アベンジャーズの『ブリップ』直後、修学旅行でヨーロッパへ向かったピーター・パーカーは、亡きトニー・スタークの影と、初めて自分一人で背負う大人の選択に直面する——MCUフェーズ3の幕引きを担う、青春映画と継承譚の二重奏。

基本データ 2019年・ジョン・ワッツ監督

マーベル・スタジオ/コロンビア・ピクチャーズ/パスカル・ピクチャーズ共同製作、ソニー配給。『スパイダーマン:ホームカミング』に続いてジョン・ワッツが続投。クリス・マッケナとエリック・ソマーズが脚本を続投。129分の青春映画とミステリーの二段構え。日本では本国より早い2019年6月28日に先行公開され、米国では7月2日のIMAX先行を経て劇場拡大公開された。

物語上の位置 『エンドゲーム』直後、インフィニティ・サーガの幕引き

サノスの指パッチンで五年消えていた人々が突如戻った『ブリップ』のあと、トニー・スターク不在の世界で物語が進行する。MCUフェーズ3の最終劇場作品にして、インフィニティ・サーガ22作の正式な締めくくり。物語内時系列ではブリップ復活から約8か月後の夏休み、ピーター・パーカーが高校の修学旅行でヴェネツィア、プラハ、ベルリン、ロンドンを回る。

受賞・評価 ソニー映画初の世界興収10億ドル突破

全世界興収約11.32億ドルは2019年の北米外興収トップクラス、ソニー・ピクチャーズ配給作品として史上初の10億ドル超えを達成。批評ではジェイク・ギレンホールのミステリオ造形、BARF系のホログラム錯視を一本分の見せ場に拡張した発想、ジョン・ワッツの青春映画の呼吸が広く称賛された。MTVムービー&TVアワード、サターン賞などで複数ノミネートを得ている。

この記事の範囲 結末・ミッド/ポストクレジットを含む完全解説

ヴェネツィアの水のエレメンタル襲撃、プラハの火の精霊、E.D.I.T.H.の継承、ベックがスターク社元社員の集団であった真相、ベルリン列車の幻覚、ロンドン橋上のドローン総攻撃、J・ジョナ・ジェイムソンによる正体バレ、フューリーとマリア・ヒルがスクラル人タロスとソレンの変装だった事実まで、本記事はすべてのネタバレを前提に解説する。

目次 34項目 開く

概要

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(Spider-Man: Far From Home)は、ジョン・ワッツが監督し、クリス・マッケナとエリック・ソマーズが脚本を執筆したアメリカのスーパーヒーロー映画である。マーベル・スタジオ/コロンビア・ピクチャーズ/パスカル・ピクチャーズの共同製作、ソニー・ピクチャーズ配給。日本では2019年6月28日、米国では7月2日に公開され、MCU通算第23作にして、インフィニティ・サーガ22作の正式な締めくくりとなった。

前作『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)の直接の続編であり、トム・ホランド演じるピーター・パーカーがメインの主役を務める二作目。『エンドゲーム』でアイアンマン/トニー・スタークが命を落とした直後の世界で、若いピーターが「次のアイアンマンは誰か」という重荷を一人で抱え込んでいく構造になっている。前作の青春映画らしいトーンを保ったまま、本作はその上に巨大なミステリーの皮を被せ、ヒーローのアイデンティティと、メディア時代の真実の脆さを同時に主題化している。

監督のジョン・ワッツは、低予算インディ作『コップ・カー』(2015)でジョン・ファヴロー、ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカルの目に止まり、『ホームカミング』へ抜擢された監督である。彼自身ニューヨーク郊外の少年時代に育った人物で、ハイスクール三部作の語り口を、80年代ジョン・ヒューズ風の青春映画と、現代の超大作の予算の両方で書き直す手腕を持つ。本作では、その郊外青春映画の文法を、ヨーロッパの修学旅行という移動劇に乗せ、ヒーローの『家から遠く離れた場所(Far From Home)』というタイトルそのものに、感情の中核を置いている。

本記事は、本編の結末、ミステリオ/クエンティン・ベックの正体、E.D.I.T.H.の継承、ミッドクレジット・シーン(J・ジョナ・ジェイムソンによるピーターの正体バレ)、ポストクレジット・シーン(ニック・フューリーがスクラル人タロスの変装だった事実)まで含むネタバレを前提に書かれている。物語の驚きを保ちたい読者は、本編を一度通して観たうえで戻ってきてほしい。

原題
Spider-Man: Far From Home
監督
ジョン・ワッツ
脚本
クリス・マッケナ/エリック・ソマーズ
原作
マーベル・コミックのスパイダーマン(スタン・リー/スティーヴ・ディッコ)
音楽
マイケル・ジアッキーノ
米国公開
2019年7月2日
日本公開
2019年6月28日
上映時間
129分
ジャンル
スーパーヒーロー、青春映画、ミステリー、ロード・ムービー

あらすじ

以下は結末とミッド/ポストクレジット・シーンを含む全編のあらすじである。物語は、亡きトニー・スタークの追悼上映で始まり、修学旅行でヨーロッパへ向かったピーター・パーカーが、ニック・フューリーから引き渡された「次のアイアンマンの後継候補」という重荷と、ガラスの向こうから笑いかけてくるクエンティン・ベックの嘘の両方を、いつまで信じ続けてしまうのかを描いていく。

プロローグ——追悼の動画と、ピーターのヨーロッパ旅行計画

本編は、ミッドタウン高校の生徒会主催の追悼映像で幕を開ける。クラスメイトのベティ・ブラントとジェイソン・アイオネロが、亡くなったトニー・スターク、ナターシャ・ロマノフ、スティーブ・ロジャース、ヴィジョンの写真を音楽つきの素人モンタージュにまとめ、低品質スピーカーから流れるホイットニー・ヒューストン『I Will Always Love You』に乗せて学校全体へ流す。観客はこの数分で、世界が『エンドゲーム』を経た直後の温度——悲しみと笑いの距離が異常に近い時期——にいることを確認する。

教室では、サノスの指パッチン(『ブリップ』)で五年消えていた生徒たちが、当時の年齢のまま戻ってきた現実が淡々と語られる。ピーターは『ブリップ』で消えた側で、復活後も依然16歳のまま、5年成長した同級生たちと「同じクラス」に並ぶことになっている。授業の世界史教師ミスター・デルと、科学教師ミスター・ハリントンが、生徒たちを夏のヨーロッパ修学旅行へ引率する。行先はヴェネツィア、プラハ、ベルリン、パリ、ロンドンの五都市。

ピーターには明確な裏目的がある。第一に、トニー・スタークの不在による『次のアイアンマンは誰か』という世界の問いから、一度だけでも逃げたい。第二に、片想いのクラスメイト「MJ」ことミシェル・ジョーンズに、ヴェネツィアのムラーノガラスの黒いダリア風ネックレスを買って、エッフェル塔の上で気持ちを伝えたい。彼はメイ叔母さんに見送られながら、空港のセキュリティで自分のスパイダースーツ(赤と黒のアイアン・スパイダー版)を見られそうになって慌てる。スーツケースに入っていたのはアンソニー・スターク財団からの遺品の小箱で、その正体はラストで明かされる。

