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2011年版 第51話
2011年版アニメ第51話「ヒジョウ×ノ×センジョウ」を解説。ネオンの脱走、クロロの予言、室内遊魚、幻影旅団の鎮魂曲を整理する。
2011年版アニメ第51話「ヒジョウ×ノ×センジョウ」は、2012年10月14日に放送されたヨークシンシティ編の一話である。原作No.94後半からNo.97前半を映像化し、地下競売会場が旅団とマフィアの戦場へ変わる。
物語はネオンの単独行動、クロロの能力取得、十老頭が集めた暗殺者、旅団員による市街戦を並行して描く。競売の再開を目指すマフィアに対し、クロロはウボォーギンへの鎮魂曲として流血を選ぶ。

第51話でウボォーギンへの鎮魂曲を指揮するクロロ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

ネオンから天使の自動筆記を盗むクロロ 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

地下競売へ向かうネオンとライト 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

旅団討伐へ集められた暗殺者 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博

クロロを追って競売会場へ入る暗殺者 引用『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
基本情報
| 媒体 | 2011年版TVアニメ |
|---|---|
| 話数 | 第51話 |
| 副題 | ヒジョウ×ノ×センジョウ |
| 放送日 | 2012年10月14日 |
| 原作対応 | No.94後半〜No.97前半 |
ネオンの脱走と捜索
ネオンは買い物の途中で使用人と護衛の目を盗み、一人で地下競売会場へ向かう。緋の眼を自分で見たいという欲求が、護衛計画の外へ彼女を押し出す。
ライトは十老頭側が集めた暗殺者と合流していた。ゼンジがノストラード組を侮辱すると、クラピカは即座に威圧し、雇い主のライトに制止される。
バショウとセンリツからネオン失踪の連絡が入ると、クラピカは律する小指の鎖ではなく導く薬指の鎖を使い、彼女の位置を探す。
ライトは警察と会場警備へ連絡し、娘を中へ入れないよう命じる。しかしネオンはすでにクロロと接触し、彼の助けで警備を通過していた。
護衛側は能力で居場所を絞れても、ネオンが誰と一緒にいるかまでは把握できない。捜索の成功と保護の成功が別問題であることが、会場到着後に明らかになる。
クロロが受け取った予言
クロロはネオンの天使の自動筆記に関心を示し、自分の未来を占わせる。ネオンは相手が旅団の団長だと知らず、能力の条件を満たして予言を書き上げる。
詩には失った仲間を悼むこと、身体へ傷を負うこと、それでも強さを保つこと、新しい仲間を求めることが示される。クロロは内容を読み、涙を流す。
涙はネオンを欺く演技だけではない。ウボォーギンの死を確信し、仲間を失った事実を受け入れた反応として描かれる。
ネオンは幼い頃にテレビで見た占い師が詐欺師だったと知っても、占いへの憧れを失わなかったと語る。本人は自分が書いた予言を読めないため、能力の結果をクロロだけが利用できる。
クロロは予言へ従うだけでなく、書かれた未来を旅団の作戦へ取り込む。能力を盗む前から、情報の価値を理解し自分の行動を組み替えている。
ネオンを気絶させる目的
クロロは歩きながら霊の存在を信じると話し、ウボォーギンを念頭に置く。鎮魂のため暴れるという決意を固めた後、ネオンを一撃で気絶させる。
その場では心配する同行者を装い、警備へ助けを求める。能力を奪う条件を満たした後、ネオンを殺さず手元から外すことで追跡の目を会場内へ向ける。
監視室では暗殺者の一人が映像を巻き戻し、クロロがネオンを殴った瞬間を確認する。偽装は一般警備には通じても、映像を検証する相手には破られる。
クラピカとライトは倒れたネオンへ到着する。クラピカはライト、バショウ、センリツを退避させ、競売が行われず建物が戦場になると判断する。
ネオンの救出によってノストラード組の直接の目的は達成されるが、クロロはすでに能力を盗み終えている。身体を取り戻しても、天使の自動筆記という資産は失われた。
室内遊魚による処刑
暗殺者は監視映像からクロロを追い、単独で対峙する。クロロは相手の接近を待ち、自分の能力を試すように一対一の戦闘へ招く。
盗賊の極意から呼び出した室内遊魚は、密閉された室内だけで生存できる念魚である。魚に食われた人間は肉体を欠損しても、室内にいる間は死なず痛みも感じない。
暗殺者の身体は念魚に食い裂かれながら意識を保つ。クロロは能力の奇妙な条件を利用し、即死させずに相手を恐怖と観察の対象へ変える。
窓を開けて室内の条件を崩すと、念魚が消え、保留されていた傷が現実の死へつながる。能力の解除が救出ではなく処刑の完了になる。
