物語 / 物語編
会長選挙とアルカ編
ネテロの死後のハンター協会会長選挙と、キルアがアルカ=ゾルディックとナニカの力でゴンを救うまでを並行して描く物語編。パリストンの当選と辞任、チードルの会長就任までを扱う。
会長選挙とアルカ編は、ハンター協会会長ネテロの死後に行われた後継者選びと、キルアが実家に閉じ込められていたアルカ=ゾルディックを連れ出してゴンを救うまでを、並行して描く物語編である。ネテロの死後、ハンター協会では次の会長を選ぶ投票が始まる。その頃、ゴンはキメラ=アント討伐で負った代償によって危篤状態にあり、医療でも除念でも救えない。協会の将来を決める公開選挙と、ゾルディック家が隠してきたアルカの力が、別々の場所で同時に動く。
二つの出来事を結ぶのは、レオリオ=パラディナイトとキルアがゴンを助けようとする行動である。レオリオの怒りは選挙での支持へ変わり、キルアの決断は家族内の監視とイルミの追跡を突破していく。選挙の勝者が決まる瞬間には、救われたゴン自身が会場へ姿を現す。最終的にパリストン=ヒルが第13代会長へ選ばれるが、彼はチードル=ヨークシャーを副会長に指名した直後に辞任し、チードルが後任の会長となった。
基本情報
| 範囲・話数・期間 | ネテロの死後に次期会長を決める投票が始まる場面から、パリストンの当選と辞任、チードルの会長就任、回復したゴンが選挙会場へ現れる場面までを範囲とする。 |
|---|---|
| 場所・舞台 | ハンター協会の選挙会場、危篤のゴンが入院する病院、アルカが閉じ込められていたゾルディック家の実家が主な舞台となる。結末ではゴンが世界樹でジン=フリークスと会う。 |
| 主要人物・勢力 | 選挙側はパリストン=ヒル、チードル=ヨークシャー、ミザイストム、レオリオ=パラディナイト、ジン=フリークス、および運営を担う十二支ん。救命側はキルア、アルカ=ゾルディックとその内側に現れるナニカ、シルバ、イルミ、ツボネ、アマネ、ヒソカ、そして危篤のゴン。 |
| 選挙の方式 | ネテロが生前に残した記録の指示により、次期会長はハンター全員の投票で決まる。十二支んが方式を定め、投票率と得票条件を満たす候補が出るまで投票を繰り返した。 |
| 最終候補 | パリストン、チードル、ミザイストムに、立候補していなかったレオリオが加わる。レオリオは会長職を目的とせず、公の場でゴンの救命を訴えたことで最終候補に残った。 |
| 結果・影響 | パリストンが第13代会長に選ばれた直後に辞任し、チードルが会長となる。パリストンは十二支んからも離れ、レオリオがその後任に入った。ゴンはナニカの治療で回復して選挙会場へ現れ、キルアはアルカと旅を続ける。ネテロの死で空いた席を埋める手続きは、暗黒大陸へ向かう組織の組み替えにつながった。 |
あらすじ:会長選挙の開始
この物語編は、ネテロの死によって空いた会長職を埋める手続きと、キルアがゴンの命を救うために動く経緯を交互に追う。ネテロは生前に残した記録で、次期会長をハンター全員の投票によって決めるよう指示していた。運営を担う十二支んは選挙の方式を定め、投票率と得票条件を満たす候補が出るまで投票を繰り返す。副会長だったパリストン=ヒルは、その規則の範囲内で候補者と有権者の動きを揺さぶり、選挙を長期化させた。
チードルたちは、パリストンが会長職そのものより、選挙の過程で相手が困る状況を楽しんでいると見る。ただしこの理解は、長く副会長として対立してきた十二支ん側の評価である。パリストンがどの一手をいつ決めたかまで、他者の推測だけで確定させることはできない。
展開と主な出来事:レオリオの一撃と争点の変化