ヴェネツィア──水のエレメンタルとミステリオの登場

舞台はヴェネツィアへ移る。観光船で運河を流すクラスメイトたち、橋の上で写真を撮るMJ、ガラス工房で土産物を選ぶピーター。彼はムラーノガラスのネックレスを買い、自分のクレジットカードを通すが、ブラッド・デイヴィスがMJに別の店で同じ系統の物を渡してしまう小さな先制をくらう。ピーターの『遠く離れた場所』は、最初から少しずつ思い通りにならない。

夜、運河の水面が急に渦を巻き、人型の水の巨人——通称『ハイドロマン』ことザ・ウォーター・エレメンタル——が街を破壊し始める。ピーターはネクタイ姿のままで群衆を逃がそうとするが、スーツを持ち合わせていない。そこへ、緑のマントとフィッシュボウル型のヘルメットを被った男が、両腕から緑のエネルギーを放って水の巨人を退けていく。男は群衆と観光客の写真に応える間もなく姿を消す。フェイクニュースのカメラはすかさず彼を『ミステリオ』と命名する。

翌朝、ホテルに戻ったピーターの部屋に、ニック・フューリーが堂々と忍び込んで待っている。「君は応答電話に出なかった」と彼は言い、ピーターをエージェント・マリア・ヒルとともに、ヨーロッパの極秘現場へ無理矢理連行する。そこにはあのフィッシュボウル男——クエンティン・ベック——がいた。彼は自分を『地球-833』からの避難者と名乗り、自分の世界は四つのエレメンタル(水・火・地・風)の悪魔に滅ぼされたと語る。彼は今、この『地球-616』でその四体の追跡を続けている。フューリーは「これがアベンジャーズ・コール後の地球の現実だ。君はこの任務に必要だ」とピーターに告げる。

E.D.I.T.H.の継承──「あれは私のもの、君のもの」

ピーターは、空港でメイから渡された遺品の小箱を、移動の合間に開ける。中には黒いレイバン風のサングラスが入っており、内側に『FROM TONY』と刻まれている。掛けると、声が応答する——『E.D.I.T.H.:Even Dead, I'm The Hero(俺が死んでも、俺はヒーローだ)』。スターク社のあらゆるデータベース、衛星、攻撃ドローン群、各種防衛装備への管理者アクセスを、ピーターは一人で受け取ったことが明かされる。トニーは遺言で、ピーターを次のアイアンマンの『後継者』ではなく『管理者』として指名していた。

ピーターの最初の試行は、彼自身の青春の延長線上で起きる。同行のブラッド・デイヴィスが、自分とMJの自撮りを別件で撮影していたところを誤解したピーターは、E.D.I.T.H.に向かって『彼を排除しろ』と命じてしまう。直後にスターク・ドローンが上空からブラッドの乗るバスを実弾でロックオンしかける。ピーターは慌ててコマンドを取り消し、寸前でドローンを停止させる。「自分の感情で殺人指令が出せる」管理者権限の重さが、本作の倫理の中心としてここで提示される。

プラハに移ったピーターは、ホテルの一室でクエンティン・ベックと打ち解け、酒場の片隅で『あなたこそ次のアイアンマンになるべきだ』と言ってE.D.I.T.H.のサングラスを彼の前に押し出す。ベックは儀礼的にためらい、深いまなざしで受け取り、サングラスを掛ける。「君は正しい選択をしたよ、ピーター」。観客はこのカットの瞬間に違和感を覚えるが、ピーター自身は安堵してホテルへ戻る。

プラハ──火のエレメンタルと祭りの広場

プラハの夜の旧市街広場では『カーニバル・オブ・ライト(ライト・フェスティバル)』が開かれている。クラスメイトたちは観覧車に乗り、MJとピーターは少しだけ二人きりで広場を歩く。直後、近くの教会の鐘が突如鳴り、観覧車の支柱が炎上し、巨大な火の人型——ザ・ファイアー・エレメンタル——が広場で立ち上がる。観覧車のゴンドラの中にはクラスメイトのネッドとベティが取り残される。

ピーターは黒いステルス・スーツ——フューリーとマリア・ヒルが用意した暗色のスパイダースーツで、市販される際は『ナイト・モンキー』とMJに呼ばれることになる——に着替え、観覧車を支える。地上ではミステリオが緑のエネルギーで火の巨人と対峙する。最終的に、ピーターは観覧車のゴンドラを地面へ降ろし、ミステリオは火の巨人の核を体内へ取り込んで爆散させ、街を救う。観衆と各国の報道カメラの前で、ミステリオはヨーロッパ全域の新しいヒーローとして賛美される。

祭りの後、酒場でピーターはミステリオに『ホーム』の話をする。「僕はもう英雄じゃなくていい。MJと過ごす夏が欲しいだけだ」。ベックは深くうなずき、E.D.I.T.H.の所有権がもう自分にあることを確認したあとで、心の底からピーターに微笑む。

MJの発見と、嘘の崩壊

プラハの翌朝、MJはピーターを呼び出す。彼女はカーニバルの広場で『火の巨人』が一瞬欠けていた点と、近くの噴水の壁の一角に小さな金属片が落ちていたのを拾っていた。それはホログラフィック・プロジェクターのカケラだった。「あなたが地味に何かしているのは知っている」「あなたがスパイダーマンであることも」と彼女はあっさり告げる。ピーターは凍りつくが、彼女が持ってきた金属片を起動した瞬間、目の前で火のエレメンタルが小さな立体ホログラムとして再生される。

それは火ではなかった。実在の悪魔でもなかった。BARFと呼ばれる、トニー・スタークの旧研究施設で開発された、立体ホログラフィック・イリュージョン装置——『Binarily Augmented Retro-Framing』——の進化系だった。クエンティン・ベックは『別の世界の英雄』ではなく、地球-616のスターク社の元従業員だった。

ピーターはMJをホテルに残し、ベルリンへ向かう列車にステルス・スーツで飛び乗る。E.D.I.T.H.を取り戻すために、彼は単身、ベックの拠点へ忍び込む決意を固める。MJの『あなたがスパイダーマンなのは知っている』という告白は、ロード・ムービーの第一章の終わりを告げる雷の一閃として置かれている。

クエンティン・ベックの本性──イリュージョンの設計者たち

ベルリン郊外のスターク社の旧倉庫。ピーターが忍び込んだ先で目にしたのは、ベックの『チーム』だった。スターク社元主任ホログラフィック・エンジニアのウィリアム・ギンター・リヴァ(『アイアンマン』(2008)でトニーにスーツの設計を急かされ、罵倒されたあと、オバディア・ステインに移籍した後に再びクビになったあの男)、ヴィクトリア・スノウ、ガターズ、ジェイニス・リンカーンら、それぞれがトニー・スタークに事業的・人格的に踏みつけられたと感じている技術者・科学者たちの集団である。

