やせ細った喘息持ちのブルックリンの青年スティーブ・ロジャースが、エルスキン博士のスーパー・ソルジャー計画で超人となり、ナチス内部のテロ組織ハイドラとレッド・スカルに挑む——MCUフェーズ1の前史を担う、第二次世界大戦のレトロ・ヒロイック・アドベンチャー。

基本データ 2011年・ジョー・ジョンストン監督

マーベル・スタジオ製作、パラマウント・ピクチャーズ配給。フェーズ1の第5作にして、翌2012年の『アベンジャーズ』へ向かう最後の単独作。上映時間124分。製作費約1億4000万ドル、全世界興行収入約3億7060万ドル。

物語上の位置 1942-1945年の第二次世界大戦下

ナチスの科学部局から独立した「ハイドラ」を率いるヨハン・シュミット/レッド・スカルが、オーディンの宝物殿に由来する四次元キューブを兵器化する計画を進める。米陸軍はSSR(戦略科学予備隊)のもとで「リバース計画」を立ち上げ、その被験者として、徴兵を拒まれ続けてきた小柄なブルックリン青年スティーブ・ロジャースを選ぶ。

受賞・評価 レトロ調と王道ヒーローの再評価

ロッテン・トマトの批評家評は約80%、北米初週末興収は約6500万ドル、全世界興収は約3億7060万ドル。批評家からは『ロケッティア』のジョー・ジョンストンが第二次大戦のパルプ感を全力で再現した王道の前日譚として、興行よりも長く愛される作品として評価されている。

この記事の範囲 結末・四次元キューブ・現代覚醒まで完全解説

1942年テンスベリでのキューブ強奪、ニューヨーク万博、エルスキン暗殺、ブルックリン製作所での被験、USO慰問団としての宣伝興行、アッツァーノ収容所単独救出、ハワリング・コマンドーズ結成、列車上でのバッキー転落、ヴァルキリー上での最終決戦と北極墜落、2011年タイムズスクエアでのスティーブ覚醒、そしてポスト・クレジットの『アベンジャーズ』予告まで、すべてのネタバレを前提に解説する。

目次 37項目 開く

概要

『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(Captain America: The First Avenger)は、ジョー・ジョンストンが監督し、クリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーが脚本を執筆したアメリカのスーパーヒーロー映画である。マーベル・スタジオが製作し、公開時はパラマウント・ピクチャーズが配給した(後の権利再編によって以後の続編はウォルト・ディズニー・スタジオ配給へ移った)。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)通算5作目、フェーズ1の最終単独作にあたる。

原作はジョー・サイモンとジャック・カービーが1941年3月の『キャプテン・アメリカ・コミックス』第1号で創造した、米国コミック史上もっとも古いスーパーヒーローの一人。映画版は、コミックの戦時下プロパガンダ的な要素と、ジョー・ジョンストンが1991年に撮った『ロケッティア』のレトロ・パルプ感を融合させ、第二次大戦の冒険活劇としての肌触りを徹底して取りに行く方針で組まれている。製作のケヴィン・ファイギは、本作を「翌年の『アベンジャーズ』集合篇の前提となる、最後のピース」と位置づけた。

米国公開は2011年7月22日、日本公開は2011年10月14日。製作費は約1億4000万ドル、上映時間124分、全世界興行収入は約3億7060万ドルを記録した。主要キャストはクリス・エヴァンス(スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ)、トミー・リー・ジョーンズ(チェスター・フィリップス大佐)、ヒューゴ・ウィーヴィング(ヨハン・シュミット/レッド・スカル)、ヘイリー・アトウェル(ペギー・カーター)、セバスチャン・スタン(ジェームズ・“バッキー”・バーンズ)、ドミニク・クーパー(ハワード・スターク)、トビー・ジョーンズ(アーニム・ゾラ博士)、スタンリー・トゥッチ(アブラハム・エルスキン博士)。

本記事は、1942年テンスベリで四次元キューブが奪われる冒頭から、ニューヨーク万博、エルスキン博士の暗殺、USOショーでの宣伝キャラクター期、アッツァーノ収容所単独救出、ハワリング・コマンドーズ結成、アルプスでバッキーが列車から転落するシーン、レッド・スカルの最後と四次元キューブの行方、北極へのヴァルキリー墜落、2011年タイムズスクエアでのスティーブ覚醒、ポスト・クレジットの『アベンジャーズ』予告までを、すべてネタバレを前提に整理して書いている。

原題
Captain America: The First Avenger
監督
ジョー・ジョンストン
脚本
クリストファー・マルクス/スティーヴン・マクフィーリー
原作
マーベル・コミック(ジョー・サイモン/ジャック・カービー、1941)
音楽
アラン・シルヴェストリ
撮影
シェリー・ジョンソン
米国公開
2011年7月22日
上映時間
124分
ジャンル
スーパーヒーロー、戦争/戦時下アドベンチャー、レトロ・パルプ

あらすじ

以下は結末とポスト・クレジット・シーンを含む全編のあらすじである。本作は、徴兵を四度拒まれ続けたブルックリンの小柄な青年スティーブ・ロジャースが、エルスキン博士のスーパー・ソルジャー計画で超人キャプテン・アメリカとなり、ナチス内部のテロ組織ハイドラを率いるヨハン・シュミット/レッド・スカルと対決し、最後に北極の氷の中で凍りつき、70年後の2011年に目覚めるまでの物語である。

2011年・北極の氷塊——プロローグ

映画は、2011年の北極の白い空から始まる。氷原に着陸した特殊輸送機から、SHIELDの調査チームが氷の山を掘り進めている。地中深くに眠っていたのは、第二次世界大戦末期の巨大な金属の翼——通称「ヴァルキリー」と呼ばれた飛行兵器の残骸である。氷を割って機内に踏み込んだ調査員が、操縦席のすぐ脇に半ば氷漬けで埋まった盾を発見する。星条旗の意匠が刻まれた円盤、キャプテン・アメリカの盾だった。指揮官の短い無線——「司令、これを聞きたいか」——から、画面は1942年の北欧へ滑り落ちる。

本作のすべては、この北極の氷の中に埋まった一人の人間の物語として組まれている。観客は最初の数分で「彼は氷の中にいる」という結末の手前まで既に告げられており、以降の124分は、その氷に至るまでの人生を見届けるための時間となる。

1942年・テンスベリ——四次元キューブの強奪

1942年3月、ナチス・ドイツ占領下のノルウェー。海沿いの古い町テンスベリの教会堂に、黒いコートをまとった一団が踏み込む。先頭に立つのが、第三帝国の科学部局を独自に運営する「ハイドラ」の総帥、ヨハン・シュミットである。彼はかつてヴァイマル時代に、無認可の超人血清実験の被験者として歪んだ姿で生き延びた男で、表向きは整った顔の仮面を被って公の場に出ている。

シュミットは、教会堂の地下深くに代々秘匿されてきた一片の宝物——青い光を放つ立方体、後に四次元キューブ(テッセラクト)と呼ばれるアーティファクト——を掘り当てる。北欧神話の伝承ではオーディンの宝物殿に由来するともされる、北欧の王たちの守護物である。シュミットは護衛の老司祭を冷たく殺し、立方体を金属の保管庫に収めて凍えるノルウェーの夜へ運び去る。

