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2011年版 第113話
2011年版アニメ第113話「ムシ×ダケド×カシ」を解説。中央階段崩壊後の分断、シュートの奮戦、キルアがイカルゴを助ける衝動、ゴンへの合図を整理する。
2011年版アニメ第113話「ムシ×ダケド×カシ」は2014年1月22日に放送され、原作No.268後半からNo.271の一部を基にする。ユピーが中央階段を破壊し、討伐隊の同時突入は複数の経路へ分かれる。
キルアは予定経路を外れて兵士二体を倒し、自分でも理由をすぐ説明できない。イカルゴの礼を聞いて初めて、友人を助ける行動が計算より先に出たと理解する。

第113話で中央階段を破壊して討伐隊を分断するユピー 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

浮遊する手でユピーの攻撃を避けるシュート 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

予定経路を外れてイカルゴを助けるキルア 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

王の間でプフを閉じ込めるモラウの煙 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

突入前に宮殿内の役割を共有するゴン・キルア・イカルゴ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 2011年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第113話 |
| 副題 | ムシ×ダケド×カシ |
| 放送日 | 2014年1月22日 |
| 原作対応 | No.268後半〜No.271の一部 |
崩れた中央階段
ユピーが中央階段を破壊したことで、討伐隊は同じ経路を進めなくなる。ゴンとキルアは上階、イカルゴは地下、ナックルたちはユピー、モラウは王の間へ役割が分かれる。
モラウは煙を濃くし、ユピーの視界から仲間を隠す。破壊された地形を元へ戻せなくても、誰がどこへ動いたかを敵へ読ませない環境を作る。
シュートは先の攻撃で右脚を折られている。撤退せず、浮遊する手へ身体を乗せてユピーの正面に残り、他の仲間が離れる数秒を稼ぐ。
突入前の計画は護衛軍を分けることだったが、分けられるのは敵だけではない。階段一つの崩壊で味方の連絡も失われ、それぞれが局地判断を続ける。
煙人形と見えない拳
モラウは自分の形をした煙人形を出し、巨大な煙管を持たせてユピーへ攻撃させる。外見と武器を再現し、本体がどこから動くかを隠す。
ユピーが偽のモラウへ反撃した瞬間、神の共犯者で消えたナックルとメレオロンが側面へ入る。ナックルの拳が触れ、ポットクリンの貸付条件が成立する。
攻撃力でユピーを倒すのではなく、借金を増やしてオーラを絶へ追い込む長期計画が始まる。最初の一撃を気づかれず当てられるかが最大の入口だった。
煙人形、完全な透明化、シュートの攻撃が同時に重なり、ユピーは何人いるかを把握できない。一人ずつでは届かない能力を短い時間へ同期させた。
折れた脚で煙管を運ぶ
シュートは浮遊する一つの手を足場にし、残り二つでユピーへ攻撃する。脚の代わりと武器を同じ三つの手で分担し、負傷前とは異なる動きを作る。
彼が狙うのは勝利だけではなく、落ちたモラウの煙管を拾って届けることだった。煙管がなければ新しい煙を作れず、全体の遮蔽と人形が減る。
ユピーの注意を引きながら道具を回収し、モラウへ渡す。自分の脚を守るより、師の能力を戦線へ戻す方が味方全体の生存率を上げると判断する。
モラウは二人の弟子へ心の中で礼を述べ、王の間へ向かう。ここで残ればユピー戦へ人数を増やせても、プフを分断する担当が空くため、受け取った時間を別戦場へ使う。
エレベーター前の兵士
フラッタの身体へ変装したイカルゴは、地下のパーム捜索へ向かう。エレベーター付近にはインザギとマエノレがいて、偽装を近くで見られれば質問される可能性が高い。
ゴンと上階へ進んでいたキルアは二体を目にし、考える前に経路を変える。ポケットから特製ヨーヨーを出し、重い本体を二人の頭部へ当てて即座に倒す。
攻撃はイカルゴから頼まれていない。作戦上もキルアが上階から離れる時間を生むため、事前計画だけなら無視して進む選択もあった。
それでも兵士を残せば、イカルゴの変装が破れ、地下任務が始まる前に終わる。キルアの身体が危険を先に判断し、友人の進路を開く。
貸しと呼ばれた救援
攻撃後、キルア自身がなぜ動いたのか戸惑う。暗殺任務のように標的を計算して排除したのではなく、予定外の相手へ無意識に武器を向けた。
イカルゴは短く礼を言い、これで貸しができたと受け取る。以前は敵として戦い、キルアに命を救われた関係が、互いを助け返す仲間へ変わっている。
キルアはその言葉で、友人が困っていたから助けたのだと理解する。ゾルディック家の暗殺者なら依頼と利益で理由を説明するが、今は相手との関係が先に動機になる。
副題の「蟲だけど貸し」は、種族より行動を基準にした関係を示す。キメラアントであるイカルゴを助けることが、討伐任務への裏切りではなく仲間の任務支援になる。