ベックは、トニー・スタークがクリスマス・パーティで自分のホログラム研究『BARF』を『悲しい娘との和解ホロ』としてからかったあと、彼の名誉を奪ったと信じている。彼は自分のチームを率いてホログラフィック・プロジェクターと武装ドローン群を組み合わせ、観衆と各国メディアの前で『新しいヒーロー』を演出することで、E.D.I.T.H.の管理者権限ごと、トニーが死後に空白にした『地球の守護者』の椅子を奪うことを企てていた。

ベックの過去のフィルムに録画された彼自身の独白は、本作で最も冷たい数分になる。エレメンタルズはすべて彼のチームが書いたCGの脚本通りに動いていた。ヴェネツィアの水も、プラハの火も、これから起こす『四体目』も、すべて彼が一人で書いた『脚本』である。「人々は、見たいものを信じるんだ」と彼は笑う。「だから演出が要る。だから、誰よりも派手な、最後の悪役が要る」。

ピーターは陰の柱の影で正体を見破ったベックに気づかれ、E.D.I.T.H.に『部外者を排除しろ』と命じられて、ベルリンの線路上で列車のホログラム群に襲われる。スパイダー・センス(劇中で『ピーター・ティングル』と呼ばれる)を一度信じ切れないまま、彼はホログラムの嘘の中で本物の列車に突っ込まれ、ベルリン郊外で気絶する。

ベルリンの夜——ハッピーの再会、新スーツの自作

意識を取り戻したピーターは、ヨーロッパの地方の留置所で目を覚ます。看守は彼を不法侵入者として処理しかけている。彼はその場でメイ叔母さんに国際電話を掛け、メイは『何かあったらこの人に電話を』と書いておいた連絡先——ハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)に電話を回す。

数時間後、スターク・ジェットが屋上の鉄塔ぎりぎりに着陸し、ハッピー・ホーガンが扉を開けて立つ。「乗りな、キッド」。スターク・ジェットの長距離飛行のあいだ、ピーターはハッピーの胸を借りて泣く。ハッピーは『俺はトニーじゃない。だがな、あいつが正しかったことは知ってる。お前を選んだのは、お前が考えるからだ』とだけ告げる。

ジェットの設計ラボで、ピーターは自前の赤と黒のスパイダースーツを、頭から尻尾までゼロから組み直す。スターク社のナノファブリケーション・ベンチで、彼は腕のウェブ・シューターをアップグレードし、肩の電子ロジック、頭部の眼鏡型インターフェイス、ベルトのE.D.I.T.H.復元ポートを統合する。観客は本作で初めて、ピーターが他人の遺品(アイアン・スパイダー)でも、外注の量産品(ナイト・モンキー)でもなく、自分の頭と手でスーツを書く青年として描かれる。LED OSの『AC/DC「Back in Black」』の歌詞は、本作のこの十数分のためにライセンス契約された伝説的な選曲である。

ロンドン橋上——四体目のエレメンタルとドローン総攻撃

ロンドンへ着いたピーターは、タワーブリッジ周辺で、ベックが自分のために書いた『四体目の合成エレメンタル』と、E.D.I.T.H.経由の数百機のスターク・ドローン軍団に直面する。広場には観光バスから降りた修学旅行のクラスメイトたち——MJ、ネッド、ベティ、フラッシュ、ブラッド、ミスター・ハリントン、ミスター・デル——が逃げる場所もなく取り残されている。ベックはこの場所で『最後のヒーロー像』を完成させるつもりだった。観客の眼の前で、ミステリオが街を救い、悪夢の主役は息子の世代へ受け渡される——彼の脚本では、ピーターは最後に流れ弾に当たって死ぬはずだった。

ピーターは橋の中央に立ち、初めて自分のスパイダー・センスを真正面から信じる。彼は目を閉じ、ホログラムの全方向の嘘の中から、敵の本体の位置だけを身体の感覚で拾う。ドローンの本体、ベックの実体、隠された遠隔投影機、すべてを首から下の感覚一本で見抜き、ウェブ・シューターで一機ずつ落としていく。MJとネッドはタワーブリッジの管制室にこもり、ネッドのガールフレンドのベティとともに、E.D.I.T.H.のサングラスをE.D.I.T.H.本体から物理的に剥がす作業に協力する。

ベックの最後のホログラム——『俺を撃つな、俺はヒーローだ、君は混乱しているだけだ』——を、ピーターは『嘘だ』と即答する。彼はサングラスを腕に戻し、E.D.I.T.H.に『全機帰投』を命じる。ベック自身の指令で動いていたドローン群が、最後の混戦のなか自分の主に対して誤射し、彼は自分の罠で撃たれる。倒れたベックは、虚像の薄い笑みのまま死ぬ。「彼の最後のホログラムは、まだ動いているぞ、気をつけろ」とハッピーがピーターに告げる。ピーターはベックの死体の手から、最後に録画された一本の動画素材を抜き取り、すべての装備をE.D.I.T.H.に回収させる。

戦いの直後、ピーターはMJをロンドンの空中ウェブスイングへ連れ出す。「ガラスのネックレスは、ヴェネツィアの段階で完璧に砕けてしまっていた」と彼は謝るが、MJはコートのポケットからガラスの破片を一つ取り出し、銀の針金で縫いつけた手作りのチャームを彼の手に握らせる。「私は黒いダリアより、ばらばらの破片の方が好き」。観衆は、エッフェル塔ではなくロンドンの夜空の下で、ピーターの初めての本物の告白を見届ける。

ミッド/ポストクレジット──正体バレと、フューリーの正体

ミッドクレジット・シーン。ニューヨークのタイムズ・スクエア。ピーターとMJが空中をウェブスイングするデートのさなか、ビル全面の巨大スクリーンが突然乗っ取られる。映るのは『TheDailyBugle.net』のJ・ジョナ・ジェイムソン(J・K・シモンズ、2002年版『スパイダーマン』からの再演)だ。彼は『これは私の独自取材だ』と前置きしたうえで、ベックがロンドンで死ぬ直前に録画していた偽造ドキュメンタリーを流す。映像のなかでベックは、自分の血で塗られた手でカメラを見つめ、『ロンドンの破壊はスパイダーマンが指揮した』と語り、最後の一秒で『そして彼の正体は——ピーター・パーカーだ』と告げる。

MJの手の中で、ピーターは数秒間、何の声も出さない。タイムズ・スクエアの群衆が彼を一斉に見上げる。フェーズ3の幕引きは、ヒーローの勝利ではなく、ヒーローのプライバシーが世界の真ん中で剥ぎ取られる瞬間として置かれている。次作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)の物語上の出発点は、この一カットからはじまる。