彼の野望は単純である。神々の道具を兵器化し、ヒトラーすら束ねた帝国の上に立つこと。ニュルンベルクの式典を一笑に付し、ベルリンを焼き払う準備を整えるための燃料が、いまその手の中にある。本作の悪が、ナチスの上位ですらない一個人の野心として描かれる点が、ヒーロー映画としての本作の射程を決めている。

ブルックリン1942——四度の徴兵拒否

場面は同じ1942年のニューヨーク・ブルックリンへ。小柄でやせ細った青年スティーブ・ロジャースが、米陸軍の徴兵事務所で四度目の不適格判定を受けるところから始まる。喘息、不整脈、視力、扁平足——身長5フィート4インチ、体重95ポンドの彼は、紙のうえでは「軍が要らない種類の市民」である。それでも、母を看護師として失い、父を第一次大戦で失った彼は、銃後に残ることを潔しとしない。

彼の唯一の親友が、177連隊への入隊を目前に控えたジェームズ・“バッキー”・バーンズ(セバスチャン・スタン)である。バッキーは映画館の路地裏でスティーブが大柄な男に殴られているのを救い出し、街の灯のなかで「お前は、戦う側じゃない。お前は、戦わなきゃいけない側だ(You're not going to be the kind of guy who runs from a fight.)」と、彼の性格を一言で言い当てる。二人は翌日、ニューヨーク万博の会場でデートをする予定だった。

万博会場では、若き発明家ハワード・スターク(ドミニク・クーパー)が、磁力で空中に浮かぶ自家用車のデモを派手に披露している。観客の歓声のなかで車が落下し、ハワードが「ちょっとしたバグだ」と肩をすくめる場面は、後の息子トニー・スタークの源流が父にあることを観客に印象づける一場面である。

スティーブはバッキーに別れを告げたあと、会場の隅の徴兵所で五度目の偽申告を試みる。そこで彼の不器用な誠実さに目を留めた一人の老科学者が、彼を立ち止まらせる。亡命ドイツ人科学者、アブラハム・エルスキン博士(スタンリー・トゥッチ)である。

リバース計画とキャンプ・リーハイ

エルスキンに招かれたスティーブは、ニュージャージーのキャンプ・リーハイで進行中の「リバース計画(Project Rebirth)」の最終被験者候補としてSSR(戦略科学予備隊)の訓練へ送られる。指揮を執るのは、辛辣なチェスター・フィリップス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)と、英軍出身の有能な士官ペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)。

訓練序盤、フィリップスが模擬手榴弾を投げ込み、新兵たちを散らせて実験台にふさわしい一人を炙り出す場面がある。屈強な兵士たちが我先に身を伏せるなか、スティーブだけが手榴弾の上に飛び込み、仲間を庇う姿勢を取る。「諸君、伏せろ」と叫ぶ小さな青年が、エルスキンが探していた唯一の「心の形」だった。エルスキンが選ぶ条件は「強い者ではなく、善い者」——力を持つに値する人間を、力を持たないうちに選ぶというこの設計が、本作の倫理の中心軸となる。

手術前夜、エルスキンはスティーブの宿舎を訪れ、自分の過去を告白する。ドイツでの初期実験では、ヨハン・シュミットが安全性の保証されないまま血清を注射し、外見が歪み内面の悪意が増幅された——血清は「中にあるものを増幅する」ものであり、悪人をさらに悪く、善人をさらに善くする道具にすぎない。エルスキンは「お前が善き人間であり続けることだけが、計画の成功条件だ」と告げ、グラスを片付ける。

ブルックリンの手術——キャプテン・アメリカ誕生とエルスキン暗殺

翌朝、ブルックリンのアンティーク・ショップを偽装した秘密研究所で、リバース計画の最終手術が実施される。立ち会うのはエルスキン、フィリップス大佐、ペギー、ハワード・スターク、そして上院議員ブラント。スティーブは特殊なポッドに収まり、ハワードが製作した「ヴィタ線」の照射装置のなかで、エルスキンの血清を注射される。

光のシャワーのなか、悲鳴を漏らしかけるスティーブに、ペギーが小さく「やめさせろ」と叫ぶ。スティーブは「最後までやれ」と返し、装置が止まり、ポッドの扉が開いた瞬間、観衆の前に立っているのは身長6フィート2インチの均整の取れた肉体——スーパー・ソルジャーが完成している。歓声と汗のなか、スティーブが自分の手のひらを驚いて見つめる短いカットが、シリーズの長い物語の出発点である。

歓喜の瞬間、観衆のなかにいた一人の男が拳銃を抜き、エルスキン博士の胸を撃ち抜く。男はハイドラの工作員ハインツ・クルーガー(リチャード・アーミティジ)。死にゆくエルスキンの最後の所作は、スティーブの胸を指差すこと——彼は最後まで「お前自身が血清なのだ」と告げて事切れる。

スティーブはクルーガーをブルックリンの街路まで追跡する。彼の新しい身体は、車の追跡を歩いて追い抜き、撃たれた銃弾を肉体で受け止め、最後に港でクルーガーの潜水艇の前まで追い詰める。クルーガーは捕えられる直前、口の中の青酸カプセルを噛んで自死する。ブルックリンの夕景のなかで、初めて自分の力を試したスティーブは、しかしエルスキン博士の死と、計画の唯一無二の処方が永遠に失われたという、二つの取り返しのつかない損失を抱えている。

USOショー——「キャプテン・アメリカ」というプロパガンダ

リバース計画は、エルスキンを失い、血清の処方を失ったまま「もはや量産できない一個の超人」を残した。ブラント上院議員は、その肉体を戦場の兵器としてではなく、後方のプロパガンダの顔として使い回す決断をする。スティーブはニューヨークから米国全土を回るUSO(米国従軍慰問団)の舞台に立たされ、「キャプテン・アメリカ」と書かれた星条旗の衣装と段ボール製の盾を持って、戦時国債のセールスを訴える。

舞台上では「Star Spangled Man」(作曲アラン・メンケン、作詞デヴィッド・ジッペル)の歌に合わせて、踊り子に囲まれながらヒトラーの紙人形を殴り倒すルーチンを百回以上繰り返す。映画館でニュース映画として上映される彼の姿は、銃後の市民には希望でも、前線の兵士たちにはピエロにしか映らない。

1943年11月、イタリア戦線の前線基地でショーを披露しに来たスティーブは、観客席の兵士たちから露骨な野次と紙コップを浴びる。舞台袖でスティーブを迎えるのが、たまたまその基地に派遣されていたペギー・カーター。観客のなかに、彼が「自分の本来の場所はここではない」と決定的に気づく一夜が訪れる。

アッツァーノ単独救出——キャプテン・アメリカの誕生(本物)

前線の傍で、スティーブはバッキーが所属する第107連隊が、アッツァーノ近くのハイドラ施設に捕虜として捕えられていることを知る。フィリップス大佐は救援作戦の許可を拒否——既に救援部隊は壊滅しており、追加で投入できる兵がいない、というのが軍事的判断である。

スティーブは独断で動く。USOショーの段ボール衣装ではなく、ペギーが手配した実用品のジャケットと拳銃、そしてハワード・スタークが操縦する偵察機で、敵地深くアッツァーノの収容施設へ単身降下する。彼は無線も応援も持たず、ハイドラの監視兵を一人ずつ無力化しながら、四百名近い捕虜たち——イギリス軍、米軍、フランス軍、日系米軍ら多国籍の兵士たち——を全員解放する。

