物語 / 出来事
第289期ハンター試験
第289期ハンター試験は、暗黒大陸への渡航に必要な人員だけを集めるために行われた選考。延期を経て7月3日までに終了し、最終試験はチードル=ヨークシャーとクラピカが担当した。
第289期ハンター試験は、V5がハンター協会に協力を求め、ビヨンド=ネテロとカキン帝国の暗黒大陸行きへ同行する体制が整った後に実施された。試験は必要な資源を集めるためにいったん延期され、開始日は明らかにされていない。全日程が終わったのは7月3日までで、チードル=ヨークシャーが会長を務めた時期に行われた最初のハンター試験にあたる。
この回で募集されたのは、暗黒大陸行きの計画に直接必要な人員だけだった。カキンに雇われた警備要員は、渡航のあいだだけ有効な限定ライセンスを持つ准会員として扱われ、念の習得は条件から外された。内容が伝わっている選考は第一次試験と最終試験で、最終試験ではチードル=ヨークシャーとクラピカが試験官を務め、残った受験者に質疑応答形式の適性検査が課された。
基本情報
| 時期・日時 | 開始日は明らかにされていない。必要な資源を集めるためにいったん延期され、7月3日までに全日程を終えた。 |
|---|---|
| 場所 | 会場の所在は明らかにされていない。カキン帝国のブラックホエールの警備と、暗黒大陸への渡航を前提として実施された。 |
| 関係者・参加者 | 最終試験の試験官はチードル=ヨークシャーとクラピカ。第一次試験ではミザイストムが機器の判定を疑い、ユンデの通過を認めた。受験者にはカキンの各王子の兵士や、ビヨンド=ネテロの暗殺者が含まれる。 |
| 合格者 | 暗黒大陸渡航のみに有効な限定ライセンスを得た約150名の准会員ハンターと、暗黒大陸探索のために集められたハンター。前者にはテータ、サルコフ、ミュハン、ダンジン、ジダル、リサムセッタ、モズベ、メシュシ、ボークセン、エリックス、ムハハハサレ、ゾメーサが含まれる。 |
| 不合格者 | ビヨンド=ネテロの暗殺者全員、ミュヘル、ゴレムを除く石壁部隊の構成員、ユンデ、第七王子ルズールスの兵士全員。 |
| 結果・影響 | 暗黒大陸行きに必要な人員だけが採用され、准会員には念の習得を求めない期限付きの資格が与えられた。ハンター十ヶ条の第2条には准会員に関する条項が加えられた。チードル=ヨークシャーの会長就任後では最初のハンター試験にあたる。 |
出来事の概要
会長チードル=ヨークシャーは、暗黒大陸行きに必要な人材だけを採用する方針を立てた。求めたのは、ブラックホエールの航海を守る警備要員か、探索そのものに役立つ技能を持つ者のいずれかである。広くハンターを募る通常の選抜とは異なり、渡航計画の欠員を埋める採用手続きとして組み立てられた。
カキンの警備要員に課された課題は、暗黒大陸へ向かう班に対するものより緩やかだった。彼らは渡航期間だけ有効な限定ライセンスを持つ准会員という扱いで、念を習得する義務を負わない。ハンター十ヶ条の第2条はハンターに最低限の武術の心得を求め、そこには念の習得も含まれる。チードル=ヨークシャーは条文そのものを書き換えず、准会員に関する条項を加える穏当な方法をとった。
経過と時系列
発端は、V5がハンター協会に協力を要請し、ビヨンド=ネテロとカキン帝国の暗黒大陸行きへ同行させる形を取り付けたことにある。試験は必要な資源をそろえるために延期された。開始がいつだったかは記録されていないが、7月3日までにすべての選考が終わっている。
選考のうち内容が伝わっているのは第一次試験と最終試験で、その間の段階については記述がない。ユンデは第一次試験でいったん不合格と判定されながら先へ進み、最終試験でミュヘルとともに落とされた。最終試験の場に立ち会ったのは、チードル=ヨークシャーとクラピカである。
第一次試験の内容
第一次試験の詳細は明らかでない。分かっているのは、サーモグラフィと嘘発見の手法を組み合わせた心理検査が行われたことである。この段階の狙いは、ハンター協会へ潜り込もうとする間諜をふるい落とすことにあった。
それでも多くの間諜がここを通過して最終試験まで残り、クラピカはその数に驚いた。ミザイストムはユンデが不合格と判定された際に機器の側を疑い、通過を認めている。ユンデを科学班と動植物班をつなぐ立場の人物とみており、協会へ容易に入り込める上級の人材である以上、その依頼主が罠をかわす手立てを十分に取っていないとは考えにくいと判断したためである。
最終試験の内容
最終試験は適性検査で、残った受験者の情報収集力、分析力、応用力を質疑応答によって測った。当時の会長であるチードル=ヨークシャーは、カキン国王ナスビ=ホイコーロとビヨンド=ネテロが暗黒大陸へ渡ると世界へ向けて宣言する映像を、モニターに映し出した。
受験者はこの映像を踏まえて三つの設問に答える。第一に、発表より前にこの計画を知っていたかどうか。第二に、知っていた場合は情報を得た経路をできる限り詳しく説明し、知らなかった場合は事前に情報を得る方法を理論上どう組み立てられるかを述べること。第三に、その事前情報からどのような経済的、社会的、文化的利益が得られるか。
受験者が答えるあいだ、クラピカは導く薬指の鎖を使い、協会への潜入を図る者を秘かに探った。情報を隠している者はもちろん、真実に嘘を混ぜて答えた者も、その場でクラピカが不合格にしている。
関係者・結果・影響
合格したのは、カキンに雇われ暗黒大陸渡航のみに有効な限定ライセンスを得た約150名の准会員ハンターと、暗黒大陸探索のために集められたハンターである。前者にはテータ、サルコフ、ミュハン、ダンジン、ジダル、リサムセッタ、モズベ、メシュシ、ボークセン、エリックス、ムハハハサレ、ゾメーサに加え、王子ツェリードニヒに付いた名前の明かされていない五人目の男性兵士が含まれる。カミーラ、チョウライ、ツベッパの兵士も複数が合格した。
不合格となったのはビヨンド=ネテロの暗殺者全員で、ミュヘルは最終試験で落とされた。石壁部隊の構成員も不合格だが、ゴレムはそこに含まれない。ユンデは第一次試験でいったん落とされたのち最終試験で不合格となり、第七王子ルズールスの兵士も全員が落ちた。ツェリードニヒは、ルズールスが嘘発見器の存在を考えずに部下へ暗殺を持ちかけたためだと見ている。
この試験は、チードル=ヨークシャーが会長となってから初めて行われたハンター試験である。知られている範囲では、延期された唯一の試験であり、会長が特定の人物を名指しで参加させた唯一の例、応募者の一部であるカキンの警護役にだけ別の課題を課した唯一の例、そして期限付きの資格を与えた唯一の例でもある。
出来事の因果と読みどころ
第289期ハンター試験を詳しく読むときの軸は一つではない。出来事は結末だけを切り出さず、開始時の状況、参加者が持っていた情報、転換点、直後に残った問題の順で読むと因果が明確になる。
基本情報のうち「時期・日時」は、開始日は明らかにされていない。必要な資源を集めるためにいったん延期され、7月3日までに全日程を終えた。これに対して「場所」は、会場の所在は明らかにされていない。カキン帝国のブラックホエールの警備と、暗黒大陸への渡航を前提として実施された。一方だけを強調すると項目の働きを過大または過小に評価しやすいため、両方を照合したい。