ポストクレジット・シーン。ニューヨークの黒いSUVのなかで、ニック・フューリーとマリア・ヒルが手を振り合い、フューリーは部下にむかって正体を解く。緑色の肌、長い顎、丸い耳——スクラル人タロス(『キャプテン・マーベル』のスクラル避難民のリーダー、ベン・メンデルソーン)と、その妻ソレン(シャーリー・ヘンダーソン)である。ふたりはこの一作のあいだじゅう、本物のフューリーとヒルの代役を務めていた。場面は宇宙へ切り替わる。膨大な宇宙船の指令橋で、本物のニック・フューリーが、複数のスクラル避難民の長と共に、銀河規模の別の任務に従事していたことが明かされる。観客は、本作で見ていた『フューリー』のほぼ全カットが代役だった事実と、その後の『シークレット・インベージョン』(2023)へ連なる伏線の双方を、最後の十数秒で受け取ることになる。

登場要素

本作は青春映画と国際スパイ・ミステリーの二重構造を取り、舞台はニューヨーク・ヴェネツィア・プラハ・ベルリン・ロンドンの五都市を跨ぐ。以下、主要な人物・場所・道具・組織を整理する。

主要人物

  • ピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド)
  • MJ/ミシェル・ジョーンズ(ゼンデイヤ)
  • ネッド・リーズ(ジェイコブ・バタロン)
  • ベティ・ブラント(アンガリー・ライス)
  • フラッシュ・トンプソン(トニー・レヴォロリ)
  • ブラッド・デイヴィス(レミー・ヒー)
  • ミスター・ハリントン(マーティン・スター)
  • ミスター・デル(J・B・スムーヴ)
  • メイ・パーカー(マリサ・トメイ)
  • ハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)

ヴィラン

  • クエンティン・ベック/ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)
  • ウィリアム・ギンター・リヴァ(ピーター・ビリングスリー、『アイアンマン』からの再登場)
  • ヴィクトリア・スノウ/ゲーマー
  • ガターズ(イラスティック・カウンセラー)
  • ジェイニス・リンカーン
  • ベックのホログラフィック・チーム
  • スターク・ドローン群(E.D.I.T.H.経由)
  • (虚像)水・火・地・風の四大エレメンタル

サポート

  • ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン/実体はスクラル人タロス)
  • マリア・ヒル(コビー・スマルダーズ/実体はスクラル人ソレン)
  • ディミトリ・スマーディアコフ運転手(ヌマーン・アジャール)
  • クラスメイトのエキストラ群
  • ヨーロッパ各国の警察と報道
  • J・ジョナ・ジェイムソン(ミッドクレジット/J・K・シモンズ)
  • 本物のニック・フューリー(ポストクレジット、宇宙)

組織

  • S.H.I.E.L.D.(言及/表向きの依頼元)
  • スターク・インダストリーズ(解体後の遺産、E.D.I.T.H.の管理元)
  • ベックの旧BARFチーム
  • ミッドタウン理工系高校(修学旅行団)
  • TheDailyBugle.net(ミッドクレジット)
  • スクラル人避難民(ポストクレジット)

場所

  • ニューヨーク(ピーターの自宅とミッドタウン高校)
  • メキシコ・イシュタペック(冒頭、エレメンタル襲撃の偽現場)
  • ヴェネツィア(運河と石橋とムラーノ・ガラス)
  • プラハ(旧市街広場の光祭り)
  • ベルリン郊外(ベックの隠れ家とスターク社旧倉庫)
  • ロンドン(タワーブリッジ最終戦)
  • オランダ郊外(給油着陸・畑の中)
  • 宇宙のスクラル指令艦(ポストクレジット)

アイテム・技術

  • E.D.I.T.H.のサングラス(管理者権限)
  • スターク・ドローン群
  • アイアン・スパイダー・スーツ(赤と金)
  • ナイト・モンキー/ステルス・スーツ(黒)
  • 自作の赤と黒スパイダースーツ(終盤)
  • BARF系ホログラフィック・プロジェクター
  • ホイットニー・ヒューストン『I Will Always Love You』の追悼上映音源
  • MJのガラス片チャーム
  • スターク・ジェット(ハッピー操縦)

能力・概念

  • スパイダー・センス(劇中名『ピーター・ティングル』)
  • ウェブ・スリングとウェブ・シューターの自作改造
  • E.D.I.T.H.の地球規模のターゲティング
  • ベックのホログラム+ドローンによる『嘘の現実』演出
  • BARFの感情情景再現
  • スクラル人の変身能力
  • 『ブリップ』後の人口学的混乱
  • メディア時代のフェイクニュース

ミッド/ポストクレジット要素

  • J・ジョナ・ジェイムソンによる正体バレ
  • ベックの死後録画ビデオ
  • ニック・フューリーがタロスの変装だった事実
  • 本物のフューリーの宇宙任務
  • スクラル人ソレン
  • 次作『ノー・ウェイ・ホーム』への直結

主要登場人物

本作の人物配置は、亡き父代わりトニーの不在、初めての本気の恋、初めての国際任務という三本の重力が、ピーター・パーカー一人の細い肩の上に同時に重なるかたちで組まれている。各人物はそれぞれが、ピーターの『家から遠く離れた場所』での選択の参照点として配置されている。

ピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド)

本作の主人公。15〜16歳の高校生で、ニューヨーク市クイーンズ区在住、ミッドタウン理工系高校2〜3年。前作『ホームカミング』から続けて、超大国の代理戦争めいた事件に巻き込まれた経験を持ちながら、彼の本当の願いは『普通の夏休み』である。彼が修学旅行に持ち込んだのは、戦闘装備のアイアン・スパイダー一着と、メイから預かったトニー・スタークの遺品の小箱だけ。それが本作の旅の起点になる。

ピーターを特徴づけるのは、まだ自分の判断を最後まで信じ切れないことだ。E.D.I.T.H.の管理者権限を一度でも他人へ手渡してしまうのも、ベックの『あなたは普通の少年でいてくれていい』という囁きを信じ切ってしまうのも、彼自身の能力不足ではなく、若さの誠実さの裏返しである。本作の三幕目で、彼はようやくスパイダー・センスを目で見るより先に信じる感覚を取り戻し、自分のスーツを自分の手で書く青年へと変わる。

演じるトム・ホランドは、『ホームカミング』のころから本作までの2〜3年で、本人もピーターと同じく実際に20歳前後の青年へ成長していった。ジョン・ワッツの演出は、彼の身体的な青年性(前作までの少年性が抜けつつある瞬間)を意識的に画面へ拾っており、本作のラストの『首をくいっと回す』狭い動作一つに、その移行が刻まれている。

前作:スパイダーマン:ホームカミング 前提:アベンジャーズ/エンドゲーム(トニーの死) 用語:ブリップ

クエンティン・ベック/ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)

本作の悪役にして、もう一人の主役。スターク・インダストリーズの元社員で、BARF(Binarily Augmented Retro-Framing)の主任ホログラフィック・エンジニアを務めた。1990年代末から2010年代にかけて、トニー・スタークの私財に貢献した数百名のうちの一人でありながら、彼自身は『自分のもっとも繊細な発明が、トニーのクリスマス・パーティで悲しいセラピー玩具と呼ばれた』瞬間に屈辱を覚え、ステインの傘下で再構築を試みたあと、最終的にスターク社から追放される。