施設の中央棟で、彼は初めてハイドラの本質を目撃する。アーニム・ゾラ博士(トビー・ジョーンズ)が、四次元キューブのエネルギーを兵器化した新型のエネルギー銃と、青く光るタンクを管理している。さらに奥の部屋では、医学実験の被験台に縛りつけられた一人の捕虜——バッキー・バーンズ——が、譫言で連隊番号を繰り返している。スティーブはバッキーを助け起こす。バッキーが「お前なのか……どうやって……」と問い、スティーブが「大きくなった」と短く返す再会の一場面は、シリーズ後半まで尾を引く絆の起点となる。

脱出の途中、シュミットとゾラが本拠地の制御室で対峙する。シュミットは、捕虜を解放した一個人の存在を初めて知り、自分の正体を映してきた仮面を外す。シュミットの顔は、エルスキンの安全性なき血清の副作用で、頭皮を失った真紅の頭蓋骨——「赤い髑髏」、レッド・スカルの姿だった。シュミットは施設を爆破することで証拠を抹消し、彼自身は鉤十字の旗と数機の試作機を伴って奥へ撤退する。

施設を脱した数百人の捕虜たちが、行進してフィリップス大佐の前線基地へ帰還する。彼らを率いる先頭に立っているのは、星条旗の衣装ではなく、ただの軍服姿のスティーブである。基地の入口で「規律違反は不問にしてほしい」と謝罪する彼に対して、フィリップス大佐は短く「処分? まさか、表彰だ(Faith is frowned upon as a military attribute, son.)」と認める。観客が拍手を送る理由ができたのは、ここからである。

ハワリング・コマンドーズ結成と欧州遊撃戦

翌日、スティーブはハワード・スタークの工房で、新しい装備を選び直す。ハワードがいくつもの試作盾を並べるなか、スティーブは机の隅に転がっていた地味な金属の円盤を手に取る。「これは何だ」「ヴィブラニウム——アフリカの貴重な金属で、振動を完全に吸収する。ハワード曰く、量がほとんどない」。その円盤に三色の塗装と星が施されて、本作以降シリーズ全体を通じてキャプテン・アメリカの代名詞となる星条旗の盾が完成する。新しい衣装はUSOショーの派手な原色を抑え、軍服に近い深い青と茶へ落とし込まれる。

スティーブはアッツァーノで救った中から、六人の戦闘員を選び、独自の特殊作戦小隊「ハワリング・コマンドーズ」を編成する。バッキー・バーンズ、ダム・ダム・デューガン(ニール・マクドノー、トレードマークの中折帽)、ガブリエル“ゲイブ”・ジョーンズ(デレク・ルーク、語学に長けた米軍兵)、ジム・モリタ(ケニス・チョイ、日系米軍兵)、ジェームズ・モンゴメリー・フォルスワース(J・J・フェイルド、英軍将校)、ジャック・デルニエ(ブルーノ・リッチ、フランスのレジスタンス兵)の六人である。多国籍で構成されたこの小隊は、コミック由来の編成をそのまま継承しており、戦時下の米国コミックとしては当時としてはきわめて先進的なメンバーシップを取った点が、後年も繰り返し称揚される。

1943年から1944年にかけて、ハワリング・コマンドーズは欧州各地のハイドラ施設を一つずつ叩いて回る。爆破、夜襲、補給線寸断、捕虜解放——スティーブとハイドラの遊撃戦が長く続くこの中盤は、第二次大戦の冒険映画としての本作の本領が出る区間で、シリーズ後半とは違う乾いた爆発音と土の匂いに満ちている。

アルプスの列車——バッキー転落

1944年、ハワリング・コマンドーズは、アルプスの山中を走るハイドラの装甲列車にゾラ博士が乗っていることを掴む。鉄路の上を疾走する列車の屋根に、スティーブとバッキー、ガブリエルの三人がワイヤーで降下し、車両内に突入する。爆撃を生き延びた特殊兵装の兵士たちと激しい銃撃戦になる。

戦闘の途中、車体の側面に開いた穴のそばで、スティーブが盾でバッキーを庇おうとした矢先、爆風がバッキーをアルプスの絶壁の上に吊られた手すりへ叩きつける。鉄の手すりが歪んでいき、スティーブが手を伸ばす——「掴め、頼む」——その手の指先が触れたかどうかで、バッキーは数百メートル下の雪の渓谷へ落下する。手すりは耐えきれず外れ、バッキーは無線も信号弾もなく落ちる。スティーブは列車の中で長く呆然と立ち尽くす。

本作の中盤のクライマックスはこの瞬間にあり、後の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)以降のすべての展開——バッキーがハイドラに拾われ冬季工作員として再起動される歴史——は、この一場面を根として伸びていく。観客は本作の段階ではまだ知らされないが、列車の窓の外を落下するバッキーの直線軌道が、シリーズの長い縦軸の始まりである。

ゾラ博士は捕えられ、フィリップス大佐の尋問のもとで本作最大の情報を吐かせられる。「シュミットはニューヨークだけでなく、首都ワシントンとシカゴとボストンを同時に焼く気だ。ヴァルキリーと呼ばれる重爆撃機に、四次元キューブのエネルギーで起動する爆弾を六発積んで、北米の都市を順番に消す」。次の標的が前線ではなく米本土である以上、もはや遊撃戦の時間は終わる。

アルプス最終決戦——ヴァルキリーと北極墜落

ハイドラ本拠地はアルプスの絶壁に築かれた要塞地下基地である。スティーブを先頭にハワリング・コマンドーズと米軍の連合部隊が要塞に正面突撃し、その間にスティーブは盾を構えて要塞内部のヴァルキリー発進口へ駆け抜ける。装甲扉が閉まる前に身を投げ込み、滑走路を全力で走るレッド・スカルの背中に追いつくのが、彼の独力での最後の任務である。

ヴァルキリーは離陸する。広い翼の重爆撃機で、機体の下に六発の核級爆弾が並ぶ。シュミットは操縦席に座り、自分の最後の野望——神の道具で「人間より上に立つ」夢——を語る。スティーブは操縦席に乗り込み、シュミットと素手と盾で戦う。戦闘の最中、機体の制御室で四次元キューブの保管箱の蓋が緩み、シュミットが思わずキューブそのものに素手で触れる。

青い光が機内に走る。シュミットの肉体は、キューブの解放するエネルギーの帯のなかで、星と銀河の彼方へ吸い上げられるように消失する——本作の段階では「彼は死んだ」と提示されるが、後年の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、彼がヴォーミアの地でストーン番として生かされ続けていたことが明かされる。キューブ本体は機体の床を焼き貫き、雲海の下の太平洋——後の『マイティ・ソー』へ繋がる海域——へ落下する。

操縦不能になりかけたヴァルキリーで、スティーブは一人で操縦桿を握る。爆弾を解除できないまま、ニューヨークへ突進する機体を北の方角へ反らす——「これは命令だ、聞いてくれ、ペギー」。基地の通信室でペギーが応答する。ペギーは「降下して着水しろ、私たちが探す」と告げるが、機体の高度はもう降りられない。スティーブは操縦席で氷の海原を見つめながら、「俺たちは踊れなかったね」「土曜の夜、ストーク・クラブ、8時、必ず」「君のステップに、まだついていける自信はないんだ……」と短い予約を取り交わし、無線が途切れる。

