ヴェーゼを含むノストラード組の護衛も、任務の最中に殺される。

しかし目的の競売品は会場から事前に移され、金庫は空である。旅団は多数を殺しても盗品を得られず、情報が漏れた可能性を疑う。

襲撃側の失敗は被害を小さくしない。品の確保と参加者の生死は別の結果であり、クラピカにとって同僚の死は旅団への敵意をさらに具体化する。

第8巻で交差する三つの価値

ゴンにとって競売品は父へ近づくゲームであり、クラピカにとっては同胞の緋の眼を回収する市場である。旅団にとっては盗む対象の集合になる。

同じ物へ価格、記憶、戦利品という異なる価値が付くため、競売を巡る対立は金額だけで説明できない。手に入れたい理由が各陣営の行動を変える。

巻頭の箱は家族が手掛かりを渡す静かな場面だが、巻末の競売は他者の所有物を暴力で奪う場面になる。物を受け取る条件の差が一冊を貫く。

物が人物をヨークシンへ導く仕組み

ジンの箱はゴンへ所有権ごと渡されるが、使い方を全て説明しない。父から受け取った物であっても、念を込め、ライセンスを使い、データを解析する作業が必要になる。継承は答えの譲渡ではなく、探索を始める資格の確認として設計される。

カセットテープのメッセージでジンは会いたくないと述べる一方、グリードアイランドへ続く品を残す。拒絶だけなら痕跡を消せるのに、追える細い道は残している。ゴンはこの矛盾を、父の言葉を信じて諦めるのでなく行動で確かめる。

クラピカが追う緋の眼は、本来同胞の身体の一部でありながら、収集家の市場では希少品になる。ゴンがゲームを買うため競売へ向かう経路と同じ都市へ入っても、物へ置く倫理的な重さは大きく違う。価格表だけでは二人の目的を比較できない。

ノストラード家への採用試験で、クラピカは旅団を倒す能力を披露するのではなく、閉鎖された屋敷から脱出し護衛として働ける判断を示す。復讐者としての力と職務能力を一致させなければ、競売会場へ近づく立場を得られない。

グリードアイランドが念能力者専用だという情報は、ゲーム機の前で遊ぶ通常の商品像を崩す。しかしこの時点でゲーム世界の仕組みやジンの役割は不明である。名称と高額な流通だけから、内部の全設定を先取りして説明しないことが重要になる。

ゴンとキルアが資金を減らす過程は、天空闘技場で得た成功体験の限界を示す。戦って賞金を得る場所では強さが直接収入になったが、市場では相手が提示する価値を検証できなければ所持金を守れない。新章の敵は必ずしも戦闘を仕掛けない。

レオリオは三人の中で念修行が遅れていても、都市生活と交渉では先に役立つ。能力の成長を一つの順位へ並べず、場所が変われば有効な経験も変わる。ヨークシンでの再会は、試験時の役割をそのまま繰り返すだけではない。

旅団が競売品を全部盗む方針を決めると、個々の品の由来や所有者は一括して標的化される。クロロの命令は集団の行動を単純にする一方、陰獣による事前移送やマフィア内部の情報までは把握できず、会場制圧と目的達成がずれる。

地下競売の参加者を皆殺しにした結果、旅団は品が空だったことを隠す余地を失うのではなく、マフィア全体から追われる危険を増やす。それでも彼らは撤退せず次の手を探す。組織の力を恐れない姿勢が、護衛側の通常警備を上回る。

第8巻の時間構成は、くじら島の一か月という穏やかな計画から、九月一日の一夜へ急速に密度を上げる。父を追う長期的な目標、競売の開催時刻、旅団の襲撃が重なり、人物が考える余裕を奪った状態で次巻へ移る。

合流前に増えたそれぞれの責任

ゴンはジンの手掛かりを得ても、自分だけでゲームを追わずキルアと調べる。キルアは父探しの血縁へ直接関係しなくても、解析と資金作りを共同の課題にする。同行が目的の所有権まで奪うわけではない。

クラピカはネオンの収集趣味へ嫌悪を抱き得る立場でも、護衛契約を利用して緋の眼へ近づく。雇用主の価値観と一致せず働くため、任務上守る対象と個人として回収したい品の間に緊張を抱える。

レオリオとの再会は四人全員の合流ではなく、クラピカだけが別の仕事にいる。約束の都市へ着いても、各自が背負った目的が予定通りの再会を難しくする。仲間関係を保つには所在と危険を改めて共有する必要がある。

巻末の襲撃で死亡した護衛たちは、旅団の主目的である品を持っていない。それでも会場制圧の障害として殺される。目的物を得られなかった旅団と、目的に無関係でも命を失った者の非対称が、次巻の報復を生む。

単行本第8巻が残したもの

第8巻は、ジンの箱、緋の眼、グリードアイランド、地下競売品を通じ、物に結び付いた記憶と欲望をヨークシンへ集める一冊である。

ゴン、クラピカ、幻影旅団は同じ都市へ入るが、まだ同じ情報を持たない。開催日の襲撃が別々の目的を強制的に交差させる。

旅団は会場を制圧しても品を得られず、護衛側は任務と仲間を失う。成功と損失が次巻の追跡へ持ち越される。

サイト内検索

百科事典・主要解説を検索

入力すると候補が表示されます。