『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』は、2012年10月6日にアニプレックス配給で全国43館で公開された総集編劇場版である。TVシリーズ第1話から第8話までを上映131分に再編集した本作は、鹿目まどかが魔法少女をめぐる運命に巻き込まれていく物語の前半を描く。全カットに手を入れる形でリマスターされ、劇場三部作の第一作として位置づけられている。
作品概要
2012年10月6日、アニプレックス配給で全国43館にて公開された総集編劇場版『[前編] 始まりの物語』を解説する。TVシリーズ第1話〜第8話を上映131分に再編集した本作は、「手を入れていないカットは1カットもない」(監督・宮本幸裕)と評された完全リマスターであり、新規オープニング映像と変身バンク、第10話以外の全セリフ再収録、約40曲に及ぶ新規劇伴の追加、5.1チャンネルサラウンドへのリミックスを伴う、TV版の「劇場用作り直し」と呼ぶべき一本である。
後編『永遠の物語』、そして[新編]叛逆の物語(2013)、新作[ワルプルギスの廻天](2026公開予定)へと続く劇場シリーズの起点となった作品だ。
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』は、2012年10月6日にアニプレックス配給で全国43館にて公開された総集編劇場版である。TVシリーズ第1話〜第8話を上映時間131分に再編集した一本で、総監督・新房昭之、監督・宮本幸裕、脚本・虚淵玄、キャラクター原案・蒼樹うめ、音楽・梶浦由記、制作・シャフトという布陣で送り出された。
「総集編」と銘打たれてはいるが、その実態は「手を入れていないカットは1カットもない」(監督・宮本幸裕)と語られた全カット完全リマスターである。紙サイズを拡大した新規作画素材を撮影段階で縮小合成し、劇場スクリーン用に画質を底上げ。さらに新規オープニング映像と変身バンクを加え、第10話以外の全セリフを再収録し、梶浦由記による約40曲の新規劇伴を追加したうえで、既存トラックを5.1チャンネルサラウンドにリミックスした。
まさにTVシリーズの「劇場用作り直し」と呼ぶにふさわしい再構築である。同年10月13日公開の後編『永遠の物語』とあわせ、1年後の[新編]叛逆の物語(2013年10月26日)、そして2026年8月28日公開予定の[ワルプルギスの廻天]へと連なるシリーズ劇場版の起点となった作品だ。
あらすじ
見滝原市に暮らす中学2年生・鹿目まどかは、ある夜、不思議な少女の夢を見る。その少女・暁美ほむらが翌朝、転校生として教室に現れたところから物語は動き出す。やがて同級生・美樹さやかとともに異形の空間に迷い込んだまどかは、そこで魔法少女・巴マミと、白い不思議な生き物「キュゥべえ」に出会う。「君たちも僕と契約して魔法少女になってよ」。キュゥべえは二人にそう持ちかける。どんな願いでも一つだけ叶える。その代償として、「魔女」と戦う宿命を背負わせようというのだ。
本作は、TVシリーズ第3話「もう何も恐くない」の決定的な転回点を経て、第4話以降に描かれるさやかの契約と上条恭介への想い、第5話で登場する赤い魔法少女・佐倉杏子との対峙、第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」で初めて明かされる魔法少女と魔女の構造、そして第8話「あたしって、ほんとバカ」で自らの選択に追い詰められていくさやかの姿。前半のクライマックスまでを、上映131分に凝縮して描く。
続く後編『永遠の物語』は、本作のラスト直後、第9話以降のシリーズ後半へと物語をつないでいく構成だ。
完全リマスター
本作は単なる総集編ではなく、TVシリーズ全12話のうち第1話から第8話までを劇場用に作り直したフィルムである。監督の宮本幸裕は本作について「手を入れていないカットは1カットもない」と語っており、TV版の全カットに何らかの調整や修正が施されている。具体的にはまず、紙サイズを劇場仕様まで拡大した上で新規作画を行い、撮影段階で縮小合成することで、劇場スクリーンに映した際の画質劣化を回避した。
さらに、新規オープニング映像と新規変身バンクを追加し、TV版にはなかった劇場版ならではの「掴み」を作り出している。加えて、キャラクター原案を手がける蒼樹うめが、劇場版用の新衣装と新たな表情を提供した。こうした再構築の結果、本作はTV版とは独立した視聴価値を備え、「劇場版でしか観られない『魔法少女まどか☆マギカ』」として仕上がっている。