ヴァルキリーは北極の白い氷盤へまっすぐ落下する。本作冒頭のSHIELDの発掘隊が掘り当てたあの場所——そこへ、いま、スティーブが沈んでいく。

2011年・タイムズスクエア——70年後の覚醒

場面は突然、1940年代の病室に切り替わる。ベッドに横たわるスティーブが、ラジオから流れる野球中継の声で目を覚ます。室内には壁の地図、机の上のラジオ、看護師の制服を着た若い女性。何の問題もないように見える穏やかな朝——だがスティーブはすぐに気づく。流れている試合は、彼が観戦で覚えている1942年5月の、ロザー・ブラントン投手の登板である。同じ試合を二度生中継することはない。

彼は看護師を制して廊下へ走り出す。廊下の先で、彼は壁を蹴破り、外へ転がり出る。瞳のなかに広がるのは、見慣れない五十年後のタイムズスクエア——夜のネオン、何百本もの巨大スクリーン、世界中の言語、まったく違う車種の渋滞、二十一世紀のニューヨークである。SHIELDの黒服の捜査員たちが彼を取り囲み、最後に近づいて来るのが、ニック・フューリー長官(サミュエル・L・ジャクソン)。

「すまない、スティーブ。君に伝えなければならないことがある」「何だ」「君は……眠っていた、キャップ。70年近く、氷の中で」。「7、70年」「ああ。だがピンと来ていないようだから言うが、その前に俺たちには君に任せたい仕事がある」。スティーブは何も応えず、ニューヨークの夜空をただ見上げる。土曜の夜8時、ストーク・クラブの予約は、確実に守られなかった。

本編はこの沈黙のショットで閉じる。直後にポスト・クレジット・シーンとして、SHIELDの訓練施設のサンドバッグを殴り続けるスティーブと、近づいて来るフューリーが「世界を救う任務がある」と告げる短い場面、続いて翌2012年公開の『アベンジャーズ』の最初の正式予告編が流れる。MCUの集合篇への助走線が、ここで初めて画面に出る。

登場要素

本作は第二次大戦下の冒険活劇として、コミック・ヒーローの伝統的な小道具と多国籍の戦友、レトロな兵器、そして後のMCUの神話的アイテムを一本に集約している。以下は主要な人物・場所・組織・道具の整理である。

主要人物

  • スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)
  • ペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)
  • ジェームズ・“バッキー”・バーンズ(セバスチャン・スタン)
  • チェスター・フィリップス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)
  • アブラハム・エルスキン博士(スタンリー・トゥッチ)
  • ハワード・スターク(ドミニク・クーパー)
  • ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン、最終盤のみ)

ヴィラン

  • ヨハン・シュミット/レッド・スカル(ヒューゴ・ウィーヴィング)——本作の真の敵、ハイドラ総帥
  • アーニム・ゾラ博士(トビー・ジョーンズ)——ハイドラの主任科学者、後の『ウィンター・ソルジャー』に再登場
  • ハインツ・クルーガー(リチャード・アーミティジ)——エルスキン暗殺の実行犯

ハワリング・コマンドーズ

  • ジェームズ・“バッキー”・バーンズ
  • ダム・ダム・デューガン(ニール・マクドノー)
  • ガブリエル“ゲイブ”・ジョーンズ(デレク・ルーク)
  • ジム・モリタ(ケニス・チョイ)
  • ジェームズ・モンゴメリー・フォルスワース(J・J・フェイルド)
  • ジャック・デルニエ(ブルーノ・リッチ)

組織

  • 米陸軍 戦略科学予備隊(SSR)——後のSHIELDの直接の前身
  • ハイドラ(Hydra)——ナチス・ドイツ科学部局から独立したテロ組織
  • 米陸軍 第107歩兵連隊
  • USO(米国従軍慰問団)
  • SHIELD(2011年プロローグとエピローグでのみ存在を示唆)

場所

  • ニューヨーク・ブルックリン(スティーブの故郷)
  • ニューヨーク万国博覧会会場
  • ニュージャージー州キャンプ・リーハイ
  • ブルックリンのアンティーク・ショップ偽装研究所
  • ノルウェー・テンスベリの古い教会堂
  • イタリア戦線アッツァーノ近郊のハイドラ施設
  • アルプス山中のハイドラ要塞地下基地
  • アルプス山岳鉄道の装甲列車
  • 北極の氷盤(プロローグおよび墜落地点)
  • 2011年のタイムズスクエア

アイテム・技術

  • 四次元キューブ(テッセラクト/コズミック・キューブ)——オーディンの宝物殿に由来する神々の道具、後にスペース・ストーンの容器として再定義
  • キャプテン・アメリカの星条旗の盾(ヴィブラニウム製、ハワード・スターク鍛造)
  • USOショー用の段ボール製盾と原色衣装
  • リバース計画のヴィタ線照射ポッド
  • エルスキンのスーパー・ソルジャー血清
  • ハイドラのエネルギー銃と動力スーツ
  • ヴァルキリー(ハイドラの重爆撃機)
  • ヴァルキリー搭載の四次元キューブ動力爆弾
  • ハワード・スタークの磁力浮上自家用車(万博デモ)

能力・概念

  • スーパー・ソルジャー血清による身体能力の倍加(速度・筋力・代謝・治癒)
  • ヴィブラニウムによる衝撃完全吸収(盾の核心特性)
  • 四次元キューブのエネルギー放出と空間転送現象(シュミットの消失)
  • ハイドラの独立指揮系統とプロパガンダ機構
  • USOショーによる戦時国債プロモーションと銃後の士気管理

ポストクレジット要素

  • SHIELD訓練施設でサンドバッグを殴り続けるスティーブ
  • ニック・フューリーが告げる「世界を救う任務がある」
  • 翌2012年公開の『アベンジャーズ』正式予告編

主要登場人物

本作の人物配置は、スティーブ・ロジャースの内面の成長を縦軸に、彼を選んだ恩師エルスキン、彼に火を付けるペギー、彼の最古の友バッキー、彼の対極に置かれるシュミット——という古典的な四点ダイヤモンドの構成を持つ。以下、それぞれの位置づけを整理する。

スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)

クリス・エヴァンスは『ファンタスティック・フォー』(2005/2007)のジョニー・ストーム役での実績を経て、当初は本作のオファーを三度断ったあと、ロバート・ダウニー・Jr.の説得を受けて受諾したと伝えられる。彼は本作のために体重を約11kg増量し、肉体的にもキャプテン・アメリカの「均整」を作り上げた。

やせ細った前半のスティーブは、エヴァンスの顔の上に他俳優の小柄な身体を合成するLola VFXの大規模な「ボディ・リダクション」処理によって作られている。前半90分のあいだ、観客が見るのは、ニューヨークの街路で殴られながら立ち上がる、痩せ細った青年の眼差しである。クリス・エヴァンスの本作の演技は、肉体ではなく顔の意思に置かれていて、その顔の置きどころが、後の『アベンジャーズ』『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』『エンドゲーム』へ繋がる長いキャリアの最初の一手を確定させた。