この戦いはクロロの直接的な格闘力だけを示す場面ではない。盗んだ能力の条件を理解し、場所と相手の心理へ合わせて選ぶ運用力が際立つ。
十老頭が集めた暗殺者
地下競売を守るため、マフィア側は複数のプロ暗殺者を雇う。その中にはゾルディック家のゼノとシルバも含まれ、旅団排除へ大きな費用を投じる。
暗殺者同士は即席の集団であり、能力や戦法を共有したチームではない。クロロは分断された相手から倒し、数の優位を機能させない。
ゼノとシルバは他の暗殺者と異なり、クロロの能力盗用を警戒する。標的を倒すだけでなく、どの条件で能力を奪われるかを推測しながら接近する。
クラピカも会場へ残るが、依頼された護衛と自分の復讐が重なる。旅団を追いたい気持ちがあっても、まずネオンと雇い主を安全圏へ出す役割を果たす。
マフィアは高額な戦力を集めても、指揮系統と情報を旅団に上回られている。建物内の暗殺戦と市街地の襲撃が同時に進み、防衛側は戦力を集中できない。
ウボォーギンへの鎮魂曲
クロロから「派手にやれ」という連絡を受けた旅団員は、墓地ビルへ向かいながら警察とマフィアを排除する。会場周辺そのものが戦場になる。
フェイタンとフィンクスだけでなく、シズク、フランクリン、マチ、パクノダ、ボノレノフ、コルトピらが別経路から進む。ヒソカは直接加わらず、動きを見守る。
旅団の襲撃は競売品を盗むためだけではない。クラピカに殺されたウボォーギンへ捧げる鎮魂の意味を持ち、団長の個人的な悲しみが組織全体の暴力へ変換される。
映像ではモーツァルトの「ラクリモーサ」が流れ、クロロが指揮者のように手を動かす。市街の銃撃と室内の死が一つの演奏として編集される。
美しい音楽と大量殺人を重ねる演出は、旅団を単純に格好よく見せるためだけではない。仲間を悼む感情と、無関係な人間を犠牲にできる非情さが同時に存在する。
補足と位置づけ
クロロはネオンへ近づく際、旅団団長として威圧せず、同じ占いへ関心を持つ青年として会話する。能力を奪うために相手の警戒を解き、質問へ答えさせ、実演を見せてもらう必要があるからである。戦闘外の対人技術が盗賊の極意の前提になる。
ネオンの予言は本人が内容を読まないという流儀を持つ。依頼者の未来へ過度に介入しないためだが、クロロにとっては能力者が結果を知らないという好条件でもある。自分の能力が盗まれた事実にも、その場では気付けない。
室内遊魚は強力でも屋外では成立しない。クロロは監視室に近い閉鎖空間へ暗殺者を誘い、窓の開閉まで決着手段へ組み込む。盗んだ能力を持つだけでなく、最大限に働く舞台を即座に選ぶ。
暗殺者を生かしたまま食わせる行為は情報収集のためではなく、ウボォーギンへの鎮魂という団長の感情へ結び付く。冷静な能力選択と残酷な演出が同居し、クロロの仲間への情と他者への非情さを分けられなくする。
旅団員の市街戦は団長の指示で始まるが、各員は得意な方法で進む。フランクリンの銃撃、シズクの掃除、接近戦を得意とする者の排除が並行し、中央の細かな命令がなくても組織として目的地へ集まる。
クラピカはクロロへ近づける状況でも、ネオンとライトの安全を先に処理する。ウボォーギンを倒した直後で復讐心は強いが、護衛の契約と仲間の助言が行動の順序を保たせている。
記事の読みどころ
クロロの予言へ書かれた仲間の喪失は、旅団員の行動予定にも影響する。予言を共有すれば回避策を立てられる一方、誰が死ぬ可能性を持つかという情報が組織内へ緊張を生む。占いは未来の断定ではなく、作戦を変える新しい条件になる。
ヒソカが市街戦へ加わらないことは、旅団員としての不自然さを強める。彼はウボォーギンを悼む目的を共有せず、クロロと戦う機会だけを見ている。旅団が仲間への感情で結束する回ほど、偽の団員である立場が際立つ。
ネオンを保護したライトは、娘の安全に安堵しても能力喪失をまだ知らない。ノストラード組の急成長を支えた予言が使えなくなれば、顧客への価値とマフィア内の地位が後から崩れる。本話の被害は会場内の死者だけで終わらない。
位置づけ
クロロがネオンを殺さない判断には、能力を盗んだ後も元の持ち主を生かしておく盗賊の極意の規則が関係する可能性がある。ただし本話のクロロは警備の注意をそらす必要もあり、単一の理由だけで行動を説明し切るべきではない。ネオンを生かしたまま護衛へ返すことで、ライトたちは能力喪失より娘の救出を優先し、クロロを追う戦力も一時的に分散する。この遅れも作戦へ効く。
2011年版 第51話が残したもの
第51話で競売会場を戦場へ変えたのは、戦力不足ではなく目的の違いである。マフィアは競売の継続を望み、旅団は盗品と鎮魂を求め、クロロは予言を得て作戦を更新する。
ネオンの能力を奪う静かな接触と、市街地での大規模な殺戮は同じ団長の計画に属する。クロロの危険性は強い能力だけでなく、人間関係と状況を利用して手順を組み替える点にある。
終盤にはゼノとシルバという別格の暗殺者が残る。旅団の鎮魂曲が最高潮へ達した直後、団長自身が命を懸ける戦いへ入る構成になっている。