音響再構築
音響面でも本作は大幅に手を入れている。声優陣は鹿目まどか役の悠木碧、暁美ほむら役の斎藤千和、美樹さやか役の喜多村英梨、巴マミ役の水橋かおり、佐倉杏子役の野中藍、キュゥべえ役の加藤英美里と、TV版から続投する主要キャストがそろい、劇場版に向けて全セリフを録り直した。例外は第10話「もう誰にも頼らない」の音声で、ここだけTV版がそのまま使われている。ただしこの場面は本作(前編)の収録範囲ではなく、後編『永遠の物語』に当たる部分である。
劇伴は梶浦由記が手がけ、新規楽曲約40曲を書き下ろしたうえで、既存トラックを5.1チャンネルサラウンドへとリミックスした。劇場版のオープニングテーマには、ClariSの第6弾シングル「ルミナス」(2012年10月10日発売、作詞・作曲渡辺翔、SME Records)を採用。本作のために書き下ろされた新曲が、そのままシリーズ劇場版のテーマソングとなった。エンディングテーマはKalafinaの「Magia [quattro]」。
TV版エンディングの「Magia」を梶浦由記みずから劇場版用にアレンジし直した一曲で、Kalafinaの第12弾シングル『ひかりふる』(2012年10月24日発売、SME Records)に収録されている。
制作背景
本作の劇場版企画が動き出したのは、TVシリーズの放送終了直後、2011年の中盤だった。新房昭之総監督、虚淵玄、蒼樹うめ、そしてシャフトによる「Magica Quartet」体制はそのまま受け継がれ、TVシリーズでシリーズディレクターを務めた宮本幸裕が、劇場版では「監督」としてフィルムを統括する。TVシリーズの素材を1カット単位で点検し、調整していく緻密なワークフローが組まれた。
深夜TVアニメから劇場版総集編へと進む際の「フィルムグレード化」のひとつの到達点であり、本作はその後のアニメ業界において、劇場版総集編制作のリファレンス的な位置を占めることになる。
劇場公開が狙ったのは、TVシリーズの視聴者だけではない。震災の影響で視聴が間に合わなかった層や、TV版を未見の新規層へのリーチも、そこには組み込まれていた。後編『永遠の物語』(2012年10月13日公開)との2部構成は、TV版全12話を映画館で2週連続、完結まで観てもらうという体験設計であり、シリーズ初の本格的な劇場展開でもあった。この好評を受け、1年後の2013年10月26日には完全新作の[新編]叛逆の物語が公開される。
シリーズの劇場展開は、ここから新作映画路線へと舵を切ることになる。
興行成績
本作は公開当初こそ全国43館という限定上映だったが、評判を呼び、2012年11月23日から12月1日にかけて全国26館でのセカンドラン拡大公開が実現した。2012年11月14日の報道時点では、11月11日時点で前編は観客動員357,645人・興行収入5億1,863万2,300円、後編は観客動員336,847人・興行収入4億8,262万5,500円を記録。
2部作を合算すると総動員694,492人・総興行収入10億125万7,800円に達し、深夜アニメ発の総集編劇場版としては異例の成績を残した。
その後、セカンドラン期間を含めた最終的な興行収入は、2013年2月末の時点で前編が約5.7億円、後編が約5.5億円、合計で約11.5億円。観客動員は2部作合算で約80万人にまで伸びた。北米でも限定上映が行われ、約180,440米ドル(約1,700万円)を売り上げている。こうした実績が、続く『[新編]叛逆の物語』(2013)が深夜アニメ劇場版として初の興行収入20億円突破を果たす地盤を築いた。
受賞
本作と後編『永遠の物語』の2部作は、第16回アニメーション神戸(2012年度顕彰)でテレビ部門作品賞を受賞した。「テレビ部門」での顕彰となったのは、本作がTVシリーズの再構成であるという作品性質によるもので、劇場版でありながらTV作品としての評価軸で表彰された格好だ。Blu-ray・DVDの初回限定盤はオリコン週間総合1位を獲得し、本作は深夜アニメ劇場版総集編の販売・配信モデルとしても成功例となった。
主要登場人物
配信状況
本作は配信先はサービスごとに取り扱いが異なるため、視聴前に配信ガイドで作品名と視聴条件を確認したい。
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