アスカ・ラングレーは、TVシリーズ第八話「アスカ、来日」(1995-11-22) から登場するエヴァンゲリオンのセカンドチルドレンで、汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 弐号機(新劇 Q 以降はエヴァ改2号機) の専属パイロット。旧シリーズでは「惣流・アスカ・ラングレー」、新劇場版では「式波・アスカ・ラングレー」と表記が変わり、出自・家族関係・トラウマの構成も大きく書き換えられている。共通するのは、気性が強く誇り高いエースパイロットとしての顔と、その裏にある自己肯定感の不安定さである。担当声優は1995年TV第八話から2021年シン・エヴァまで一貫して 宮村優子 が務めており、シリーズ全期間で同じ俳優が演じ続けている。なお、新劇場版で式波と並んで重要な役割を果たす 真希波・マリ・イラストリアス はアスカとは別キャラ・別俳優(坂本真綾)であり、両者をしばしば混同する誤情報があるが、アスカ役は3シリーズすべて宮村優子で確定している。

プロフィール — 旧『惣流』と新劇『式波』の差分

アスカの公式プロフィールは TVシリーズ・新劇場版を通して 2001年12月4日生まれの14歳、第3新東京市立第壱中学校2年A組、NERV 弐号機専属パイロットという基本骨格は共通している。一方で姓と出自には大きな差分がある。旧シリーズの 惣流・アスカ・ラングレー はアメリカ合衆国国籍、日独クォーター、ドイツの大学を14歳で飛び級卒業しているという設定で、母・惣流・キョウコ・ツェッペリンが弐号機接触実験の事故で精神崩壊し人形を娘と思い込んだ末に自殺する、というトラウマがキャラ造形の核に据えられている。新劇場版の 式波・アスカ・ラングレー はドイツ出身の帰国子女、ユーロ空軍大尉、シキナミシリーズのクローン体の一人であり、両親が初めから存在せず、母親トラウマ設定が削除されているという大きな違いがある。新劇場版の式波は加持リョウジとの面識もないという設定変更が行われ、旧版の「加持に父性を求める少女」という人物像は新劇場版では再構築されている。

搭乗エヴァ — 弐号機とエヴァ改2号機(新劇)

アスカの主搭乗機は エヴァンゲリオン弐号機。陸戦想定で開発された量産前提の試作機で、TVシリーズでは第8話の太平洋上での海上輸送中に第6使徒ガギエルとの戦闘で実戦投入され、その後第拾八話の三号機戦・第拾九話のゼルエル戦・第弐拾弐話のアラエル戦などを経る。旧劇場版『THE END OF EVANGELION』では、コア内に母・キョウコの魂が宿っていたことが明かされ、補完計画当日に弐号機がアスカを救うべく覚醒、量産機エヴァ・シリーズ9機を相手に大立ち回りを演じるが、最終的にロンギヌスの槍に類似した予備の槍で頭部を貫かれ捕食される。新劇場版では『破』までエヴァ 2号機を運用、『Q』以降の14年後世界では機体の再設計とアスカ自身の肉体改造を経た エヴァ改2号機 (β型・γ型を含む段階的改修) として登場し、『シン・エヴァ』後半では 第4形態 までの変形が描かれる。

TVシリーズでの来歴 — 第八話「アスカ、来日」から終盤の廃人化まで

TVシリーズにおけるアスカは、第八話「アスカ、来日」 で太平洋上の輸送艦隊に乗り込んでくる形で初登場し、第6使徒ガギエル戦をシンジとの共同操縦で乗り切る。第九話「瞬間、心、重ねて」で第7使徒イスラフェル戦のためにシンジとシンクロ訓練を行い、コミカル寄りの中盤エピソードでも中心的存在となる。中盤の 第拾八話「命の選択を」 での三号機事件(旧版では搭乗者は鈴原トウジ)を経て、終盤に向けて精神状態が悪化していく。第弐拾弐話「せめて、人間らしく」 での第15使徒アラエルとの戦闘で、衛星軌道上から精神攻撃を受け、母の精神崩壊・自殺をめぐる記憶を再体験させられ、これを機にシンクロ率が急激に低下、第弐拾参話以降は実質的に戦線離脱に近い状態に陥る。第弐拾肆話「最後のシ者」では第17使徒タブリス(渚カヲル) 戦に弐号機が出撃するが、機体を停止させられて敗北、最終2話の補完計画パートでもアスカは病院のベッドにいる「廃人化した姿」で描かれる。

旧劇場版での描写 — 弐号機覚醒・量産機9機との戦闘・「気持ち悪い」

旧劇場版『THE END OF EVANGELION』(1997-07-19) の Air パートでは、戦略自衛隊による NERV 本部襲撃の中、地下湖に沈められたエヴァ弐号機のエントリープラグでアスカが目を覚まし、コア内の 母・惣流キョウコの魂 の存在に気づいて覚醒する。覚醒した弐号機は地上に浮上し、戦略自衛隊の歩兵・戦車部隊を圧倒した後、空挺投下されたエヴァ量産機9機を相手に1機ずつ撃破していく、シリーズでも屈指の戦闘シークエンスを演じる。しかし最終的に弐号機はエネルギー切れを起こし、量産機が持っていたロンギヌスの槍に酷似した予備の槍(コピー)で頭部を貫かれ、量産機たちに上空で捕食される。補完計画後の「まごころを、君に」パートのラストでは、L.C.L.から最初に物質化したアスカと、目の前にいるシンジとの間で短い対話があり、有名な 「気持ち悪い」 の台詞でフィルムが閉じられる。