スティーブは、最初から最後まで、強くなった瞬間に変わったのではない。エルスキンの言うとおり、彼は「中にあったものが、増幅されただけ」の人間として描かれている。USOショーの幕間に、舞台袖でペギーの言葉を受け取り、独断でアッツァーノへ行く決断を下す瞬間にこそ、本物のキャプテン・アメリカが生まれている。

人物:キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース 次作:ウィンター・ソルジャー 三作目:シビル・ウォー

ペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)

ヘイリー・アトウェルが演じる英軍出身の有能な士官。SSRの計画運営に深く関わり、男社会の最後の砦である1940年代の米陸軍内部で、訓練兵を殴り倒し、判定を下し、任務を仕切る一人の指揮官として一貫した強さを保つ。クリス・エヴァンスとアトウェルの化学反応は、本作の感情の中心であり、シリーズ全体で繰り返し参照される。

彼女が本作で握る最大の判断は、フィリップス大佐がアッツァーノ救援を却下した直後、自分の独断で偵察機と装備をスティーブに用意し、敵地深くへ送り出すことである。彼女は規律と決断の境界線を、明確な責任のもとで踏み越える人物として、本作の倫理を肉体的に支えている。

本作後、ペギーは『マーベル・ワンショット:エージェント・カーター』(2013)、ABCドラマ『エージェント・カーター』(2015-2016)、そして『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』『ホワット・イフ…?』へと長く再登場し、MCUにおける女性主導の物語線の出発点を作る。最終局面の北極墜落直前の無線越しの会話「土曜の8時、ストーク・クラブで」は、後年『エンドゲーム』のラストで実際に成就する。

ジェームズ・“バッキー”・バーンズ(セバスチャン・スタン)

スティーブの最古の友人で、第107歩兵連隊の軍曹。ブルックリンの路地裏でスティーブを庇い続けた幼馴染が、本作では先に軍服を着て前線に立ち、後にアッツァーノで捕えられ、最後にアルプスの列車から渓谷へ落下する。

セバスチャン・スタンの本作の演技は、後の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)で再登場する「冬季工作員ウィンター・ソルジャー」と直接対比される、人間としてのバッキーの記録になっている。本作のバッキーは礼儀正しく、機知に富み、女性に対しても紳士的で、戦友としての信頼感が画面に滲む。

本作の終盤、列車から落下するバッキーの表情は、シリーズ全体を通じて最も多く引用される一場面である。彼の身体は氷の渓谷でハイドラに拾われ、後にバッキー自身の意思を奪われたまま冬季工作員として再起動される——その地獄の二十二の独房は、本作の段階ではまだ画面に出てこないが、すべてここから伸びていく。

次作:ウィンター・ソルジャー

アブラハム・エルスキン博士(スタンリー・トゥッチ)

亡命ドイツ人科学者、リバース計画の主任研究者。スタンリー・トゥッチの抑えた演技が、本作の倫理の中心軸を担う。彼はかつてヨハン・シュミットに血清を強制使用させられたドイツ時代の罪を背負っており、その経験から「強い者ではなく、善い者を選ぶ」という条件を計画に組み込んでいる。

手術前夜の宿舎での短い会話——「強い者は、自分の力をしばしば失ってしまう。だが善い者は、それを大切にする」——は、シリーズ全体の倫理的な引用元として、後の作品でも何度も参照される。彼が手術直後にハイドラ工作員の銃弾で殺されることで、彼の倫理は計画書ではなく、スティーブ・ロジャースという一個人の肉体の内側だけに残る。

エルスキンが死ぬ瞬間にスティーブの胸を指差した所作は、本作の主題そのもの——「お前自身が血清である」——を一動作で要約する、シリーズ屈指の名演出である。

ヨハン・シュミット/レッド・スカル(ヒューゴ・ウィーヴィング)

ハイドラ総帥にして本作のヴィラン。ヒューゴ・ウィーヴィングは『マトリックス』のエージェント・スミス、『ロード・オブ・ザ・リング』のエルロンドで知られる豪州系英国人俳優で、本作ではドイツ語訛りの英語で重みのある独裁者の声を作り上げた。

シュミットの造形は、ナチスの上層部すら超えて「神々の道具を握る一個人」を目指す野心家として描かれる。彼はヒトラーを「軍服を着た占い師」と呼んで嘲り、ニュルンベルクの式典を一笑に付す。ナチスより上にあろうとしたという独立性が、後年シリーズ内で「ハイドラはナチスではない」と区別される論拠の起源となる。

彼の真の敗北は、北極の海ではなくアルプスの操縦席で、自分の手で四次元キューブに触れた瞬間に訪れる。神の道具を兵器化しようとして、神の道具に飲み込まれる——本作の最大の皮肉である。後の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、彼が消えたあとに、惑星ヴォーミアの「ソウル・ストーンの番人」として生き延びていたことが明かされる。

ハワード・スターク(ドミニク・クーパー)

若き発明家、後のスターク・インダストリーズ創業者にして、トニー・スタークの父。本作の段階のハワードは、口元に細い髭をたたえ、磁力浮上自家用車のデモで観客を沸かせる、ハワード・ヒューズの面影を持つプレイボーイの天才として描かれる。

スティーブのリバース計画でヴィタ線照射装置を設計し、戦闘服のデザインを担当し、ヴィブラニウムの円盤を盾として与え、終盤ではペギーと共に偵察機の操縦を行う。本作の彼は、後の『アイアンマン2』『アベンジャーズ/エンドゲーム』で描かれる「ハワード・スターク」像のすべての出発点であり、息子トニーへ連なる父系の最初の肖像である。

本作の終盤、彼は北極にスティーブと盾と機体の残骸を探すために、生涯を費やすことになる。彼の探索が見つけられなかった氷の塊を、息子の世代のSHIELDが2011年の冒頭で掘り当てる、というシリーズ間の縦軸が、本作の冒頭と末尾を内側で結びつけている。

息子:アイアンマン/トニー・スターク

チェスター・フィリップス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)

米陸軍の辛口の指揮官、SSRの実務責任者。トミー・リー・ジョーンズの独特の渋面と切れ味のある皮肉が、本作のSSR周りの空気を確立している。フィリップスは当初、スティーブのような小柄な志願者を「軍に不要な体格」として一蹴するが、手榴弾の実験で彼の選び抜く相手は別の兵士からスティーブへ移る。

彼はキャラクターとしては典型的な「皮肉な軍人」だが、判断の核では一貫してスティーブの行動を信頼している。アッツァーノの単独救出の事後に「Faith is frowned upon as a military attribute, son.(信頼は軍人の徳目には数えられない、まあ気にするな)」と告げる場面は、彼が本作の倫理を物資面で支える人物であることを言外で示す。

本作後、フィリップスはハワードと共にSHIELDの前身組織を内側から立ち上げる役回りを後年のドラマ『エージェント・カーター』で果たすことになる。

舞台と用語

舞台は1942-1945年の第二次世界大戦下の欧米——ブルックリンの裏路地、ニューヨーク万博、ニュージャージーの訓練基地、ノルウェーの古い教会堂、イタリア戦線、アルプスの山岳、北極の氷盤——そして2011年のタイムズスクエアを巡る。中心の用語は「スーパー・ソルジャー血清」「四次元キューブ」「ヴィブラニウム」「ハイドラ」「SSR」の五つに整理できる。

