『魔法少女まどか☆マギカ』の劇場版は、TVシリーズを再構成した[前編][後編]と、その後を描く完全新作『叛逆の物語』『ワルプルギスの廻天』に分かれる。公開順、物語上の位置、初見で必要な前提、配信や上映を調べる際の注意を整理し、どの映画から見ればよいかを案内する。
劇場版は四作品ある
劇場公開された本編系列は、[前編]始まりの物語、[後編]永遠の物語、[新編]叛逆の物語、〈ワルプルギスの廻天〉の四作品である。前二作と後二作では役割が違う。
[前編]と[後編]はTV全12話を二本へ再編集した総集編で、結末の先を描く続編ではない。映像、音楽、台詞の配置には劇場版独自の変更がある。
『叛逆の物語』はTV版または総集編後編の後を描く完全新作で、『ワルプルギスの廻天』はその正統な続編である。公開年だけでなく物語上の接続を確認したい。
公開順の一覧
[前編]始まりの物語は2012年10月6日、[後編]永遠の物語は同年10月13日に公開された。一週間差で上映され、二本を合わせてTV版の主要な流れをたどる。
[新編]叛逆の物語は2013年10月26日に公開された。総集編の続きとして制作されたため、初見でいきなり選ぶと人物の願いと世界改変を理解しにくい。
![[前編]で描かれる契約と戦いの場面](/madoka/assets/scenes/movies/beginnings/scene-12.webp)
〈ワルプルギスの廻天〉は2026年8月28日公開。『叛逆の物語』終盤でほむらが作り替えた世界を出発点にするため、前三作の理解が前提になる。
初見で映画だけを見る順番
映画だけで追うなら、[前編]、[後編]、『叛逆の物語』、『ワルプルギスの廻天』の公開順が基本である。情報が明かされる順序を崩さずに進められる。
[前編]と[後編]の間を飛ばしても、一つの総集編を途中で切った状態になる。後編は独立した続編ではなく、さやかの魔女化以後から最終話までを中心に再構成する。
TVシリーズを見終えている場合、前後編は必須ではない。復習を優先するなら前後編、早く新しい物語へ進みたいなら『叛逆の物語』からでよい。
TV版と前後編の違い
総集編は出来事を短く並べただけではない。変身場面、背景、表情、音響が修正され、劇場の画面と音響へ合わせた再構成が行われた。
![[後編]永遠の物語の作中場面](/madoka/assets/scenes/movies/eternal/scene-01.webp)
一方、尺の都合で学校生活や家族との会話などが短くなる。人物の日常を細かく理解したい場合、TV版全12話の方が情報を追いやすい。
どちらが正史かを二者択一で決める必要はない。物語の骨格は共有しつつ、場面の長さと演出が異なる二つの提示形式として比較する。
[前編]始まりの物語
[前編]は、鹿目まどかが暁美ほむらとキュゥべえに出会い、巴マミの戦いを目撃し、美樹さやかが契約へ進むまでを中心に描く。
希望に見えた契約が次第に別の意味を帯びる過程が主題である。前編だけでは契約の全貌も、ほむらがまどかを止める理由も解決しない。
新規主題歌『ルミナス』、マミのキャラクターソング『未来』など、劇場版で追加された音楽が人物の印象を変える。
[後編]永遠の物語
[後編]は、さやかの絶望、佐倉杏子との関係、ほむらが繰り返した時間軸、ワルプルギスの夜、まどかの最後の願いまでを描く。
![[後編]で描かれる時間遡行と最終決戦の場面](/madoka/assets/scenes/movies/eternal/scene-18.webp)
TV版第10話に相当するほむらの過去が、現在の時間軸の意味を反転させる。前編で冷たく見えた警告を、反復の記憶から読み直せる。
結末では円環の理が成立し、魔女が生まれる前に救済される世界へ変わる。この新しい法則が『叛逆の物語』の前提になる。
[新編]叛逆の物語
『叛逆の物語』は、五人の魔法少女がナイトメアと戦う穏やかな見滝原から始まる。しかし、そこには本来成立しない人物関係と記憶が含まれている。
ほむらは違和感を追い、世界が自分のソウルジェム内に作られた結界だと知る。インキュベーターは円環の理を観測し、支配しようとしていた。
終盤、ほむらは救済に来たまどかを円環の理から引き離し、世界を再び改変する。悪魔ほむらの誕生が次作の出発点になる。
![[新編]叛逆の物語の結界世界に関わる場面](/madoka/assets/scenes/movies/rebellion/scene-01.webp)
〈ワルプルギスの廻天〉
『ワルプルギスの廻天』は、『叛逆の物語』の正統な続編である。悪魔ほむらが君臨する世界で、魔獣狩りと新たな異常が起こる。
公式あらすじでは、願いを叶えるというトカゲさん電話、ソウルジェムを持たない少女、名塚底根、円環の理を求める二人の魔法少女が示される。
公開前の予告映像から結末を断定してはならない。記事では公式が明示した人物・場所・出来事と、映像からの推測を分けて扱う。
総集編と完全新作の見分け方
題名の[前編][後編]はTV版再構成、[新編]は完全新作という区別を示す。『劇場版』という語だけでは続編か総集編か判断できない。
配信サービスの商品ページでは四作品が同じ一覧に並ぶことがある。説明文に『再構成』『完全新作』『正統な続編』のどれが書かれているか確認する。
上映時間や制作年が近くても、人物が持つ記憶と世界の法則は作品ごとに違う。鑑賞前に順番を決め、途中で別作品へ飛ばない方が理解しやすい。
![[新編]終盤の五人共闘に関わる場面](/madoka/assets/scenes/movies/rebellion/scene-21.webp)
配信・円盤を探す時の注意
配信は見放題、個別購入、期間限定の三形態があり、TV版だけ見放題で映画は別料金という場合もある。作品名ごとに当日の提供状況を確認する。
円盤には単品、前後編セット、Blu-ray BOX、4K Ultra HD Blu-rayなど複数の版がある。収録作品、映像特典、再生機器の条件を比べる。
検索結果の古い配信一覧は提供終了後も残る。リンクが開くことと視聴権が含まれることを分け、契約直前に公式サービス画面を見る。
リバイバル上映の調べ方
過去作は新作公開や周年企画に合わせて再上映されることがある。全国一律とは限らず、劇場、日程、上映形式が企画ごとに変わる。
作品公式サイトのニュース、上映館一覧、各映画館のスケジュールを照合する。特別上映では通常の鑑賞券や割引が使えない場合もある。

