人類補完計画は、NERV が掲げる3大計画(エヴァンゲリオン計画/マルドゥック計画/人類補完計画) の中で最終目的にあたるもので、『出来損ないの群体として既に行き詰まった人類を、完全な単体としての生命に人工進化させる』ことを企図する。TV版では詳細が明かされず、旧劇場版『THE END OF EVANGELION』(1997) で具体的な内容が示された。計画には ゼーレ版(『神に贖罪し神の子としての新生を目指す』) と碇ゲンドウ版(『神そのものを目指す』、真目的は妻ユイとの再会) の二系統があり、その差異がシリーズ後半の主要な対立軸となる。計画発動に必要な要素はリリス・アダム・ロンギヌスの槍・EVA の4要素で、これらが揃った瞬間にサードインパクトが起動する。新劇場版ではニアサードインパクト・フォースインパクト・アディショナルインパクトなど複数の儀式に分解され、シン・エヴァで『エヴァのいない世界』への書き換えとして最終決着する。
計画の定義と4要素 — リリス/アダム/槍/EVA
人類補完計画は、人類の個体ごとに存在する A.T.フィールド をすべて消失させ、個と個の境界をなくして『完成された一つの生命体』に統合する計画である。発動条件としては、第2使徒 リリス (人類の祖) を依り代として、第1使徒 アダム (生命の起源) の力を結合させ、A.T.フィールドを物理的に破壊する ロンギヌスの槍、そして補完を媒介する EVA(特に初号機) の4要素がすべて揃う必要がある。劇中で『これらが揃った瞬間に補完が発動する』と繰り返し示唆される。
ゼーレ版 — 神に贖罪し新生する人類
ゼーレ版の計画は、死海文書(裏死海文書)の予言に従って人類全員の魂を一つに統合し、『神に贖罪し、神の子として新生する』ことを目的とする。旧劇場版『THE END OF EVANGELION』では、ゼーレが戦略自衛隊を動員して NERV 本部を強襲し、ゲンドウから初号機・リリスを奪取しに動く。しかし最終的にシンジが補完を経た上で『他者を望む』選択をすることで、人類はLCLに溶けながらも個に戻る選択肢が残される結末となる。ゼーレの目論見は、シンジの選択により失敗に終わる。
ゲンドウ版 — 神そのものを目指す/ユイとの再会
碇ゲンドウ 版の補完計画は、ゼーレに従う振りをしながら自分が計画を奪取し、初号機(妻ユイの魂が宿る)を依り代として『神そのものを目指す』ことを目的とする。ゲンドウの真の動機は『ユイともう一度会う』ことに尽きる。旧劇場版では、ゲンドウは右手にアダム胚を移植して綾波レイに融合しようとするが、レイ自身に拒絶され、最後は『ユイ…』と呟きながら初号機に頭部を喰われて死亡する。新劇場版でもゲンドウ版・補完計画はマイナス宇宙でシンジとの対話で本音が明かされ、ユイの幻と再会して消滅する。
旧劇場版での実行 — サードインパクト発動と『気持ち悪い』
旧劇場版『THE END OF EVANGELION』では、初号機を依り代として人類補完計画が発動し、サードインパクト・天空の樹・量産機との戦闘・リリスとアダムの統合・全人類のLCL還元というシークエンスが壮絶な映像で描かれる。最終的にシンジが補完の中で『他者の存在を望んだ』ことで黒き月(リリスの『卵』) が崩壊し、補完は途中で失敗。LCL化した人類は再び個体に戻る選択肢を与えられ、シンジとアスカの2人だけが先に物質化された海辺の浜辺で、アスカが『気持ち悪い』とつぶやくラストショットへと至る。
新劇場版 — ニア/フォース/アディショナルインパクト
新劇場版では『サードインパクト』が ニアサードインパクト(破終盤、シンジ初号機の擬似シン化第1覚醒形態で発動寸前)・フォースインパクト(Q終盤、シンジ・カヲルの第13号機が槍を抜いて発動)・アディショナル(追加)インパクト(シン・エヴァ終盤、ゲンドウが進める最終儀式) など複数儀式に分解されている。最終的にシン・エヴァ終盤、マイナス宇宙でシンジが『エヴァンゲリオンのない世界(ネオン・ジェネシス)』への書き換えを選択することで、シリーズ全体が決着する。
関連ページ
SEELE は計画の真の主導者。NERV は計画の遂行機関。ロンギヌスの槍・A.T.フィールド・LCL は計画の核心装置。THE END OF EVANGELION と シン・エヴァ で計画は最終決着する。
人類補完計画 のよくある質問
本ページに頻出する質問とその回答を Q&A 形式でまとめる。各回答は本文の該当セクションをコンパクトに再述したもの。
人類補完計画とは何?
『出来損ないの群体として既に行き詰まった人類を、完全な単体としての生命に人工進化させる』NERV の最終計画。人類全員の A.T.フィールドを消失させて個の境界をなくし、一つの生命体に統合することを目指す。
ゼーレ版とゲンドウ版の違いは?
ゼーレ版は『神に贖罪し神の子として新生する』ことが目的。ゲンドウ版は『神そのものを目指す』ことが目的で、真の動機は妻・碇ユイとの再会にある。両者は表面上は協力しつつ、実際は計画の主導権をめぐって暗闘している。
旧劇場版で計画は成功した?
途中まで発動したが、最終局面でシンジが『他者の存在を望んだ』ことで黒き月が崩壊し、補完は失敗に終わる。人類は LCL化した状態から再び個体に戻る選択肢を与えられる。
新劇場版での扱いは?
ニアサードインパクト・フォースインパクト・アディショナルインパクトなど複数儀式に分解されている。最終的にシン・エヴァでシンジが『エヴァのいない世界(ネオン・ジェネシス)』への書き換えを選択して決着する。
本ページの主な参考資料
本ページに記載した事実は、以下の一次情報および ja.wikipedia 各エントリを WebSearch / WebFetch で参照して記述している。記述の現状は2026年5月時点。