スーパー・ソルジャー血清は、エルスキン博士が開発した一過性の処方で、本作で実用化されたのはスティーブ・ロジャース一人のみである。エルスキン本人と試料が同夜に失われたため、量産は不可能となった。後年シリーズでは、この一本の処方を再現しようとする試みが、『インクレディブル・ハルク』『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ブレイブ・ニュー・ワールド』など多くの作品の起点となる。

四次元キューブ(テッセラクト)は、本作で初めて画面に登場するMCU最古層のアイテムで、北欧の伝承上はオーディンの宝物殿に由来する。後の作品では、これが「スペース・ストーン」と呼ばれる無限の宝石6個のうちの一つの容器であり、ハイドラの兵器に始まり、SHIELDのエネルギー研究、ロキの侵略、ヴォーミアの番人問題、最終的にエンドゲームの時間泥棒へと長く参照される。

ヴィブラニウムは、本作のキャプテン・アメリカの盾の材料として初めて画面に登場する架空の金属である。後の『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『ワカンダ・フォーエヴァー』へ連なる「ヴィブラニウム神話」の出発点も、本作のハワード・スタークの机の隅から始まっている。

ハイドラはナチス・ドイツの科学部局から独立したテロ組織で、本作の悪の中心である。後の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)では、ハイドラが戦後70年にわたってSHIELDの内部に潜伏していたことが明かされ、シリーズ全体の長期的な悪役構造が完成する。SSRは戦略科学予備隊の略称で、本作の終盤からドラマ『エージェント・カーター』を経てSHIELDの直接の前身として確立される。

用語:MCU 用語:フェーズ 用語:インフィニティ・サーガ 用語:インフィニティ・ストーン 用語:ヴィブラニウム 用語:SHIELD 用語:アベンジャーズ

制作

本作の制作は、翌2012年の『アベンジャーズ』集合篇へ向かう最後のピースとして、シリーズの古層を一気に整える役割を負った。マーベル・スタジオはケヴィン・ファイギの判断で、現代を舞台にする選択を捨て、第二次大戦の前史を真正面から描く方針を選び、監督に『ロケッティア』『ジュマンジ』のジョー・ジョンストンを起用した。

企画と脚本

マーベル・スタジオは2005年前後から『キャプテン・アメリカ』単独作の企画を温め、2008年の『アイアンマン』成功以後にケヴィン・ファイギの主導で本格的に開発を進めた。脚本はクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリー、『ナルニア国物語』シリーズで知られる二人組がマーベル・スタジオに本作で初参戦し、以降『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』までシリーズの中心脚本陣を担うことになる。

脚本上の最大の判断は、本作の物語の九割を1942-1945年に置き、現代パートを冒頭の北極の発掘と終盤のタイムズスクエアだけに限定したことである。コミックの『キャプテン・アメリカ』は戦後の現代米国を舞台にする時間が長いが、映画版は「氷から出てくる70年前のヒーロー」というMCUの設計上の必要に従って、まずは戦時下の前史をきちんと撮り切る、という方針が選ばれた。

脚本陣はインタビューで、本作の精神的な参照軸として、スティーブン・スピルバーグ『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』、ジョー・ジョンストン自身の『ロケッティア』、そして1940年代のキャプラ的な「小さき市民の活劇」を挙げている。スティーブを最後まで「やせた青年の眼差しを保ったまま体だけが大きくなった人物」として描き続ける構成は、その意識の現れである。

キャスティング

スティーブ・ロジャース役の最終選定は2010年3月。クリス・エヴァンスは当初オファーを三度断り、最終的に短期契約での出演を条件に受諾した。エヴァンスは『ファンタスティック・フォー』(2005/2007)でジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチを既に演じており、別のマーベル・ヒーローを引き受けることに躊躇していたが、ロバート・ダウニー・Jr.の私的な説得を経て決断したと後に語っている。

ペギー・カーター役は、最終候補にケヴィン・コスナーの娘のサウンダーズら数名の英国系若手女優がいたなかで、ヘイリー・アトウェルが2010年4月に決まる。ジェームズ・“バッキー”・バーンズ役は、セバスチャン・スタンが2010年3月に発表され、当時彼は『ウィンター・ソルジャー』で再起動される役回りまで含めた長期契約を結んでいる。

レッド・スカル役のヒューゴ・ウィーヴィングは2010年6月に発表された。スタンリー・トゥッチ、トミー・リー・ジョーンズ、トビー・ジョーンズ、ドミニク・クーパー、ニール・マクドノー、デレク・ルーク、ケニス・チョイ、リチャード・アーミティジら脇役陣も、2010年4月から6月にかけて順次決定し、サミュエル・L・ジャクソンはニック・フューリー役で、本作の最終盤の短い出番として既存の長期契約の一環で参加した。

撮影とロケ地

主要撮影は2010年6月28日に英国のシェパートン・スタジオで開始され、2010年11月12日にクランクアップした。撮影地は英国のロンドンとマンチェスター、リヴァプール、ウェールズ、そして米ロサンゼルスを跨いだ。1942年のニューヨーク・ブルックリンのセットは、マンチェスターのノースウェスト地区の街路に大規模な美術を入れて再現された。リヴァプールのスタンレー・ドック地区はノルウェーのテンスベリ港の代行ロケに使われた。

アルプスのハイドラ要塞地下基地と装甲列車の戦闘場面は、シェパートン・スタジオに組まれた巨大セットで撮影され、アルプスの絶壁はミニチュアとマット・ペインティングの混合で構築された。北極の氷盤と海域は、英国スタジオ内のブルー・スクリーン撮影に大量のCG合成を加える形で作られた。

美術監督リック・ハインリックスは、本作の世界観を「コミック・ブックの色彩を現実に持ち込んだレトロな第二次大戦」と要約しており、衣装デザイナー・アンナ・B・シェパードはキャプテン・アメリカの戦闘服を、原作の星条旗の派手な原色から軍服に近い深い青と茶のトーンに落とし込んだ最終案で確定させた。アッツァーノの単独救出の場面に登場するハイドラ兵の動力スーツの造形は、コミックのHYDRA歩兵の意匠を引き継ぎつつ、第二次大戦の実機兵装の質感に寄せて作り直されている。

視覚効果

視覚効果はIndustrial Light & Magic(ILM)、Lola VFX、Whiskytree、Double Negativeほか多数のスタジオが分担した。中心はクリス・エヴァンスを「やせ細った前半のスティーブ・ロジャース」へ作り替えるボディ・リダクション処理で、Lola VFXが担当した。手法は、エヴァンスの顔の上に他俳優の小柄な身体を合成する従来型の「顔置換」ではなく、エヴァンスの実写映像の頭部以外の領域を、フレーム単位で骨格の幅と筋肉の厚みを縮小していくCGリタッチである。

前半のおよそ40分にわたって、観客が見るブルックリンのスティーブはすべてこの処理を受けたフレームであり、本作はMCUの「肉体改変VFX」の歴史的な達成点の一つとして、後の『アントマン』『シビル・ウォー』『エンドゲーム』のディエイジングの先行ケースとなった。