候補者の公開質疑で、レオリオ=パラディナイトはジン=フリークスが重体のゴンを見舞わないことへ怒り、念による拳を離れた場所から当てる。会場はその行動を支持し、立候補していなかったレオリオへも票が集まり始めた。抽象的だった会長選挙に、ゴンを救うため協会は何をするのかという具体的な争点が入る。
レオリオは会長になること自体を目的にしていない。それでも、医師を志す彼が友人の救命を公の場で訴えたことで、パリストン、チードル、ミザイストムと並ぶ最終候補の一人になる。その人気は選挙運動の設計から生まれたのではなく、ゴンへ向けた行動の結果だった。
アルカの連れ出しとナニカによる治癒
キルアはゴンを救える可能性として、実家に閉じ込められていたアルカ=ゾルディックと、その内側に現れるナニカの力を選ぶ。ゾルディック家は、願いの後に重いおねだりが続き、失敗すれば複数人が死ぬ事例を記録していた。シルバは条件付きで外出を認め、ツボネとアマネに同行と監視を命じる。しかし、家族が把握した規則は完全ではなかった。キルアはナニカへの命令と治癒に関する例外を知り、ほかの家族にはその全体を明かしていない。
イルミは当初、アルカを殺してキルアを守ろうと追跡し、治療の規模を知った後はナニカを自分の管理下へ置こうとする。ヒソカはイルミに協力しながら、ゾルディック家の誰が生き残れば自分にとって都合がよいかを測って動く。追跡を抜けたキルアはアルカをゴンのもとへ連れていき、ナニカに治療を頼んだ。治療には対象へ手で触れる必要があり、キルアは破壊を伴うほど大きな力が放たれることも見込んで、病院側へ退避を求めていた。ナニカはゴンの身体を覆っていた異常な状態を解き、生命の危機から回復させる。
治療後、キルアはナニカを遠ざけようとするが、アルカはナニカも自分の一部として扱うよう求める。キルアは二人を分けて拒絶したことを謝り、ともに旅へ出た。この時点で、ナニカが何という存在で、なぜアルカの内側にいるのかは説明されていない。願いとおねだりの観察例は示されるものの、能力の起源まで確定したわけではない。後の暗黒大陸に関する情報と似た特徴を結び付ける解釈は可能でも、同一だという断定は原作の確定事項ではない。
人物・勢力と結果:パリストンの当選と辞任
ゴンの回復によって、レオリオを押し上げていた救命の目的は満たされる。治療時に放たれた大きな気配は、離れた場所のハンターたちにも伝わった。ゴンは選挙会場へ現れ、ジンとも直接顔を合わせる。
最終的にパリストンが第13代会長へ選ばれるが、彼はチードル=ヨークシャーを副会長に指名した直後に辞任する。チードルが次の会長となり、パリストンは十二支んからも離れた。選挙はパリストンの勝利だけでは終わらない。レオリオは十二支んの後任となり、ジンも協会の枠外から次の目的へ動く。
ゴンはその後、別の姿で生まれ直したカイトへ謝罪し、世界樹でジンと会う。一方のキルアはアルカと旅を続け、二人は別々の道へ進んだ。ネテロの死で空いた席を埋める手続きは、暗黒大陸へ向かう組織の組み替えにつながっていく。
公開された規則と隠された規則
会長選挙とアルカ救出は、同じ事件ではない。選挙は全ハンターへ公開された規則の運用であり、アルカの件は家族が事故例から推定した規則と、キルアだけが知る例外をめぐる攻防である。それでも両者では、規則を知る量の差が行動の自由を左右した。
パリストンは公開規則を使って他候補の判断を誘導し、キルアは隠していた例外によって家族の包囲を崩す。レオリオだけは規則の外から目的を持ち込み、ゴンの救命を選挙の中心へ押し出した。制度を動かしたのは制度への忠実さだけでなく、誰のために使うかという意志だった。