ウェルフィンが見た痕跡
物陰のウェルフィンは、キルアが兵士二体を倒し、フラッタが生きてエレベーターへ向かう光景を見る。フラッタと侵入者が協力していると疑う材料がそろう。
本物のフラッタが既に死んでいることは知らず、レオルの命令で裏切っている可能性を考える。正体の推理は外れても、敵対行動という結論には近づく。
強い打撃痕はフラッタの能力と一致せず、別の協力者の存在を示す。キルアが目撃者を瞬時に消しても、派手な武器が潜入へ痕跡を残す。
そこへヂートゥとブロヴーダが現れ、イカルゴはさらに本人らしい受け答えを求められる。救援で即時の危機を除いても、監視者と知人の接触が次の疑いを作る。
プフを閉じ込める煙
王の間では、プフが自分の忠誠の失敗を責め、コムギへの憎悪を露わにする。王が一人の人間を優先する状況を、護衛軍として受け入れられない。
部屋を離れようとするとモラウが到着し、煙の壁で出口を塞ぐ。王を追わせず、護衛軍一人を部屋へ固定する役割を果たす。
プフは泣き踊る感情的な姿から、すぐ戦闘分析へ切り替える。鱗粉を広げる「麟粉乃愛泉」でモラウの心理を読み、力比べ以外の出口を探す。
モラウも倒すことを急がず、煙の牢を維持する。相手が外へ出ない時間そのものがネテロとゴンの任務を助けるため、勝敗より拘束を優先する。
ネテロの小さな合図
ゴンは塔を駆け上がり、遠くにモラウの煙の牢を見る。王もピトーもそこにいないと判断し、さらに上へ進む。
塔から現れたのはメルエムとネテロ、ゼノだった。ゴンが探すピトーではなく、人類側と蟻側の最高戦力が同じ場所から出てくる。
ネテロはゴンを認めてわずかに笑い、背後を指す。言葉を使わなくても、ゴンにはカイトを傷つけた相手がその方向にいると伝わる。
ゴンは王へ目を奪われず、指の先へ向かう。第113話は戦線を分けたまま、それぞれの標的を定め、王対ネテロとゴン対ピトーの入口を同じ塔で交差させる。
能力連係の成立条件
ユピーへ最初の貸付を成立させるには、煙人形で視線を動かし、シュートが正面から圧力をかけ、メレオロンが呼吸を止め、ナックルが接触する必要がある。四人の能力は個別に強いだけでなく、同じ数秒へ順番通り重なることで初めて機能する。
ポットクリンは取り付いた後に姿を見せ、利息を告げる。ユピーは見えない一撃の正体を知らなくても、自分へ何らかの条件が付いたと推測できる。奇襲の成功は永続的な秘密を保証せず、次の行動までに仕組みを読まれる競争が始まる。
モラウの煙管をシュートが拾ったことも連係の一部である。道具が失われれば、煙人形と遮蔽の供給が止まり、ナックルの透明な接近を隠す環境も弱くなる。負傷者の回収行動が別の能力者の継戦能力を守る。
この時点で討伐隊はユピーを打撃で倒せるとは考えていない。借金による絶、拘束、陽動を組み合わせ、護衛軍の巨大なオーラを直接削らず無力化しようとする。力の差を役割分担で迂回する設計である。
計画外の救援が残すもの
キルアがインザギとマエノレを倒したことで、イカルゴはエレベーターへ入れる。救援は数秒で終わるが、予定経路から外れたキルアの姿と、兵士二人の打撃痕をウェルフィンへ見られる。目先の成功が次の追跡材料を残す。
イカルゴが「貸し」と表現するのは、キルアへ一方的に救われる関係を望まないからである。以前の戦いで命を助けられ、今度は地下任務を引き受ける。恩を返す未来を含めて関係を対等へ近づける。
キルア自身は、身体が先に動いた理由を後から理解する。暗殺者としてなら契約、標的、撤退条件を先に計算するが、友人の危機には説明より行動が前へ出た。イルミの針を抜いた後の変化が、日常語ではなく反射へ表れる。
ただし善意が無傷の正解になるわけではない。ゴンを一時的に単独で進ませ、地下にはウェルフィンの疑いを残す。それでも助けなければイカルゴの任務は始まらない。第113話は、計画を守ることと仲間を守ることの間で生じる代価を消さない。
第113話の時間軸
この回の複数場面は、順番に長時間起きているのではなく、宮殿突入直後のごく短い時間へ重なる。シュートの攻防、イカルゴの移動、モラウの進入、ゴンの上昇を同時進行として捉えると、連絡なしで助けがつながる緊張が分かる。
ネテロ、ゼノ、メルエムが同じ塔から現れる光景も、討伐隊全員が共有した情報ではない。ゴンは会長の指だけを受け取り、キルアは祖父を見ても説明を求めず進む。各人物は自分に必要な断片だけで次の標的を決める。
副題の訳し方だけで内容を限定せず、中心は借りを返す関係と役割の受け渡しにある。シュートからモラウへ煙管、キルアからイカルゴへ進路、ネテロからゴンへ位置情報が渡され、受け取った側がすぐ次へ動く。
誰も全景を把握していないため、最善手は後からしか評価できない。第113話は完璧な指揮系統ではなく、事前に共有した目的と個人間の信頼が、通信不能の空白を埋める様子を描く。
2011年版 第113話が残したもの
第113話は、中央階段の崩壊で分断された討伐隊が、連絡なしでも各自の役割をつなぐ一話である。
シュートは折れた脚で煙管を届け、キルアは予定経路を外れてイカルゴを助け、ネテロは指先だけでゴンへピトーの位置を渡す。
計画通りの動きより、仲間が次へ進める数秒を作る判断が、複数の戦線を維持する。