彼の動機は単純な復讐ではない。彼は『スターク以後の地球には、誰もが信じられる新しい顔が要る』『その顔の脚本を、誰よりも書く能力を持つのは自分だ』と本気で信じている。彼が掛けるフィッシュボウル・ヘルメットも、彼のフェイクの来歴『地球-833からの避難者』も、彼自身の自尊心の保護装置として読める。彼が脚本通りに最後のヒーロー像を演じ切ろうとした瞬間、皮肉にも、彼の指示で動いていたドローンの一機が、彼自身の幻覚を本物と取り違えて彼を撃ってしまう。

演じるジェイク・ギレンホールは、本作の数年前に『スパイダーマン3』時代の旧プロジェクトでピーター役を演じた経験を持ち、本作のミステリオ役のオファーを最初に断り、その後に脚本の重さと監督との対話を経て受諾している。彼の演技は、悪役の派手な狂気を見せる方向ではなく、信頼できるメンターの顔から、嫉妬と虚栄の素顔へ、表情を一段ずつ降りていく方向で設計されている。彼が酒場でピーターを抱き寄せる場面は、本作で最も冷静にぞっとする数分の一つである。

MJ/ミシェル・ジョーンズ(ゼンデイヤ)

前作『ホームカミング』の終盤で『私のことはMJと呼ばれている』と紹介された、ピーターのクラスメイト。本作で正式にヒロイン格へ昇格する。皮肉屋で、観察者で、絶望や陰謀論のいわれを冗談で話すことができる頭の良い高校生で、ヴェネツィアの橋の上での観察、プラハの広場での金属片の発見、ロンドンのタワーブリッジ管制室での技術的協力——いずれの場面でも、彼女は『助けられる側のヒロイン』ではなく『独立して動く目撃者』として書かれている。

彼女がピーターの正体を見破る瞬間は、台詞の量で証明されない。彼女は『私はあなたがスパイダーマンであることをずっと前から知っていた』と素早く語り、続いて『でも、私はあなたの陰謀論側の友達でしかなかった』とほとんど自分を笑う。本作の脚本は、彼女のスパイダーマン認知を、ヒーローのアイデンティティの脆さの物語の入口に置いている。彼女が知った瞬間に、ピーターのプライバシーは半分すでに失われていた。

演じるゼンデイヤは、本作の段階で『グレイテスト・ショーマン』『マーシュランド』のディズニー・チャンネル時代を抜け出して、後に『デューン』『ユーフォリア』へつながる女優期に入っていた。トム・ホランドとの実生活上の親交は本作の宣伝段階から複数回話題になっており、本作のラストのウェブスイングの素材は、本物のチェミストリーの上に乗っている。

ニック・フューリー/タロス、マリア・ヒル/ソレン

本作のフューリー(サミュエル・L・ジャクソン)とヒル(コビー・スマルダーズ)は、ポストクレジットで明かされる通り、スクラル人タロス(ベン・メンデルソーン)と妻ソレン(シャーリー・ヘンダーソン)の変装である。物語上、ふたりは『キャプテン・マーベル』のラスト以降、本物のフューリーから地球の代行任務を任されており、本作のあいだじゅう、ピーターの監督役を続けてきた。

ふたりが代役だった事実は、本編のフューリーの『過度に苛立った口調』『ベックの嘘を見抜けなかった理由』『ピーターを必要以上に追い詰める段取り』のすべてを、後付けで筋の通った形に整える。彼らは本物のフューリーの『次世代の地球ヒーロー候補を見つけて鍛えろ』という指令を、過剰にこなしすぎていた。本物のフューリーは、宇宙のスクラル避難民の長い再定住計画のため、地球を留守にしていた。

ベン・メンデルソーンの再登場は『キャプテン・マーベル』を観た観客への伏線回収であり、ニック・フューリーがその後の『シークレット・インベージョン』(Disney+ドラマ、2023)の中心に立つ流れの予告編としても置かれている。本作のポストクレジットは、青春映画の終わりに見せかけて、フェーズ4以降のMCUの新しい体制(地球外勢力との並走)を観客に先渡しする役を担っている。

ハッピー・ホーガンとメイ・パーカー

ハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)は、トニー・スタークの長年の運転手・親友・警備責任者であり、トニー亡きあとに彼の私的な遺産の運用を引き継いだ大人として、本作のピーターの『父親代わり』に位置づけられる。プラハ後、ベルリン郊外の留置所からピーターを迎えに来る場面は、本作のもっとも穏やかな数分で、ハッピーがトニー本人ではないことを丁寧に主張しながら、トニーが書き残したピーターへの信頼の核を、彼自身の言葉で繰り返す。

メイ・パーカー(マリサ・トメイ)は、本作の中盤までで、ピーターとハッピーの距離を後押しする立場で動く。『ホームカミング』の終わりで偶然ピーターの正体を知った彼女は、本作ではそれを大人として扱い、地域コミュニティへの寄付活動の窓口にスパイダーマンを使うところまで成熟している。彼女とハッピーが、空港の見送りとロンドンの再会で見せる視線の交差は、後作『ノー・ウェイ・ホーム』へ続く小さな伏線として残されている。

ふたりは『スパイダーマンのいちばん近くの大人たち』として、本作のフェーズ3エピローグの感情的な重みを直接受け止める役割を負う。トニーの死後、ピーターを丸ごと支える大人は彼ら二人しかいないという事実が、本作のヒーロー継承譚を青春映画のサイズに保っている。

ネッド、ベティ、フラッシュ、ブラッド——修学旅行団

親友ネッド・リーズ(ジェイコブ・バタロン)は、本作で『ピーターのスパイダー秘密の唯一の管理者』というポジションを軽々と捨て、ヨーロッパ旅行の三日目あたりからベティ・ブラント(アンガリー・ライス)と急速に恋に落ちる。彼の『独身ピーター』モードへの突然の冷淡さは、ピーターの孤独を引き立てる構成の柱として置かれている。終盤のロンドン管制室での協力は、彼の親友としての本領を取り戻す瞬間でもある。

ブラッド・デイヴィス(レミー・ヒー)は、本作で初登場するブリップ復活組のクラスメイトで、五年間先に成長した側でMJに恋愛感情を持ち、ピーターのヴェネツィアの土産物計画を間接的に潰す役を担う。彼は単純な恋敵ではなく、ブリップ復活組と消失組のあいだの『五年の時差』そのものを身体で表現する装置でもある。彼がピーターの自撮りを誤解してE.D.I.T.H.のドローン射撃の標的になる場面は、本作の倫理の中心を仮構する小さな実験室として書かれている。

フラッシュ・トンプソン(トニー・レヴォロリ)は本作でもピーターをからかい続けるが、終盤のロンドン橋上で『スパイダーマンが俺の親友のピーター・パーカーだったらいいのに』とつぶやく短い場面が、本作の正体バレ前夜の最終アクセントとして残されている。ベティ・ブラントは本作のあと、コミック原作の『デイリー・バグル』の若き記者へと書き換わる伏線も含めて、観客に小さく印象を残す配置に置かれている。

