第1使徒アダム(ADAM)は、シリーズの前史となるセカンドインパクトの引き金となった『光の巨人』である。リリス以外の使徒の生命の祖、すなわち アダム系統の使徒すべての始祖 として位置づけられる。劇中では本体の姿はほぼ登場せず、セカンドインパクト時に ロンギヌスの槍 で胎児状態に還元され、硬化ベークライトで封印された姿として描かれる。封印された胎児体は加持リョウジの手を経て NERV へ運搬され、最終的に碇ゲンドウの右手に移植される。アダムの魂は肉体から分離してどこかへ消失するが、ゼーレが回収して人型の肉体を与えたものが 第17使徒タブリス(渚カヲル) である。シリーズ最終局面では、ゲンドウの右手のアダムと 第2使徒リリス を融合させてサードインパクトを発動し、人類補完計画 を成就させる、というのが旧シリーズの基本構造になる。新劇場版では設定が再構築され、月面に封印された『アダムスの器』として複数体(ゲンドウのセリフでは『アダムスと六本の槍』)が登場する。
南極での発見とセカンドインパクト
2000年9月13日、南極大陸(マーカム山周辺)で『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(後の SEELE 系列)主導の探査隊によって、アダムは『光の巨人』として地中から発見される。表向きは『光速95%の極小隕石落下』と説明されたが、その実態は、SEELE と碇ゲンドウ・冬月コウゾウらが、覚醒寸前のアダムを ロンギヌスの槍 で胎児に還元する実験を行った際に発生した大規模事故である(セカンドインパクト 参照)。インパクトの結果、南極大陸は事実上消滅、海面上昇により世界人口の約半数が死亡、地球の地軸まで影響を受ける。アダムの肉体は胎児サイズまで還元されて封印に成功するが、魂は飛散し、行方知れずとなる。
ゲンドウの右手 — 胎児アダムの移植
胎児まで還元され硬化ベークライトで封印されたアダムは、加持リョウジ によって日本の NERV 本部へ運ばれる(TV版第拾五話前後)。最終的にアダムの胎児体は 碇ゲンドウ の右手に移植され、ゲンドウは『アダムを掌握した人間』となる。この事実は劇場版『DEATH(TRUE)2』(1997年版) と『THE END OF EVANGELION』で明示的に描かれる。漫画版(貞本義行画)ではゲンドウが胎児のアダムを口に入れる(『食べる』)印象的なシーンとして再構成される。ゲンドウは右手のアダムを 綾波レイ(リリスから生み出されたクローン体) に融合させることで、自分主導の 人類補完計画 を発動させようとするが、最終局面でレイ自身に拒絶されて失敗する。
アダムの魂 — ゼーレが回収しカヲルへ受肉
セカンドインパクト発生時に肉体から分離したアダムの魂は、後に ゼーレ によって回収され、人型の肉体を与えられて受肉される。これが 第17使徒タブリス(渚カヲル) である。つまり TV版第24話「最後のシ者」でゼーレが NERV に派遣する『最後の使徒』は、起源を遡れば最初の使徒アダムの魂を宿した存在ということになり、シリーズ最大の対称構造の一つを形成する。カヲルは中央教義(セントラル・ドグマ)最深部のリリスに到達し、肉体的にはアダムの魂を持つ存在として補完計画完了の条件を整えるが、磔にされているのが想定外のリリスだと知って計画を放棄し、シンジに『さぁ、僕を殺せ』と告げて初号機に頭部を握り潰される。
アダム由来のエヴァ — 弐号機/量産機/Mark.06
エヴァンゲリオン本体 はアダムまたはリリスをコピーした巨大生命体を素体とし、装甲(=拘束具) で人型に縛り付けたものである。アダム由来 とされる機体は、弐号機・三号機・量産機エヴァシリーズ(5〜13号機)・Mark.06 ほか。一方、リリス由来 は初号機・零号機の2機に限られる(設定資料による)。アダム由来のエヴァは互換性の高さから複数機が量産できるが、リリス由来は世界に2機しか作れない。旧劇場版『THE END OF EVANGELION』終盤、量産機エヴァシリーズ9機が初号機(リリス由来)を襲撃するクライマックスは、設定上は『アダム系の眷属がリリス系を喰らう』象徴的シークエンスでもある。
新劇場版での再構築 — 『アダムスの器』4体
新劇場版では設定が大幅に再構築され、アダムは『アダムスの器』として複数体に分散する。『Q』では月面の Mark.06 がアダムスの器とされ、内部に第12使徒(あるいは別ナンバリングの『最初の使徒』)が封じられている。『シン・エヴァ』終盤の ゴルゴダオブジェクト シーンで、ゲンドウは『この場所には人ならぬ者がアダムスと六本の槍と共に来た』と語り、複数体のアダムス(通説では4体前後)と槍が地球外から飛来した存在として位置づけられる。さらに『シン・エヴァ』の最終決戦『ヤマト作戦』では、ヴィレが 第4の使徒(アダムスの生き残り) を NHG ヴンダー級戦艦4隻で輸送し、新しい槍(ガイウスの槍) の鋳造素材として使用する展開がある。新劇場版のアダム/アダムス設定は旧シリーズと連続せず、ナンバリング体系を含めて作品内独自の体系に組み替えられている。
関連ページ
使徒 はアダムの眷属で、第3使徒以降はアダムからの派生として位置づけられる。ロンギヌスの槍 はアダムを胎児に還元した張本人。セカンドインパクト はアダム胎児還元時に発生した破局事象。人類補完計画 はアダムとリリスの融合で発動する。碇ゲンドウ は右手にアダムを移植した人物、渚カヲル はアダムの魂を宿した第17使徒。
アダム のよくある質問
本ページに頻出する質問とその回答を Q&A 形式でまとめる。各回答は本文の該当セクションをコンパクトに再述したもの。
アダムは何号の使徒?
TV版・旧劇場版では『第1使徒』。新劇場版では使徒ナンバリングが再構築されており、第2の使徒・第3の使徒・第4の使徒など複数体のアダムス(器)として登場する。
セカンドインパクトとアダムの関係は?
アダムが覚醒する前に SEELE と碇ゲンドウがロンギヌスの槍を使ってアダムを胎児状態に還元しようとした実験事故が、2000年9月13日のセカンドインパクトの正体。アダムの肉体は胎児に還元されて封印に成功するが、魂は飛散して行方不明になる。
アダムの肉体は今どこにある?
TV版・旧シリーズでは、胎児に還元されたアダムは加持リョウジが運搬し、最終的に碇ゲンドウの右手に移植されている。旧劇『THE END OF EVANGELION』ではこの右手を媒介に綾波レイ(リリス)との融合が試みられる。
渚カヲルとアダムの関係は?
アダムの魂はセカンドインパクト時に肉体から分離・飛散したが、後に SEELE が回収して人型の肉体を与えた。これが第17使徒タブリス=渚カヲルである。第1使徒アダムと第17使徒タブリスは『起源と末裔』の対称関係にある。
新劇場版での『アダムス』とは?
新劇場版で再構築された設定。月面ほか複数箇所に封印された複数体のアダム(『アダムスの器』)を指す。『シン・エヴァ』のゴルゴダオブジェクト周辺で、ゲンドウは『アダムスと六本の槍』が地球外から飛来したことを示唆する。通説では4体前後が想定されるが、公式に体数の断定はなされていない。
本ページの主な参考資料
本ページに記載した事実は、以下の一次情報および ja.wikipedia 各エントリを WebSearch / WebFetch で参照して記述している。記述の現状は2026年5月時点。