四次元キューブの青い光、ヴァルキリーの離陸、シュミットの肉体が宇宙へ吸い上げられる消失、北極の氷盤への墜落と、ハイドラ要塞地下基地の爆発、すべてILMとDouble Negativeが分担した。終盤の北極のロング・ショットには、ジョー・ジョンストン自身の『ロケッティア』のラスト・シーンへのレトロな敬意が、画面構成として滑り込んでいる。

音楽と音響

音楽はアラン・シルヴェストリ。シルヴェストリは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』『プレデター』など、20世紀末ハリウッドの古典的なヒーロー映画と感傷的なドラマの両方を支えた作曲家で、本作のスコアは故意にレトロな金管中心のヒロイック・モチーフで構築されている。スティーブのテーマは、低弦から立ち上がる金管の四音の動機で、シルヴェストリは翌2012年の『アベンジャーズ』のメイン・テーマの基盤としても本作のスティーブのテーマの一部を引き継いだ。

本作の劇中歌「Star Spangled Man(With a Plan)」は、アラン・メンケンが作曲、デヴィッド・ジッペルが作詞したオリジナル楽曲で、USOショーの場面で踊り子と合唱と共に披露される。1940年代のレヴュー・ナンバーを完全に新規作曲で再現するという贅沢な試みで、本作のレトロ感を支える中心装置になった。アラン・メンケンはディズニー・アニメ『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』の作曲家で、本作の参加はマーベル・スタジオ作品としては異例の起用である。

音響デザインでは、レッド・スカルの仮面の下の素顔の発声、四次元キューブの低周波のうねり、ヴァルキリーの六基の巨大エンジン音、北極の風雪が、レトロな質感と現代的な低音域の重みを両立する形で作られている。

編集とポストプロダクション

編集はジェフリー・フォードとロバート・ダルヴァ。フォードはマーベル・スタジオ作品としては本作が初参加で、以降『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』までシリーズ屈指の編集者として中枢を担うことになる。

本作の編集上の最大の判断は、USOショーのモンタージュとアッツァーノ単独救出の間で、観客の感情をどう滑り込ませるかである。フォードは、ショーで野次を浴びるスティーブの孤立感と、舞台袖でペギーの言葉を受け取る短いカットの直後に、敵地深くへ偵察機が飛ぶ場面を切り返し、観客にスティーブの決断を一秒も説明させずに、肉体だけで分からせる構成を選んだ。

終盤の北極墜落シーンとタイムズスクエア覚醒シーンの間は、極めて短いブラックアウトのみで繋がれている。70年の時間を秒単位で跨ぐこの切り替えは、本作のMCU全体への伏線回収機能を一手に担う、編集上の名場面である。

公開と興行

米国公開は2011年7月22日、日本公開は2011年10月14日。北米初週末興収は約6512万ドル、最終的な北米興収は約1億7670万ドル、海外興収は約1億9390万ドル、全世界興収は約3億7060万ドルを記録した。製作費約1億4000万ドルに照らせばシリーズの中堅クラスの黒字であり、興行的にはフェーズ1で先行した『アイアンマン』『マイティ・ソー』ほどの突出ではないが、翌2012年の『アベンジャーズ』集合篇へ向かう前提として十分な数字を出した。

批評面では、ロッテン・トマトの批評家評は約80%、メタスコアは66点、CinemaScoreはAーの高評価。批評家は、ジョー・ジョンストンが第二次大戦のパルプ感を全力で再現した王道の前日譚として本作を歓迎し、クリス・エヴァンスの演技、ヒューゴ・ウィーヴィングのレッド・スカル、ヘイリー・アトウェルのペギー・カーター、アラン・シルヴェストリの音楽を繰り返し称賛した。

日本公開は当初『キャプテン・アメリカ』の名称が国内市場に馴染まないとの判断で『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』として副題が正面に出され、ポスター上では「Marvel Studios」の社名と「ザ・ファースト・アベンジャー」の文字が大きく扱われた。

批評・評価・文化的影響

本作の文化的影響は、シリーズ内部に集中している。第一に、MCUフェーズ1の最終単独作として、翌2012年の『アベンジャーズ』集合篇の前史を完成させた記録としての価値である。スティーブ・ロジャースが氷から目覚めて2011年のニューヨークに立つ最後のショットは、そのまま翌作のアベンジャーズ初顔合わせへ繋がる、シリーズ内最大の伏線回収の出発点となった。

第二に、本作は「やせた青年がスーパー・ソルジャーになる」というコミックの神話を、現代の映画技術と現代の感情線で語り直した記録として、シリーズの倫理的な基準点になっている。エルスキン博士の「強い者ではなく、善い者を選ぶ」という条件は、後の『シビル・ウォー』『エンドゲーム』『ブレイブ・ニュー・ワールド』に至るまで、シリーズ内部のキャプテン・アメリカ像の正典として繰り返し参照される。

第三に、四次元キューブ/テッセラクトの初登場、ヴィブラニウムの初登場、ハワード・スタークの本格的な映像化、ハイドラの起源、SSRからSHIELDへの組織的連続性——これら、MCUの古層の「神話的なアイテムと組織の出発点」が、本作で一気に画面に揃った。これらの装置は『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』『ウィンター・ソルジャー』『エイジ・オブ・ウルトロン』『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』へと長く効力を保つ。

第四に、本作はその後のスピンオフ作品の系譜——『マーベル・ワンショット:エージェント・カーター』(2013)、ABCドラマ『エージェント・カーター』(2015-2016)、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021)、『キャプテン・アメリカ/ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)——のすべての起点として、シリーズ全体に長く尾を引いている。

舞台裏とトリビア

クリス・エヴァンスはオファーを三度断ったあとに本作の出演を受諾した。最終的な説得には、当時すでにトニー・スタークを演じていたロバート・ダウニー・Jr.が私的に関与したと伝えられる。エヴァンスは本作以降、契約上「キャプテン・アメリカ」役で6本のMCU出演を約束し、そのほとんどを2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』までに消化した。

前半のやせ細ったスティーブ・ロジャースは、Lola VFXによる「ボディ・リダクション」処理によって、クリス・エヴァンス自身の頭部と他俳優レアンダー・デニーらの小柄な身体を組み合わせて作られた。複数の俳優のシーンごとの組み合わせ案が試され、最終版ではエヴァンスの頭部とデニーの身体が中心となる方式で固定された。

USOショーのナンバー「Star Spangled Man」は、アラン・メンケンとデヴィッド・ジッペルによるオリジナルの完全新規作曲である。1940年代のレヴュー・ナンバーを忠実に再現する贅沢な試みで、本作のレトロ感の中心装置になっている。

ハワリング・コマンドーズの編成(米軍、英軍、フランス・レジスタンス、日系米軍を含む多国籍の小隊)は、コミック原作の編成をほぼそのまま継承している。1941年のキャプテン・アメリカ・コミックスの段階で多国籍編成を取っていた点は、当時の米国コミックとしては先進的だった。ジム・モリタ(ケニス・チョイ)の日系米軍兵は、後に第442連隊戦闘団の歴史へ接続する寓意としても評価されている。

本作のレッド・スカルの素顔の特殊メイクは、ヒューゴ・ウィーヴィングの顔の上に半部分のシリコン製パーツを乗せ、残りはCGで補完する複合方式で作られた。完成版の素顔は、ウィーヴィングの実演技と、Lola VFXのフェイシャル・トラッキングを組み合わせた成果である。