舞台と用語

舞台はニューヨーク・クイーンズの自宅と高校から始まり、メキシコ・イシュタペック(冒頭の偽の事件現場)、ヴェネツィアの運河、プラハの旧市街広場、オランダの畑(給油着陸地)、ベルリン郊外の倉庫、ロンドンのタワーブリッジ、最後にニューヨーク・タイムズ・スクエア(ミッドクレジット)と宇宙のスクラル指令艦(ポストクレジット)まで、八つの地理を跨ぐ。地理上の対比は単なる観光案内ではなく、ピーターの『家から遠く離れた場所』の段階そのもの——逃避の出発、初恋の地、欺かれる地、孤独の地、正体を取り戻す地、戦いの最後の地——を空間ごとに割り当てる構造を取っている。

中心の用語は四つ。『E.D.I.T.H.』は、トニー・スタークがピーターに遺したARグラス型の管理者システムで、Even Dead, I'm The Hero(俺が死んでも、俺はヒーローだ)の頭字語。スターク社の全データベース、衛星、攻撃ドローンへの管理者権限を持つ。本作のすべての倫理的緊張は、このグラスを誰が掛けるかをめぐって構造化されている。

『BARF(Binarily Augmented Retro-Framing)』は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)冒頭でトニーがMITで披露した、感情を伴う立体ホログラフィック・イリュージョンの技術である。ベックがその発明者で、スターク社の中で『悲しい娘との和解ホロ』と揶揄されたあとに会社を離れた経緯がある。本作で彼は同技術を兵器化し、ヨーロッパ全域を観客の前で『脚本通りに』演出する。

『スパイダー・センス(ピーター・ティングル)』は、ピーター自身の超感覚で、原作コミックでは『スパイダー・センス』として知られる危機予知能力である。本作の脚本は劇中で『ピーター・ティングル』というメイ叔母さんの愛称を使い、ピーターがその感覚を一度信じ切れずに敗北し、最後にもう一度全身で受け取り直す軌跡を、ストーリーの感情曲線の中心に据えている。『ブリップ』は、サノスの指パッチンと『エンドゲーム』のスマート・ハルクの逆指パッチンで起きた、五年間にわたる人口の半数の消失と復活を指す。本作の世界の温度は、この『ブリップ』の冗談半分の処理の上に成り立っている。

用語:MCU 用語:ブリップ 用語:アベンジャーズ 用語:インフィニティ・サーガ 用語:MCUフェーズ

制作

本作は、ソニー・ピクチャーズが保有するスパイダーマンの劇場版権と、マーベル・スタジオがMCU本編で運用するスパイダーマンのキャラクター権の協業契約(2015年成立)の二期目にあたる作品である。前作『ホームカミング』の興行的成功を背景に、ソニーとマーベル・スタジオは続編をフェーズ3の幕引きに位置づけることで合意した。以下、企画から音楽までの主要な過程を整理する。

企画と脚本

脚本は前作『ホームカミング』に続いて、クリス・マッケナ(『コミ・カレ!!』『LEGOバットマン ザ・ムービー』)とエリック・ソマーズが共同で執筆した。中心的な判断は三つあった。第一に、本作を『エンドゲーム』直後の世界の青春映画として書き、サノスのあとに続く『次のアイアンマン候補』というMCUの本質的な問いを、十代の主人公の身体で受け止めさせること。第二に、ミステリオを単なる悪役ではなく、メディア時代の『信じやすさ』そのものの寓話として書くこと。第三に、終盤の正体バレを、シリーズ最大級のクリフハンガーとして残すことだった。

ベック側の動機の細部——とくに『アイアンマン』(2008)冒頭のウィリアム・ギンター・リヴァのキャラクターを11年越しに呼び戻し、ベックのチームに据える発想——は、マッケナとソマーズが脚本会議の中で発見した『マーベル・コミックの再利用ではなく、MCU自体の旧素材の再利用』のアイディアであり、ファイギの承認を受けてピーター・ビリングスリーの再演が決まった。これは『MCUの怨念は、MCUの中で書ける』という本作の制作思想の象徴的な決定として広く語られている。

キャスティング

トム・ホランド、ゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロン、トニー・レヴォロリ、マリサ・トメイ、ジョン・ファヴロー、サミュエル・L・ジャクソン、コビー・スマルダーズら主要陣はほとんどが前作からの続投。新規キャストの中心はミステリオ役のジェイク・ギレンホールである。ギレンホールはサム・ライミ監督『スパイダーマン3』時代に、トビー・マグワイア降板の備えとして主役候補に上がった経緯を持ち、十数年越しに『敵役』として本シリーズに参加することになった。

ピーター・ビリングスリーは『アイアンマン』(2008)冒頭でトニーにスーツの設計を急かされ罵倒される技術者ウィリアム・ギンター・リヴァを11年ぶりに再演。彼はもともとジョン・ファヴロー(本作にも出演)と幼馴染の関係で、『エルフ』(2003)以来のファヴロー作品の常連でもある。J・K・シモンズの再演は、サム・ライミ版『スパイダーマン』(2002)からの実質的な復帰であり、MCUのマルチバース展開を本作のミッドクレジットで先取りする最重要キャスティングの一つになった。ベン・メンデルソーンとシャーリー・ヘンダーソンのスクラル人タロス/ソレンも、ポストクレジット直前まで秘匿された。

撮影とロケ地

主要撮影は2018年7月にロンドンのレヴェスデン・スタジオ周辺で開始され、同年10月までに、ロンドン市内(タワーブリッジ周辺、トーマス・モア・スクエア、ハックニー)、チェコのプラハ、ドイツのベルリン、北イタリア(実際のヴェネツィアではなく、より撮影管理しやすい地中海沿いの代替都市が併用された)、米国ニューヨーク市の各所で行われた。プラハのカーニバル・オブ・ライトの広場戦は、現地の旧市街広場の参照映像と、レヴェスデン・スタジオで建てた大型セットの合成で構成されている。

ロンドンのタワーブリッジ周辺の最終戦は、実物の橋を周辺の歩行者導線とともに参照しつつ、橋の中央の戦闘の大半はセットとCGで再構築された。本作はMCU作品としては中規模の予算(約1.6億ドル)で撮られたにもかかわらず、ホログラフィック演出の物量とロケ地の多さで観客に大作の印象を残した点が、業界内で繰り返し分析されている。

視覚効果

視覚効果は、Framestore(火と水のエレメンタル、ロンドンの最終戦の合成)、Industrial Light & Magic、Imageworks、Method Studios、Scanline VFX、ルマ・ピクチャーズ、Crafty Apesらが分担した。本作の視覚効果の主役は、ベックのホログラム空間でピーターが追い詰められるベルリン列車シークエンスである。Framestore主導で組まれたこの長尺の幻覚シークエンスは、観客の視点とピーターの視点を非対称に切り替えるカメラ運びで、現代CG映画の『主観空間表現』の参照作の一つとして広く引用される。