予告編付き、舞台挨拶中継、応援上映、IMAXなど、同じ作品でも上映条件が異なる。日時だけでなく形式と注意事項まで確認する。
来場者特典と前売券
来場者特典は配布開始日、対象上映、数量、受取条件が定められる。週替わりの場合、前週の特典が残っていても同時にもらえるとは限らない。
ムビチケや前売券の特典は、映画館でもらう来場者特典とは別である。購入場所ごとの絵柄や付属品、座席予約への利用条件を確認する。
特典目当ての情報は更新が速い。記事の一覧を最終判断にせず、公式の販売・配布ページと利用する劇場の告知を優先する。
ネタバレを避ける入口
初見では『叛逆の物語』や『ワルプルギスの廻天』の人物紹介だけでも、TV版最終話の結果が分かる。まず前後編またはTV版を完走するのが安全である。
画像検索は魔女化後の姿や世界改変後の人物を直接表示する。上映時間や配信先だけを知りたい場合、ネタバレなしの鑑賞ガイドを使う。

視聴後は各作品記事へ進み、人物、魔女、用語の内部リンクから疑問を解く。一本の長いあらすじより、論点ごとの記事の方が確認しやすい。
劇場版一覧の要点
映画系列は四作品で、前後編がTV版の再構成、『叛逆の物語』と『ワルプルギスの廻天』が完全新作の連続した物語である。
初見は公開順が基本だが、TV版全12話を見ていれば前後編を省略できる。映像・音楽の違いを楽しみたい場合は前後編にも独自の価値がある。
配信、上映館、特典は変動するため、作品の解説と現行情報を分ける。固定の作品一覧を土台に、現在の上映案内を別記事で更新する。
映画ごとの中心人物
前後編はまどかとほむらだけでなく、マミ、さやか、杏子の願いと喪失を順に積み上げる。後の完全新作で五人が揃う意味は、この不成立だった関係を知ってこそ分かる。

『叛逆の物語』はほむらを観察者から結界の当事者へ移し、百江なぎさを加える。誰の視点で異常が見つかるかを追うと、謎解きと人物劇を分けずに読める。
『ワルプルギスの廻天』では公式あらすじに複数の新要素が出る。既存人物の別衣装だけを根拠に、同一人物か別存在かを公開前に決めない。
映画版の音響と画面
劇場版は大画面へ合わせて背景情報が増え、武器音、環境音、音楽の位置も再設計される。家庭視聴では字幕や一時停止が使える一方、音の広がりは上映設備で変わる。
同じ場面を比較する時は、TV放送版、Blu-ray修正版、劇場版を区別する。違うフレームをすぐ作画ミスや設定変更とせず、編集目的を確認したい。
4K版や再上映では素材と上映機器の条件が異なる。解像度の数字だけでなく、色、音声形式、字幕、特典映像の有無を商品仕様から読む。
上映時間を使った計画
前後編を連続で見る場合は二本分の上映に休憩と移動を加える。映画館の連続上映企画でも、途中退出や再入場の規則を確認する必要がある。

TV全12話を一気に見る方法と前後編では、総所要時間だけでなく情報密度が違う。初見で疲労が強いと人物の選択を追いにくいため、区切ってもよい。
新作直前の復習では、最終話と『叛逆の物語』を優先し、円環の理と悪魔ほむらの成立を確認する。時間があれば第10話から反復の経緯をたどる。
パンフレットと公式資料
映画パンフレットはスタッフ・キャストの発言、美術、楽曲、物語の説明を補う。通常版と特別版がある場合、収録内容と販売場所を確認する。
公開時のインタビューは、上映前の宣伝と上映後のネタバレ解説で話せる範囲が違う。発言日と媒体を残し、後の発言で前の意図を上書きしない。
記事の考察は公式資料の要約だけで終えず、画面で確認できる事実、制作者の説明、筆者の解釈を分ける。読者が再検証できる順序にする。
![劇場版[前編]から始まる映画シリーズの作中場面](/madoka/assets/scenes/movies/beginnings/scene-01.webp)