ハワード・スターク役のドミニク・クーパーは、後年の『マーベル・ワンショット:エージェント・カーター』(2013)およびドラマ『エージェント・カーター』(2015-2016)でも同役を継続出演し、若き日のハワードを長期的に演じ続けた。

ポスト・クレジット・シーンとして流された『アベンジャーズ』正式予告編は、本作の北米公開と同じ2011年7月22日にYouTube上でも公開され、当時のシリーズ集合篇への期待を一気に上げる役割を果たした。

本作の公開時の配給はパラマウント・ピクチャーズだった。これは2005-2008年のマーベル・スタジオとパラマウントの旧配給契約の名残で、後に2013年以降のシリーズはウォルト・ディズニー・スタジオが配給に移ったため、本作と『アイアンマン』『アイアンマン2』『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』『インクレディブル・ハルク』の初期作のパッケージ表記は版によってロゴが異なる点が知られている。

テーマと解釈

中心の主題は「力の前の人格」である。エルスキン博士が本作の最初の三十分でくり返し述べる「中にあるものを増幅するだけだ。良い人は良くなり、悪い人は悪くなる」という命題は、スーパーヒーロー映画の倫理を、肉体ではなく内面の側に決定的に置き直す。スティーブ・ロジャースは強くなった瞬間にキャプテン・アメリカになったのではない——強くなる前から、彼はすでに「弱い者の味方になる人格」であり、本作はそれを丁寧に四度の徴兵拒否で確認したうえで、彼に肉体を与えて世界に解き放つ構成を選んでいる。

もう一つの軸は「制度と個人」である。スティーブは、米軍に四度拒否され、エルスキン個人に拾われ、USOショーで国家のプロパガンダの顔として消費され、最後にフィリップス大佐の許可なくアッツァーノへ独断で行く。彼の英雄譚は、国家機構の中で完結したのではなく、国家機構の外側へ一度はみ出した瞬間に完結した。本作のこの軸は、後の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)『シビル・ウォー』(2016)の中心軸——制度の腐敗と協定への拒否——へそのまま継承される。

三つ目の軸は「神々の道具と人の手」である。レッド・スカルが四次元キューブを奪い、そのエネルギーを兵器化しようとして、最後にキューブ本人に吸い上げられて消える展開は、本作の最大の皮肉である。神の道具を私物化しようとした者は、神の道具に飲み込まれる。後年の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』のサノス論にまで、この主題は長く尾を引く。

視覚的には、本作の色彩構成は、1940年代の「セピア+赤+青」の三色構成を意図的に過剰なくらいに採用しており、現代パートの2011年タイムズスクエアの極彩色との対比を通じて、70年の時間の長さを一目で観客に届ける。最後のタイムズスクエアのショットで、星条旗の盾を抱えたスティーブの顔だけが、一人取り残されている——本作の幕切れの意味は、その一枚に集約されている。

見る順番(補助)

本作はMCUフェーズ1の第5作にして、翌年の『アベンジャーズ』集合篇への最後の橋渡しである。初見のおすすめは、まず公開順で『アイアンマン』(2008)、『インクレディブル・ハルク』(2008)、『アイアンマン2』(2010)、『マイティ・ソー』(2011)の順で観てから本作に入ることである。フェーズ1の小さなパーツが順番に集まっていく過程の最終段で、四次元キューブとハイドラの古層を「過去から拾い直す」役割を、本作は担っている。

時系列順で観たい場合は、本作の本編(1942-1945年)が最古で、続いて『キャプテン・マーベル』(1995年)、『アイアンマン』(2010年)と続く。本作の終盤の2011年タイムズスクエア・シーンは、ちょうど『マイティ・ソー』(2011年)と同じ現代時間軸に位置するため、両作の出来事は同じ年の出来事として整合する。

本作の直後に観るべきは『アベンジャーズ』(2012)であり、続いて『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)、『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』(2016)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の順で、スティーブ・ロジャースの長い物語を一気に追える。「キャップ三部作」として観たい場合は、『ザ・ファースト・アベンジャー』『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』の順で観るのが基本である。

  1. 前史なし本作が時系列上もっとも古いMCU本編(1942-1945年)
  2. 並行作『キャプテン・マーベル』(1995年)が次の時系列ポイント
  3. 現代パート終盤の2011年タイムズスクエアは『マイティ・ソー』と同年
  4. 直後の作品『アベンジャーズ』(2012)でアベンジャーズ集合へ
  5. 後継作品『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』『エンドゲーム』『ブレイブ・ニュー・ワールド』へ
次作:ウィンター・ソルジャー 三作目:シビル・ウォー 集合篇:アベンジャーズ 合流:インフィニティ・ウォー 終着点:エンドゲーム 盾の継承後:ブレイブ・ニュー・ワールド MCU公開順ガイド MCU時系列順ガイド キャプテン・アメリカ視聴順ガイド MCU初心者向けガイド アベンジャーズ視聴順ガイド

よくある質問(補助)

「あらすじだけ知りたい」場合は、1942年テンスベリで四次元キューブが奪われる→ブルックリンの小柄なスティーブが四度の徴兵拒否を受ける→エルスキン博士のリバース計画でキャプテン・アメリカに変身→エルスキン暗殺で計画が一回限りになる→USOショーで宣伝キャラクターとして消費される→アッツァーノで400名を単独救出して本物のキャプテンになる→ハワリング・コマンドーズを組んで欧州遊撃戦→アルプスの列車でバッキー転落→レッド・スカルの最終決戦でヴァルキリーを北極へ墜落させる→2011年に氷から目覚めてタイムズスクエアでフューリーと出会う、という流れを押さえれば十分である。

「結末・ネタバレを知りたい」場合は、レッド・スカル/ヨハン・シュミットが四次元キューブに素手で触れて宇宙へ吸い上げられて消える(後年のシリーズではヴォーミアの番人として生存と判明)、キューブ本体は太平洋へ落下する(後の『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』へ繋がる)、スティーブはヴァルキリーを北極へ墜落させて70年間氷漬けになる、2011年にSHIELDが彼を発掘してタイムズスクエアで目覚めさせる、ポスト・クレジットで『アベンジャーズ』正式予告編が流れる、が核となる。

「評価を知りたい」場合は、批評家評約80%・全世界興収約3億7060万ドル、フェーズ1の最終単独作として翌『アベンジャーズ』の前提を完成させた重要作、と整理できる。「見る順番」では、『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』『マイティ・ソー』を観てから本作、続いて『アベンジャーズ』『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』『エンドゲーム』へ進むのが最もスムーズな視聴順となる。

参考資料・脚注

作品名、キャラクター名、画像、各種権利はそれぞれの権利者に帰属する。公開年・興行・配信状況・外部評価は変動しうるため、視聴前に公式および各データベースの最新表示を確認されたい。本記事の本文は各種公開情報をもとに、Anna Movies用の独自の日本語文章として構成している。

  1. Marvel公式 キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
  2. IMDb: Captain America: The First Avenger (2011)
  3. Marvel Cinematic Universe Wiki: Captain America: The First Avenger
  4. Box Office Mojo: Captain America: The First Avenger (2011)
  5. Rotten Tomatoes: Captain America: The First Avenger

関連ページ

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参照・確認先

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