エレメンタルの設計は、コミック原作のシンプルな『水の人型』『火の人型』を踏まえつつ、本作の文脈に合わせて、ベックのホログラフィック・プロジェクターの『見映え第一』性を逆手に取り、敢えて造形が安っぽく、輪郭が時折震える方向で仕上げられた。観客が二度目の鑑賞で『最初から少し変だった』と気づける伏線として、CGの安っぽさが意図的に残されている。

音楽と音響

本編スコアはマイケル・ジアッキーノ。前作『ホームカミング』から続投で、本作では前作のアンセム『The Spider Spectacular』の主旋律を、追悼の最も静かなアレンジから、ロンドン橋上の最高潮の合奏まで、複数の角度で展開している。特に第3幕、ピーターが自分のスパイダースーツを自作するモンタージュで流れるAC/DCの『Back in Black』は、本作のためのライセンス契約の象徴であり、トニー・スターク第1作(『アイアンマン』2008)冒頭の同曲使用への意図的な反復として置かれている。

音響設計は、本作のホログラフィック幻覚の表現を支える重要な層になっている。ベックの幻覚空間では、左右のステレオ位相が一瞬乱れる微小な処理が繰り返し挿入されており、観客の身体が無意識に違和感を覚えるよう設計されている。これはミステリオの嘘の存在を、画面の見え方だけでなく、観客の聞こえ方の階層でも示す試みとして広く分析されている。

編集とポストプロダクション

編集はダン・レベンタールとリー・フォルサム・ボイドの共同体制。129分という上映時間のなかで、青春映画と国際スパイ・ミステリーの二層を切り替えながら、観客の感情を切らさない構成は、編集段階での試行錯誤の結果である。とくにベルリン列車の幻覚シークエンスは、撮影段階で複数の代替プランが準備され、ポスト段階で各段の長さを数フレーム単位で調整しながら、最終形へ詰められた。

ミッドクレジットのJ・ジョナ・ジェイムソンの登場、ポストクレジットのスクラル変身の二段オチは、公開ぎりぎりまで内容を秘匿する目的で、最終リールに最終番号で挿入された。試写段階の編集版にはダミーのプレースホルダ映像が入っており、本物の素材は劇場初日に同期させる運用が取られた。

公開と興行

本作は2019年7月2日の北米IMAX先行公開を皮切りに、同月5日の通常公開でワイドリリースされた。日本では北米より早い2019年6月28日に先行劇場公開され、これは『エンドゲーム』直後のMCUに対する世界的な熱量の高さを反映している。劇場興行は北米約3.91億ドル、海外約7.41億ドルで、全世界興収約11.32億ドル。ソニー・ピクチャーズ配給作品として史上初の10億ドル超えを達成し、2019年の世界興行ランキングで第4位前後(『エンドゲーム』『ライオン・キング』『アナと雪の女王2』に続く)に位置した。

批評は概ね好意的で、ロッテン・トマトの批評家評価は90%前後の好意的評価、観客スコアも同水準で推移した。批評欄ではジェイク・ギレンホールのミステリオ造形、トム・ホランドの主役の安定感、ジョン・ワッツの青春映画と大作の二段運用、ホログラフィック幻覚の演出が広く称賛された。本作はMTVムービー&TVアワード、ティーン・チョイス・アワード、サターン賞などで複数ノミネートを獲得し、ゼンデイヤとトム・ホランドのケミストリーは特に同年のキスシーン部門でも話題に上がった。

本作は同時に、MCUとソニーのスパイダーマン共同運用契約の更新交渉を引き起こした作品でもあり、2019年8月にいったん両社が決裂したかに見えたあと、9月には再合意が成立し、続編『ノー・ウェイ・ホーム』へつながった。本作の興行的成功なしには、その続編は成立していなかった可能性が高い。

批評・評価・文化的影響

本作の文化的影響は、興行成績以上の意味を持つ。第一に、ミステリオというキャラクターを、コミックの『フィッシュボウル男』のレトロな悪役から、メディア時代の『信じやすさ』そのものの寓話へ書き換えた点である。ベックの『人々は見たいものを信じる』という台詞は、2010年代後半のディープフェイク/フェイクニュースをめぐる議論と直接共振し、本作はその意味でスーパーヒーロー映画の枠を超えて広く参照された。

第二に、本作のラストで実行された『ヒーローの正体バレ』は、MCU全体の中でも最大級のクリフハンガーの一つで、続編『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)の物語上の出発点として完全に再利用された。J・K・シモンズによるジェイムソンのMCU再演は、サム・ライミ三部作以来のキャスティングの再接続として大きな話題になり、後年のマルチバース展開の伏線として広く論じられている。

第三に、本作は『エンドゲーム』直後のMCUに対し、巨大な戦いを終えたあと、十代の少年の小さな初恋と修学旅行から物語を再起動するという構造的判断を示した作品として記憶されている。フェーズ4以降のMCUは、サノス級の脅威の代わりに、より個別的・心理的な脅威を中心に据える方向へ動くが、その方針転換のもっとも早い旗振り役の一つが本作だった。

舞台裏とトリビア

ジェイク・ギレンホールは、サム・ライミ監督『スパイダーマン3』時代に、トビー・マグワイア降板の備えとして主役候補に上がった経緯を持つ。本作はその約十数年後に、彼が本シリーズに敵役として参加する形での再合流であり、本人もインタビューで『あのとき主役だった可能性のある世界の自分が、別の側から戻ってきた感覚があった』と語っている。

ピーター・ビリングスリーが演じるウィリアム・ギンター・リヴァは、『アイアンマン』(2008)冒頭でオバディア・ステインに『早く小型化しろ』とトニー・スタークの設計図を押し付けられる科学者である。本作で彼は『あの日からずっとスタークに恨みがあった』と語り、11年越しのMCU内部キャラ再利用の象徴になった。ビリングスリーはジョン・ファヴローの幼馴染で、『エルフ』(2003)以来の常連でもある。

AC/DCの『Back in Black』は、トニー・スタークの初登場作『アイアンマン』(2008)冒頭で象徴的に使われた曲であり、本作の自作スーツ・モンタージュでの再利用は、トニーからピーターへのトーチ・パスをBGMの選曲一つで象徴する設計として、ファンと評論家の双方に高く評価された。

ミッドクレジットのジェイムソンの場面は、撮影段階では極秘扱いで、J・K・シモンズ本人の出演契約も最終段階まで秘匿されていた。シモンズはサム・ライミ三部作の同役のままMCUで再演する形を取り、これがMCUのマルチバース演出(同一俳優・同一役名の異世界再演)の最初期の象徴的事例の一つとなった。

ポストクレジットでフューリーが実体タロスであった事実は、『キャプテン・マーベル』(2019年3月公開)のラストへの伏線回収であると同時に、後年の『シークレット・インベージョン』(2023)の核となる『スクラル人地球潜入』テーマの伏線でもあった。ベン・メンデルソーンの再演はそのまま同ドラマの中心へつながっている。