新劇場版での主な差分 — 破での三号機事件 / Q の左目眼帯 / シン・エヴァ

新劇場版4部作のアスカ(式波)は、旧版とは大きく異なる物語が与えられている。『破』(2009-06-27) ではエヴァ2号機との同調率を上げる第3新東京市での生活を経て、第9使徒戦の直前にエヴァ三号機の起動実験のパイロットに選ばれる(旧版ではトウジが選ばれていた配役の入れ替え)。実験中に三号機がバルディエル(第9使徒の同等個体)に寄生され、ダミーシステムで起動した初号機に三号機ごと撃破される。本人は隔離処置を受け、以降の物語からいったん退場する。『Q』(2012-11-17) の14年後世界では、左目に眼帯(意匠としては赤色のアイカバー) を装着した姿で、WILLE の AAA ヴンダー乗組員・ユーロ空軍大尉 として再登場し、改2号機を駆る。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021-03-08) では第3村パートでケンスケと暮らしながら、シンジとの過去の関係に区切りをつける場面が置かれ、後半はマイナス宇宙の決戦でエヴァ改2号機の第4形態までの変形を見せる。新劇では「シキナミシリーズのクローンの一個体である」ことが終盤に明示され、自身のアイデンティティの再定義が物語の主要な軸の一つになっている。

関係性 — シンジ / レイ / ミサト / カヲル / ケンスケ

アスカの物語は、碇シンジ (CV: 緒方恵美) との対立と接近、綾波レイ (CV: 林原めぐみ) との対比、保護者である 葛城ミサト (CV: 三石琴乃) との同居生活、を主要な関係軸とする。旧シリーズではミサトの恋人 加持リョウジ (CV: 山寺宏一) に父性的な憧れを抱く描写が大きな比重を占めるが、新劇場版ではこの設定は削除されている。渚カヲル (CV: 石田彰) との直接的な接点はシリーズを通じて少ないが、新劇 Q 以降では「シンジを介した間接的なライバル」として機能する。新劇『シン・エヴァ』第3村パートでは、旧友 相田ケンスケ (CV: 岩永哲哉) との関係が再構築され、アスカが大人になった旧友と暮らす姿が描かれる。

名場面と象徴 — 「アンタ、バカ?」/ 量産機戦 / 「気持ち悪い」/ シン・エヴァ第3村

アスカに紐づく象徴的な台詞・場面は多い。「アンタ、バカ?」 はシリーズを通じてアスカを象徴するフレーズの一つ。TV第九話「瞬間、心、重ねて」 のシンジとのシンクロ訓練、第拾話の溶岩使徒戦、第拾参話の MAGI 戦などコミカル寄りの中盤エピソードはアスカの存在感が物語の明度を上げる。旧劇 EoE の 量産機9機との単独戦闘 は、後年のアニメ業界においても繰り返し参照されるシリーズ屈指のアクションシークエンス。続く 「気持ち悪い」 はラストカットの台詞として現在もシリーズ全体の代表的な象徴となっている。新劇 Q の 左目眼帯 のビジュアル、シン・エヴァ第3村でのケンスケとの生活、改2号機第4形態の変形シーンは新劇場版独自の象徴として記憶される。

担当声優 — 宮村優子 (全シリーズ通じて担当)

アスカ役は1995年のTVシリーズから2021年のシン・エヴァまで、旧シリーズ(惣流)・新劇場版(式波) 双方を通して 宮村優子 が一貫して担当している。アスカはセカンドチルドレンとしての英語・ドイツ語混じりの台詞、母をめぐる心理崩壊シーン、量産機戦の長尺戦闘、新劇場版の14年後世界でのキャラの変化など、声優としての要求水準が非常に高い役だが、3シリーズ通じての完全一人配役で完結している点でもシリーズの代表的なキャスト事例の一つとなっている。真希波・マリ・イラストリアス (新劇場版のみ登場、CV: 坂本真綾) はアスカとは別キャラクターであり、両者の役を混同する誤情報がしばしば見られるが、アスカ役は宮村優子で一貫している。

出演作品 — 第八話以降のシリーズ全作品

アスカが登場するのは、TVシリーズ第八話以降と旧劇場版2作、新劇場版『破』以降の作品である(『序』には未登場)。詳細は各作品ページを参照。

関連キャラクター

アスカの物語を理解する上で欠かせない他チルドレン2人へのリンク。

  • 碇シンジ — サードチルドレン、初号機専属。
  • 綾波レイ — ファーストチルドレン、零号機専属。

葛城ミサト・加持リョウジ・真希波マリ(新劇のみ)・鈴原トウジ・相田ケンスケ ほか主要キャラは 人物一覧ハブ から順次拡充する。

本ページの主な参考資料

本ページに記載した事実は、以下の一次情報および信頼性の高い二次情報を WebSearch / WebFetch で参照して記述している。記述の現状は2026年5月時点。

追加参照: ja.wikipedia「惣流・アスカ・ラングレー」(旧プロフィール / TV第八話以降 / 第15使徒アラエル戦 / 旧劇量産機戦) / ja.wikipedia「式波・アスカ・ラングレー」(新劇プロフィール / シキナミシリーズ / 三号機事件配役入れ替え / Q 左目眼帯 / 改2号機 第4形態) / ja.wikipedia「新世紀エヴァンゲリオン」 / ja.wikipedia「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(三号機事件) / ja.wikipedia「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(第3村 / 改2号機第4形態) / 宮村優子 公式 / evangelion.jp 公式 / khara.co.jp 公式。