テーマと解釈

中心の主題は、信じやすさをどう扱うかである。ピーター・パーカーは、ベックの語る『地球-833からの避難者』『四つのエレメンタルの脅威』をほとんど即座に信じてしまう。彼の若さは弱点ではなく、誠実さの裏返しとして書かれている。本作の悪は、ピーターの誠実さの上に成り立っており、勝利は、誠実さを保ったまま、信じてはいけない人を見抜く眼を獲得することによって成立する。

もう一つの軸は、トニー・スタークの遺産をどう受け止めるかである。E.D.I.T.H.は、表向きは『次世代の地球の管理者権限』だが、本質的にはピーター個人へのプライベートな遺言であり、トニーが『君なら、これを誰に渡すべきか、自分で決められる』と最後に賭けた信頼の物的具現でもある。ピーターは一度ベックに渡し、一度奪い返し、最後に自分の手で再度装備する。三回触る指の数だけ、彼はトニーからの遺産との距離を測り直していく。

三つ目の軸は、メディア時代の真実の脆さである。ベックの『人々は見たいものを信じる』という台詞は、本作のラストでJ・ジョナ・ジェイムソンの偽造映像によって完全に裏返される。ミッドクレジットの数十秒で、ヒーローのプライバシーが世界の真ん中で剥ぎ取られる事態は、本作の倫理の最終回答が『個人ではなく、社会の側にある』ことを示唆する。続編『ノー・ウェイ・ホーム』は、この裏返しを引き継いで、ピーターの世界全体を一度撤回する物語へ展開していく。

視覚的には、ヴェネツィアの水とプラハの火、ロンドンの霧と灰、自宅のクイーンズの夜景、宇宙のスクラル指令艦の青白い光——本作の対比は単なる観光的な色合いではなく、青年が一人ずつの自分の感情を別の都市の光で受け取り直す、極めて意図的な構成として読める。

見る順番(補助)

MCUの公開順では、本作は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の直後、『ブラック・ウィドウ』(2021)の直前に位置する。物語内では『エンドゲーム』のラストから約8か月後、『ブリップ』の復活と社会再編が一段落した夏休みを舞台にしている。初見の場合、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『スパイダーマン:ホームカミング』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』『キャプテン・マーベル』までを観てから本作へ進むのが、トニーの死とE.D.I.T.H.の継承、フューリー/タロスのスクラル人代行の双方の理解の上でもっとも自然である。

とくに『アイアンマン』(2008)冒頭のウィリアム・ギンター・リヴァのシーンと、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』冒頭のMITでのBARFの披露の二つを観ておくと、本作のベック側の動機が完全に立ち上がる。逆に、未見の場合でも本編の表層の理解には支障はないよう、脚本は丁寧にフラッシュバックで補っている。

本作のあとに観るべき作品は、まず直接の続編『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)。ミッドクレジットの正体バレと、ポストクレジットのフューリー/タロスの宇宙任務は、それぞれ続編とDisney+ドラマ『シークレット・インベージョン』(2023)の物語上の出発点として再利用されている。観終わったあとに、フェーズ3の22作の流れを通しで振り返る復習も推奨される。

  1. 前作『アベンジャーズ/エンドゲーム』でトニー・スタークが命を落とし、フェーズ3の本編がクライマックスを迎える
  2. 本作『ブリップ』復活後、ピーターがヨーロッパで一人立ちし、E.D.I.T.H.の継承と正体バレを経験
  3. 次作(直接の続編)『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が本作のラストの正体バレから物語を引き継ぐ
  4. 次作(公開順)『ブラック・ウィドウ』がフェーズ4の幕を開け、ナターシャ後の地球を描く
  5. 関連派生『シークレット・インベージョン』が本作ポストクレジットのフューリー/タロス線を引き継ぐ
前作:スパイダーマン:ホームカミング 前提:アベンジャーズ/エンドゲーム 前提:アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 前提:キャプテン・マーベル(スクラル人タロス) 前提:シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(BARFの初出) 前提:アイアンマン(ウィリアム・ギンター・リヴァの初出) 直接の続編:スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 次作(公開順):ブラック・ウィドウ MCU公開順ガイド MCU時系列順ガイド MCUスパイダーマン見る順ガイド 『エンドゲーム』のあとに観るガイド

よくある質問(補助)

「あらすじだけ知りたい」場合は、『エンドゲーム』直後の世界でヨーロッパ修学旅行に出たピーター・パーカーが、ヴェネツィアで『ミステリオ』を名乗るクエンティン・ベックと出会い、トニー・スタークの遺品E.D.I.T.H.を一度彼に渡し、プラハとベルリンでベックの真意(スターク社元社員によるホログラフィック詐欺)を見抜き、ロンドンのタワーブリッジで彼を倒したのち、ニューヨークでMJと結ばれるところまで——という流れを押さえれば十分である。

「結末・ネタバレを知りたい」場合は、ミステリオの正体がスターク社元従業員のクエンティン・ベックであること、彼がBARF系ホログラム+ドローンで『四大エレメンタル』を演出していたこと、ロンドンの戦いでピーターはスパイダー・センスで彼の幻覚を見抜くこと、ベックは自分のドローンの誤射で死ぬこと、ミッドクレジットでJ・ジョナ・ジェイムソンがピーターの正体を世界に晒すこと、ポストクレジットで本作のフューリーとヒルがスクラル人タロスとソレンの変装だった事実が明かされること——という六点が核となる。

「ミステリオの正体は本物の異世界人か?」については、本編の中盤でMJが拾うホログラム・プロジェクターによって明確に否定される。彼は地球-616のスターク社元主任エンジニアであり、地球-833は存在しない。マルチバースが本格的に語られるのは続編『ノー・ウェイ・ホーム』からであり、本作のマルチバース語りはすべてベックの嘘である。

「評価を知りたい」場合は、批評からはジェイク・ギレンホールの悪役造形、トム・ホランドの主役の安定感、ジョン・ワッツの青春映画と大作の同居、ホログラフィック幻覚の演出が広く称賛され、興行ではソニー配給作品初の世界興収10億ドル超えを達成した一作、と整理できる。「見る順番」では、まず『ホームカミング』『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』『キャプテン・マーベル』までを観てから本作へ進み、その後直接の続編『ノー・ウェイ・ホーム』へ進むのが安定である。

参考資料・脚注

作品名、キャラクター名、画像、各種権利はそれぞれの権利者に帰属する。公開年・興行・配信状況・外部評価は変動しうるため、視聴前に公式および各データベースの最新表示を確認されたい。本記事の本文は各種公開情報をもとに、Anna Movies用の独自の日本語文章として構成している。

  1. Marvel公式 スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
  2. IMDb: Spider-Man: Far From Home (2019)
  3. Marvel Cinematic Universe Wiki: Spider-Man: Far From Home
  4. Box Office Mojo: Spider-Man: Far From Home
  5. Sony Pictures 公式: Spider-Man: Far From Home

関連ページ

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参照・確認先

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